2010年12月31日金曜日

大晦日の1日_今年もお世話になりました。

大晦日の本日、虫六は一年中でいちばんの早起きをいたしました。

5:50a.m.某年賀状用撮影のため、日の出前からスタンバイ。
眠い、寒い…。
朝焼けを背景に撮りたかったのですが、あいにくどんより曇り空でした( ´;ω;`)

何はともあれ、撮影完了(せざるを得ないわけでして)。

8:30a.m.  そのままテンション維持して虫六子を塾まで送り、その足でプリンターのインクを買いにヨドバシに。
カーラジオでは、なんと!慙愧丸Pでお馴染みのちゃんもつ君(温泉愛好家、川柳愛好家、とか紹介されてました (○゚ε゚○))が出演してました。このような年の暮れにちゃんもつ君の声を聞けるとは(v^ー゜)

10:30a.m. 帰宅。年賀状の印刷を掛けつつ、今年最後のお三味線自主練習。「越後獅子」で締めました。私のお三味線も1年間お疲れさまでした。

…今年の最大の出来事は、なんと言っても国立劇場の初舞台ですかね。高いハードルでしたが、先生や姉弟子、兄弟子の皆さんになんとか引っ張り上げていただいて、貴重な経験をさせていただきました。面白かったなぁ〜(遠い目)

そして、慙愧丸Pでは、横浜市博物館「大紙芝居展」での『新訂版・蛇蝎姫と慙愧丸』の上演!!!プロジェクトスタッフの、技術レベルでの鉄の信頼関係と熱い結束を再確認。本当に交換不可能な、有り難い仲間に支えていただいての慙愧丸Pなんですよー。そして、横浜では陽司師匠の男気にもしびれました!!頼りになるなぁあ、有り難いなぁあ。(iPad使ってますか〜?)また、美味しいもの食べたいなぁ〜(遠い目)いえいえ、も一回やりましょうね。できれば来年あたり…。

なんだかんだ言って、歌舞伎座休場を理由にしたりしなかったりで、お芝居もいろいろ見せていただきました。ありがたや〜。お芝居の神様、ありがとうございました。


…とはいえ、今年の反省とか思い出に浸る間もなく、明日のお節を作らねばなりません。

午後、そういうわけで、南座の松島屋さんの「沼津」など目の端に掴みながら、「栗きんとん」と「なます」作りました。

4:30p.m. 虫六子を塾に迎えに行って、次は「お煮染め」作り。
紅白に間に合うかなぁ〜。
忙しいな−。世の中のお母さんたちは、こんな風に大晦日を過ごしているのかー
 ((・(ェ)・;))

何はともあれ、今年はお世話になりました。
また来年もよろしくお願いいたします。




2010年12月30日木曜日

何かが足りない注連飾り

今年もあと1日となりました。
みなさま年賀状はもうお出しなされましたでしょうか?

虫六家ではまだ1枚も書いてません(自慢?)

ここ数年は、虫六子にクラフトさせてそれを撮影してメインネタにしていた虫六家の年賀状…。虫六子が忙しい今年は、急激に戦力ダウン。未だプリントも出来てません(開き直り…)

しかし、呻吟ingの末、虫六なりのイメージを得て、終わらない大掃除の合間を縫って撮影の準備。…しかし、とあるお正月ならでわのブツが、必要なのに売ってない!あちこち探したけど、どうにもならず、最後の手段で既成の注連飾りを買ってきて、分解して必要部品を取るという蛮行にでました。罰当たりか?俺!ヽ(;´Д`ヽ)
正月の神様、お許し下さ〜い!

というわけで、ブツを取り除いたあとの注連飾り…。
忝ないので、玄関に飾らせていただきました。

何はともあれ年賀状用の撮影は明日決行。プリント—トラブルがなければ—した後で、紅白でもみながら宛名書きする予定なので、お届けは三が日過ぎになることでしょう。(予測)
関係者のみなさん気長に待っててね。


2010年12月28日火曜日

大掃除はトイレから_下ネタ注意

実質的に本日より年末休暇に入った虫六。
家人が仕事や塾に出かけた後、殊勝にもひとり大掃除に着手しました。

つ、わけで、まずはトイレかとお掃除開始。
遅刻だろっ!って時間帯放映中のNHK「朝イチ」(*)にて仕込んだスーパー主婦・山崎先生直伝(テレビだけど)のお掃除術を駆使して、さっそく便器を抱えてえっこらさ。
クエン酸水溶液と重曹水溶液と石けんが、汚れ落としの基本です。

いや〜、「トイレの神様」じゃないけど、便器の裏側まで腕を伸ばして磨いちゃいましたよ。
うちのトイレ狭いので、うしろまで手が届かず大変でした。
…来年は良いことあって欲しいなぁ…。


つわけで、我が家のトイレも人並みにきれいになりました、かね?

