横浜の仕事帰りに、ちょうど日曜日でもあったので新橋演舞場に寄ってきました。
秀山とは初代吉右衛門の俳名だそうで、初代の生誕120年を記念して始まった興行で、今年5年目だそうです。生きていれば125才ですね。
昼夜演目は違いますが、虫六が見たのは、昼の部。
一、月宴紅葉繍(つきのうたげもみじのいろどり)
在原業平 梅 玉
小野小町 魁 春
二、伊賀越道中双六 沼津(ぬまづ)
呉服屋十兵衛 吉右衛門
お米 芝 雀
池添孫八 染五郎
荷持安兵衛 歌 昇
雲助平作 歌 六
三、江戸絵両国八景 荒川の佐吉(あらかわのさきち)
荒川の佐吉 仁左衛門
丸総女房お新 福 助
仁兵衛娘お八重 孝太郎
大工辰五郎 染五郎
卯之吉 千之助
相模屋政五郎 吉右衛門 ほか
四、寿梅鉢萬歳(ことぶきうめばちまんざい)
萬歳 藤十郎
です。
もちろん、お目当ては「荒川の佐吉」です。座頭には悪いけどね〜。
仁左衛門丈は、黄絣が本当に似合いますね。粋がっている若者の衣装ですかね、「女殺油地獄」の与兵衛もそんな衣装でした。すっきり着こなしてしまいます。20代と言われても30代と言われても、全然違和感ないです。立ち回りもかっこいいし。すがすがしさが…、若い。
これは、真山青果が書いた股旅ものの新歌舞伎です。小芝居とか大衆演劇でもやってそうな、義理と人情の分かりやすいお話ですが、仁左衛門丈がやるとぎりぎりそうは見えません。
新橋は歌舞伎座よりも小さい小屋のせいか、こういう演目をやるとその危険を感じました。っていうか前の「沼津」ではちょっとそんな感じありました ((・(ェ)・;))
でも、真山青果の台詞回しがなんだか小気味よくて、歯切れのいい仁左衛門丈の声で語られると本当に気持ちいいです。「どうせ相場の安い時に買った命だ」とか「やけに散りやがる桜だなぁ」とか、しびれました。
そして、千之助演じる「卯之吉」との子別れの場面(やくざの親分が、娘が嫁ぎ先で生んだ盲目の赤ん坊を子分の佐吉に押しつけたまま、いかさま賭博がばれて死んでしまう。佐吉は苦労して我が子同然に育てたのに、七年後、生みの親が卯之吉を返して欲しいと言ってきて、悩んだ末に子供を渡して旅に出る…というのがあらすじ)では、もう私のまわりの人たちみ〜んなハンカチ持って泣いてました。
「荒川の佐吉」はもともと、15代目市川羽右衛門のために書かれた脚本らしい。美貌でならした15代目の写真が筋書にのっていました。かっこいい〜。
が、仁左衛門丈がこんなにぴっしり芝居しているのに、決めなきゃいけない大事な役の、役者さんがセリフが入ってなくて、詰まったり噛んだりはいただけなかった。(玉三郎丈の「阿古屋」の時も初日でしたがそんな感じでした)かつ、カメジロパパも最近、まともにセリフ言ったの見たことないぞ〜。大丈夫なのかー。できれば芝居ができあがってから舞台にかけて欲しいぞ!高いお金を払っているんですから、てか。
でも、仁左衛門丈の「佐吉」で十分にもとは取っていますがね。
「月宴紅葉繍」の演奏は、鳥羽屋里長師匠の一座でした。
まだ生写真も売っていない期間なので、休憩時間といえどもやることなく、新橋演舞場を散策してみました。
2回ロビーにある伊東深水の「古曲の人たち」。う〜ん、当然モデルがいるはず、知りたいです。
木挽町・歌舞伎座。
屋根のようなものはまだ見えます。
そして、慙愧丸P公演の成功の報告とお礼参りに、浅草浅草寺にきました。
例の工事用幌はなくなっていましたが、5時過ぎていたせいか既にしまっていました。がっかり。
でも、戸を閉めるのはお寺さんの事情で、神様の事情ってわけでないので、お参りしても知らないってことはないはず!!(`◇´*)と思い、扉の前におかれた賽銭箱にいくらか入れてお礼参りしました。
浅草寺からもスカイツリーが見えます。