2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:872ページ
ナイス数:30ナイス
文盲: アゴタ・クリストフ自伝 (白水Uブックス)の感想
『悪童日記』の背景にあったアゴタ自身の物語。一編一編は比較的短いテクストだが、ずっしりと重い質量を持っている。4才から文字を読み、豊かなイマジネーションを膨らませながら成長した作家が、亡命により祖国を失い、母国語の読み書きができない文盲状況に置かれ、アイデンティティを浸食されるかの恐怖に晒される。しかも乳飲み子を抱えた若い母親の時代に。そして苦しく貧しい生活の中でフランス語を学び、あえてフランス語で物語を書くことを引き受けて、それに挑戦することを決意したという。…小説再読せねば…日本語版しか読めないけど。
読了日:2月25日 著者:アゴタクリストフ
フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)の感想
満州にいた日本人達がどんな終戦を迎えていたのかということが描かれていて興味深かった。侵攻してきたロシア軍は囚人兵やロシア語も話せない外蒙兵で、警察の管理がないのをいいことに略奪や婦女暴行もし放題の恐怖。そんな状況で、ソ連軍から居住許可証を取り付けて、大きなアパートに三千人の避難民を保護した上田としこの父のような人物がいたなんて。お妾さん問題とかあっても赦す!大人物なり。お嬢様らしい楽観性もあるけれど、この時代を悩みながらも伸び伸びと成長する主人公には生きる力を感じずにはおれないです。
読了日:2月11日 著者:村上もとか
ACCA13区監察課(3) (ビッグガンガンコミックススーパー)の感想
あ、ついにニーノの視線に気がついてしまったジーン・オータス。自分が置かれている立場がよく分からないまま状況に巻き込まれるって「トゥルーマン・ショー」的恐怖ですね。ニーノの本当のボスはいつ正体を現すのかな。グロッシュラー長官もなんだかしんどそうであります。3巻目にしてようやく面白くなってきました。続きが気になる。
読了日:2月8日 著者:オノ・ナツメ
ACCA13区監察課(2) (ビッグガンガンコミックススーパー)の感想
3巻が出たので再読
読了日:2月6日 著者:オノ・ナツメ
月の裏側 (日本文化への視角)の感想
人類学者レヴィ=ストロースの日本での講演記録や未刊の日本論などを集めた著書。6歳頃から日本文化に魅了され、良い成績をとったご褒美に父親の紙挟みからコレクションの浮世絵を1枚ずつ貰うのが楽しみだったという親日ぶり。あくまで旅行者である立ち位置から、表面的な理解だが…と謙遜しつつの鋭い洞察。普段見ていない日本文化の側面に光が当てられ膝を打つ。やっぱり日本文化は面白い!さすがに30年前のテキストなので日本神話研究などはもっと進んでいると感じたけれど、それも氏の思索に刺激をうけた研究者らによる成果なのでしょうね。
読了日:2月6日 著者:クロード・レヴィ=ストロース
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