ところで、以前からトイレの内壁に黄色いシミがついているのが気になっていたのですが、まさか「ウン○」が壁にまでつくことはないだろうとタカをくくっていたのですが、今日、クエン酸水溶液にて壁の汚れも丁寧に拭き取ってわかりました。
あれは「ウン○」でした。(…断言)
だって、拭いたら「ウン○」の臭いがしたもん Σ( ̄ロ ̄lll)
少なくても「ウン○」のエキスが気体となって蒸発して、壁に付着してたまったものとみましたね。うげ〜。
かなり壁の上部にも付着していて、ビックリしました。

みなさまもトイレの壁掃除、怠りなく!
(怠っているのは、うちだけか…)

(*)あぁ、ちなみに「朝イチ」のこの回は月曜日で虫六がお休み日の放映でしたゆえ〜。

2010年12月27日月曜日

「舞台美術 中嶋八郎展」開催

松竹の「歌舞伎美人(かぶきびと)を観ていたら、舞台美術家・中嶋八郎展のお知らせが出ていました。

「舞台美術 中嶋八郎展」

■場所
 銀座7丁目 竹川画廊 
 東京都中央区7-7-7

■日時
 2011年1月10日(月)~15日(土)
 11時~19時 (最終日のみ18時)

■お問い合せ
 03-3571-0320


 昭和、平成を代表する舞台美術家、中嶋八郎。日本の舞台美術の先駆者である故・伊藤熹朔の現在唯一の舞台美術の弟子で、多くの舞台美術の世界に斬新かつ基礎となるものを確立してきた舞台美術家で、87才にして、いまなお現役でご活躍の方とのこと。

たった6日間の開催のようなので、お近くの方はぜひ〜。
虫六はまた指をくわえるのであった(爆)

お三味線、今年のお稽古納め

先生との日程の調整がつかず、ずっと自主トレの日々だったのですが、昨日お電話があって、本日今年最後のお稽古をつけていただきました。

いまお稽古しているのは「越後獅子」。
今年中に最後まで行きたかったところですが、「晒の合方」まででした。
「みわたせばー、みわたせばー」を年明けに残してしまった…残念!
とはいえ、
チリリンチリリンチンチリリンチンチンチリリンチンチンチリリン(ヤ) のフレーズと
トンチンチリチレトンチャン(イヤ) のフレーズ、
指が動かずパニクりました(||li`ω゚∞) 難しすぎる〜!!
うみ〜、年明けの稽古始めまでに克服するど〜!!(正月休みは時間がありそうだから…)


帰りに干し柿を柚で風味づけした上品で健康的な和菓子をお土産にいただきました。
お正月のお菓子にも最適か?
甘くないので、いくつでもいけます。

そういえば、茶筒が壊れたままだったと思いだし、新年を期に交換しようと、「クロワッサンの店」に寄り道して新しいのを買いました。
こんなことばかりは気が回ります(爆)

2010年12月26日日曜日

ガスパ家のクリスマス

今年もガスパ家のクリスマスにご招待いただきました!!
やっとやってきた大寒波。先日は台風か?と思うような嵐でしたが、今日はどか雪。
でも、クリスマスは雪でなくっちゃね。

ガスパ家に着いてタクシーを降りたときから、お肉が焼ける良い匂いがして期待が高まった虫六親子。やっぱり、特大ローストチキンでした!
焼きトマトとグレービーソースをつけながら食べるのです。
皮ぱりぱり、お肉柔らかくて厚いです…美味〜い!
クリスマスだ〜!!!

奈良チョビを使用したサラダ。(奈良君!美味しかったよ〜)

このほか、スパークリングワインとか、ピザとか、いろいろあったのですが、大人はただただ飲食欲に身をまかせてしまい、記録作業を怠りました(爆)

そんな大人どもを尻目に、ひたすら当家のご子息ガスパール君の激写に打ち込む虫六子でありました。
ハウスの上でおすましするガス。(虫六子撮影)

悩殺の表情で鶏肉をおねだりするガス。(虫六子撮影)

悩殺の表情で鶏肉をおねだりするガス、その2。(虫六子撮影)

どか雪に飛び出す寒さ知らずのガス。(虫六子撮影)

酔っ払って朦朧気味の飼い主を相手に、有り余るエネルギーを発散させるガス。(虫六子撮影)

ガスは今年も元気いっぱいでした(*´Д`*) 

ガスパ家のみなさん、ごちそうさまでした!!!
また来年もよろしくお願いいたしまするー。

2010年12月23日木曜日

虫六子の誕生ケーキ

天ちゃん誕生日の今日は、虫六子の誕生日でもありました。
昨日は学校の友達から山ほどの「誕プレ」をいただいて帰って来た虫六子。
調子に乗ってましたな。
友達に「誕プレ」を買うことが、近頃の中学生の最大のお楽しみらしい…。
(500円以内にしておけよ〜 (*`ε´*)ノ )

それで、12月23日という日程上、世の中はクリスマスケーキ一色でなかなか誕生ケーキを作ってくれるお菓子屋さんはありません。いつも、クリスマスケーキを一台買って24日も食べるというパターンでした。今年もその予定でしたが、予約をする時期になんとなく決め手がなく、どうするか?と迷っていたら、

虫六子「かあちゃんがケーキ作ればいいじゃん。ティラミスがいい!」
虫六「……(あーた、要求しますか?!それを私に…)」 ( ̄◆ ̄;)

虫六「おう、おう、作ってやろうじゃん!」


というわけで、姉弟子Cさんに教わったレシピで簡単ティラミスが完成!
簡単だけど、美味い!
虫六子も大満足のようでした (v^ー゜)
自分でいうのもなんですが、虫六もやればできる女でした。

とかいってたら、家人T「正月はお母さんに手作り『おせち』作ってもらうか!」と。
なんですと〜。
これまでお正月は実家帰省で、適当にごろごろ過ごしていて、その問題は回避していたのに、今年は虫六子の冬期講習で帰省ができないことになったら、なんだかハードルがあがってる?



2010年12月22日水曜日

国立文楽劇場錦秋公演のパンフレット(◎´∀`)ノ

大阪に出張にいっていた兄弟子Kさんが、国立文楽劇場のお土産を送ってくださいました。

第120回錦秋文楽公演…
第1部「孃景清八嶋日記」 切/咲大夫・燕三
   「近頃河原の達引き」切/住大夫・錦糸
第2部「一谷嫩軍記」   切/綱大夫・清二郎 (「組討の段」呂勢太夫・清治)
   「伊達娘恋緋鹿子」 切/嶋太夫・清友

やっぱりホームグラウンドの公演ともなると、オールスターキャストですね。
うう、大阪に行きたいよ〜。

文楽劇場オリジナル卓上カレンダーもいただいちゃいまして、歌舞伎座もお預けの来年は、もっと文楽の舞台を観る機会を作ろうかなぁなど策する黒い虫六でありました。
(とかいいつつ、こんなものも秘かにゲット。お正月はDVD鑑賞三昧さ〜)

Kさん、どうもありがとうございました!!

2010年12月20日月曜日

映画の歳納めは「最後の忠臣蔵」

年末映画ってことで、「最後の忠臣蔵」を観てまいりました。MOVIXデーで、1000円だったし。

狂言の独参湯「忠臣蔵」にまた一つ外伝が…。
今度は、大石内蔵助と可留の間に隠し子がいて、この子を隠し育てあげる使命を受けて、討ち入りの前日に出奔する赤穂浪士の物語。役所広司主演です。
昔はそんなこともなかったのですが、虫六も年のせいか、随分涙腺がゆるくなりまして、この映画ね…、顔がしょっぱくなるほど泣けました。

キャスティングがうまいですね。欲目なしに、内蔵助を仁左衛門丈にしたのが大正解!!!命を捧げても良いと思うような、押しつけがましさのない寛い人格を感じさせる内蔵助でした。ほかの歌舞伎俳優のキャスティングも選択肢にあったのかもしれないけれど、このお話にはやはり彼しかないという感じです。(予告編観たときから、観ようと言う気になってました)
可音役の桜庭ななみをはじめ、ほかのキャストもピッタリでした。ゆうの安田成美(好きですが)が、元島原の売れっ子大夫という艶っぽさというか迫力がなかったけども。

もちろん「忠義」が大テーマですが、通底は「死」と「恋」でしょうか。文楽の「曾根ヶ崎心中」が物語の筋筋に挿入されます。なんで近松?なんで心中?と思わせます。この先はこれから見る人がいると思われるので書きませんが、なかなか面白い構成です。
ご本人はでてきませんが、桐竹勘十郎の人形と豊竹咲大夫師匠の浄瑠璃のようでした(エンドロールで確認)。文楽見物で内蔵助の隠し子・可音が豪商・茶屋家の跡取り息子修一郎(山本耕史)に見初められますが、その芝居小屋のロケに使われたのは香川県の金丸座のようです。くくぅ。
加古隆のテーマも泣かせるんですよね。

それにしてもさすがに「忠臣蔵」となると、観客の平均年齢はかなり高く、虫六のみたところ68才くらいじゃなかったか(あくまで想像です)と思います。ひょえ〜。

パンフレット800円ですが、最近には珍しく読むところが一杯あって、これは買って損したって感じはありませんでした。

つぎは、これ↑ですかね?
おっと、そのまえに「わが心の歌舞伎座」も見逃せませんが…。



2010年12月19日日曜日

「摂州合邦辻」補記

先日来、菊之助丈が玉手御前を務めた「摂州合邦辻」のことなど話題にしておりましたが、ひとつ気になっていることを書いておこうと思います。

菊之助丈が12月7日に出演した「徹子の部屋」を録画して、日生劇場のお芝居を観た後で視聴したのですが、やはり「摂州」の件が話題になってました。(プロモーション出演でしょうけどね)

で、その中で、今回の玉手役を玉三郎丈にお稽古つけていただいた…と話しておられたのですが、虫六が調べた範囲では、玉三郎丈が舞台で「摂州合邦辻」に出演したという記録は見当たらないのです。
…ということは、歌舞伎役者というのは、実際にその役をやった経験がなかったり、その舞台に脇ででたという経験がなくても、役の型を身体に入れているということなのでしょうか?
そして、別の役者に伝えていったりするものなんだ…ということに、ただ、恐れ入ったのでした。っていうか、玉三郎丈に玉手を伝えたのはいったい誰?(音羽屋さんじゃないとすると、も、もしかしてN駒屋???)

それにしても、玉三郎丈の「玉手御前」観たい!!!!!



2010年12月18日土曜日

三味線音楽 長唄読本 -七代目勝三郎よもやま話-

先日の杵勝会チャリティー演奏会の時に、先代家元の初めてにして最後の著書が販売されていました。


杵屋 勝三郎 (著)、杵勝会・馬場 和夫 (監修)
出版芸術社 (2010/09)
2010/09
¥2940-
長唄界最大の組織を背負い、盛り上げてきた七代目・杵屋勝三郎が「ひとりの長唄人として」語る長唄の歴史と将来図。そして自身・勝三郎の家系を紐解く―。平成二十二年六月に永眠した七代目杵屋勝三郎、最初で最後の著書。

【目次】
第一章 三味線音楽とは
 その一 日本の音楽の系譜・種類
 その二 三味線音楽の歴史・種類
 その三 三味線という楽器
第二章 長唄とは
 その一 その歴史
 その二 その内容
 その三 その構造・現状
 その四 その将来図
第三章 勝三郎の家
 その一 勝三郎の代々
 その二 七代目勝三郎改め二代目勝作のこと
 その三 杵勝談義
 その四 杵勝銘々伝
第四章 杵勝会座談会 —杵勝会理事放談—
第五章 親子対談 —これからの杵勝会— 七代目勝三郎×八代目勝三郎


2010年12月17日金曜日

虫六建設番外編

朝、出勤前にゴミ出しにいったら、霜が降りてました。

寒っ!

冬の朝の景色だよ〜。

というわけで、山は雪景色…。
ってわけではなく、職場で制作中の山です。
K先生のお手伝いで、トンネルのための「山」のジオラマつくり。今日は土台の骨組みに紙で張り子作業です。普通は山があるからトンネルを作るのでしょうが、本末転倒ですね(;´▽`A``
明日は、ブラストを塗布して、山の下地を作ります。
こういう仕事だけだと毎日楽しいのですが…。

2010年12月12日日曜日

日生劇場_摂州合邦辻

今月、日生劇場には音羽屋劇団の「摂州合邦辻」がかかっております。

この劇場は二度目ですが、初めてグランドサークルという中2階の席が当たりました。
花道の真上です。花道を行く役者の顔は見にくいけれど、全体が見渡せてなかなかいい席でした。

○日生劇場 十二月大歌舞伎
平成22年12月2日(木)~25日(土)

通し狂言 一、摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)
 序 幕 住吉神社境内の場
 二幕目 高安館の場
     同庭先の場
 三幕目 天王寺万代池の場
 大 詰 合邦庵室の場

 玉手御前 菊之助
 羽曳野  時 蔵
 奴入平  松 緑
 次郎丸  亀三郎
 俊徳丸  梅 枝
 浅香姫  右 近
 桟図書  権十郎
 高安左衛門  團 蔵
 おとく  東 蔵
 合邦道心 菊五郎


平城遷都1300年記念 
二、春をよぶ二月堂お水取り 達陀(だったん)
 僧集慶  松 緑
 堂童子  亀 寿
 練行衆  亀三郎
  同   松 也
  同   梅 枝
  同   萬太郎
  同   巳之助
  同   右 近
 青衣の女人  時 蔵


「摂州合邦辻」という狂言はかなり変わった物語…。以下「新版・歌舞伎手帖」(渡辺保・講談社)より、まるまる引用。

【物語】髙安道俊は、正妻を失い、妻の侍女であった玉手を後妻とした。
 道俊の後継者には先妻の子俊徳丸ほか、すでに故人となった側室の次郎丸がいる。次郎丸は年下の俊徳丸が家を継ぐのを不愉快に思い陰謀を計る。それを知った玉手御前は、俊徳丸にわざと恋慕し、毒酒を飲ませ、癩病にしてしまう。俊徳丸は業病を悲観し家出する。
 玉手の実家にはもとは鎌倉武士でいまは頭を丸めた老父合邦と母がいて、家出した俊徳丸と許嫁の浅香姫かくまっている。そこへ訪ねて来た玉手御前は、父母のとめるのもきかずに、俊徳丸をくどくので、怒った合邦は娘を刺す。苦しい息の下から玉手御前が語ったことによれば、全ては俊徳丸を次郎丸の毒手から救う手段で、寅の年月の生まれの自分の生き血を飲ませれば、俊徳丸は病気がなおるという。事実玉手の血を飲んで、もとの美しい俊徳丸を見て、玉手は息絶える。


この演目の成立は、謡曲「弱法師」と説教節「愛護若」「しんとく丸」によって成立した「莠伶人吾妻雛形(ふたばれいじんあづまのひながた)」からさらに脚色されたもので、上下二巻の浄瑠璃。
歌舞伎では下の巻の切「合邦庵室」が上演される…のですが、今回は通しです。
人形浄瑠璃は安永2年に大阪北堀江座で、歌舞伎は明治18年桐座で初演されたそうです。

みどころは、「玉手御前の異様な恋」。
なさぬ仲とはいえ禁断の恋の相手である息子俊徳丸に妖艶な色気でしつこく迫る義理の母。しかも毒をもって癩病に…。物語を最後までおえば、俊徳丸の命を救うために嘘の恋を演じていて、不倫の汚名を着ても、命がけの覚悟で母の役目を果たそうとしていたという、大どんでん返しが待っているのです。が、問題となるのは、この恋が、玉手の言うとおり偽りのものであったのか、本当は真から俊徳丸を愛していたのではないか?というあたりで、演じるもの、見るものによって解釈がかわるという、不思議な物語なのだそうです。

で、今回の菊之助丈の玉手御前は、先妻に使えている時から俊徳丸に恋心をもちつつ、それを隠していたのに、お家騒動をきっかけに自分の生まれ月のめぐりが彼の命を救えるということが分かってその思いを抑えきれなくなり、恋を貫き、自らの命を犠牲にして俊徳丸を本復させるという女性、…しかし鮑の杯が象徴する「所詮片思い」の覚悟を戒めとして肌身からはなさない女性、となっていました。
現代的なところではいちばん納得のいく解釈かな…と思います。
(でも鮑って、性愛的なイメージの象徴という気もするんですが…)

でも作者(菅専助・若竹笛躬合作だそうですが)の気持ちになって想像すると、面白いのは、終わりに繋がる性根とかはあるかもしれないんですけれど、息子への恋に狂って禁断の領域へ身を投じようという女性のグロテスクな_とはいえ血が繋がっているわけではないですが_焔のような情念の、その異様さを書いてみたかったのでは?とか、思ってしまいます。でも、大詰の「合邦庵室の場」だけを上演してしまう(一般的にはこの場だけの上演が多いみたいです)と、その前半の異様さは伝わらず、玉手の聖女感だけが強調されて物語の主題が見えにくくなり、変形して伝わるのではないか?と思いました。そういう意味で、今回の「通し狂言」は、私的には有り難く大歓迎です。
いえいえ、玉手は可哀想な女性なんだよ…という解釈もあるんでしょうけれども。

また今回の菊之助丈の玉手御前は、猫顔がなかなか妖艶で怖かったです。今後も、もっと上演を重ねて、ぜひ十八番にしていって欲しいものです。(というか、なるでしょう)
それと、とても面白い役なので、菊之助丈ばかりでなく、いろんな役者の「玉手御前」がみてみたいと思うのでありました。

次の演目の「達陀(だったん)」。
これも変わった舞謡でした。
男子(しかもお坊さん)のレビュー、って感じですかね?
群舞なので、踊りは難しいのかもしれない…とは思いましたが、正直ピンとは来なかったのね。(申し訳ない!)
照明が暗くて舞台が見えにくいということと、日生劇場の音響が派手で生音感がなく、それがレビューぽく感じたってことでしょうかね。

でも、新しい歌舞伎座でこういう音響になるのは嫌かも…と、強く懸念されました。
義太夫も長唄もちゃんと生音が感じられるホールにして欲しいなぁ。本当に。

日生劇場を出ると、夕方になっていて、有楽町界隈もクリスマスのイルミネーションがきれいでした。

というわけで、今年の観劇日誌もひとまず終了。
歌舞伎座は休場になりましたが、いろいろ観ることが出来て有り難い1年でした。年明けには成駒屋御曹司休演の代演で、な、な、なんと玉三郎丈が「阿古屋」を出すというとんでもないニュースも入っておりますが、1〜3月は見にいけない事情があって、悔し涙。
また「あれが最後の阿古屋でした」とか、爆弾発言がないことを心から祈るのでした。(本気で頼みますよ〜〜(。>0<。)!)


2010年12月11日土曜日

浴びてまいりました_杵勝会歳末チャリティー長唄演奏会

待ちに待った「杵勝会歳末チャリティー長唄演奏会」にやってきました!
今日までよくがんばったぞ、俺〜。

せっかく有楽町まできたので、会場に行く前に、例のパワースポットへ。

建物はすでに無くなっているようですね…。|ω・)

で、まずは会場の朝日ホールへ。
姉弟子Oさんとその旦那様(ご夫婦で長唄デートですよ、いいですね (*´ェ`*))にお会いしたら、いい席をゲットしていただいてまして、うれし〜!

今年も充実のプログラムでした。

○杵勝会歳末チャリティー長唄演奏会

平成22年12月11日(土)午後2時開演
於 有楽町朝日ホール
入場料 一般5000円 学生3000円

「老 松」
 (唄/利次郎ほか、三味線/裕太郎、勝十郎ほか、小鼓/望月左太郎、太鼓/仙波元章ほか)
「松の翁」
 (唄/和四光ほか、三味線/勝代ほか)
「菖蒲浴衣」
 (唄/利次郎ほか、三味線/勝国修、勝十郎ほか)
「俄獅子」
 (唄/和恵ほか、三味線/和京ほか、小鼓/左太郎、太鼓/元章ほか)
「鞍馬山」
 (唄/坂田仙蔵ほか、三味線/勝正雄ほか、小鼓/左太郎、太鼓元章ほか)
「喜三の庭」
 (唄/勝昭ほか、三味線/勝くに緒ほか)
「綱 館」
 (唄/利光、巳津也ほか、三味線/勝松、勝正雄ほか、小鼓/堅田喜三久、太鼓/望月左武郎、ほか)
「初時雨」
 (唄/勝乃夫ほか、三味線/静子ほか)
「五色の糸」
 (唄/勝彦、巳津也、三味線/和四之、裕光)
「角兵衛獅子」
 (唄/勝吉治、東音味見純、芳村辰三郎、三味線/裕光、勝正雄、裕太郎、影囃子)
「常盤の庭」
 (唄/勝良、勝昭ほか、三味線/勝幸恵、松由葵ほか、太鼓/喜三久、小鼓/左武郎、笛/福原徹彦ほか)
「賤機帯」
 (唄/勝四郎、利光ほか、三味線/勝三郎、勝松、勝国毅、上)勝十郎、太鼓/左武郎、小鼓/喜三久、笛/徹彦ほか)
「助六」
 (唄/勝太郎、勝利郎、三味線/和吉、上)勝進次)
「二人椀久」
 (唄/東成、勝四郎、松永忠次郎、利次郎、勝彦、三味線/勝国、勝松、勝正雄、勝国毅、勝進次、小鼓/喜三久、左太郎、左太寿郎、太鼓/仙波元章、笛/徹彦)

先代の家元の演奏がかなわないものとなり、またいつもご出演の勝禄(禄宣)師匠や寿浩師匠のご出演がないのも残念でしたが、東成・勝国の「二人椀久」が聞けて、今年1年分の元を取った気がしました。
圧倒的ですね。
新幹線代を掛けた甲斐がありました!

いつも大楽団を率いる勝幸恵師匠というイメージでしたが、今回の「常盤の庭」は五枚五挺。じっくり師匠の手元を拝見することが出来て勉強になりました。
「五色の糸」も良い曲だったなぁ。
勝松さんと、勝十郎さんの躍進(って言わないか…)も目立ちました。

だれか「越後獅子」と弾いてくれると有り難かったが…(爆)

明日からがんばろう!


「ゆきむすび」のお弁当をゲット

お先に得ダネチケットで東京行きの新幹線に乗りました。

最寄り駅から新幹線チケットで入り、S駅まで行ったんですが、以前は、S駅でお土産を買うのに途中下車させてくれたのに、今日は「本当は出来ないけど、今回だけ特別ですからね!(`□´)」と念を押されてしまいました(?_?)
いつから変わってしまったのか?
なんだかなー?

とりあえず幸恵先生へのお土産と、お昼も買ってしまおう!と、ある「駅弁」を探して駅構内ぐるっと一周。しかし見つけられず、しょうがないので怖そうな駅員兄ちゃんの待つ件の改札へ逆戻り…。くやしーなーと諦めかけたら、なんと!新幹線のお弁当売店で発見!

じゃーん!
「宮城ろまん街道」((株)こばやし)

鳴子の米プロジェクトが栽培している「ゆきむすび」のおにぎりが入っています。
冷えても美味しいと話題の米なんですが、お値段は普通のお米の倍もするらしい。800円は企業努力のタマモノといえましょう。
お米が上手くキープ出来るかどうかも難しいそうで、使いきったら後はお出しできないってことになるけど、今年は何とか新米に間に合いそうだと、こばやしの課長さんが言ってました。
で、その幻感ありのお弁当を食べてみたいと思っていたわけですが、見つけられてラッキー(^O^)v こいつは幸先良い感じですかね。

とりあえず、中身はこんな感じ。

梅干し海苔おにぎりと味噌焼きおにぎり、卵焼き、鶏焼き、コロッケ、レンコン・カボチャと里芋の煮物、長茄子漬け、しそ味噌、…って感じですかね。ちょうど良い量でした。おにぎりは意外とあっさり握ってあって、たしかに美味しいお米でしたが、普段から美味い米(実家のコシヒカリ)を食べているせいか、噂に聞くほどのカンドーには襲われませんでした(…極刑ですか?爆)



2010年12月9日木曜日

「ちなんでんじゃねーよ」_慙愧丸P忘年会

慙愧丸Pの忘年会を、某文化横町の「あくび」にて開催。

N君特製の「ならチョビ」がお土産に配られました。
これ、お花見の時にも食べましたが、なかなかいけるんですよね。
ありがとう!

全員集合!
今日は、親方お任せ料理8品+銘柄指定無し飲み放題、3時間コースです。
間口の狭い隠れ家風のお店で、すでに居間状態。

毛蟹、お造りが出ると、さっそく日本酒攻撃。銘柄制約ないので、みんな調子に乗って、聞き酒大会です。

マイタケ天ぷら!
…と思ったら、ばっけの天ぷら!とたけのこの天ぷらも!春ですか?

なぜか、撮影大会。

なぜか、やらせ写真大会。
ちなみに、この写真タイトルは「ちなんでんじゃねーよ」(意味なし)。
どうして芝居がかっちゃうんでしょうね?この方々は…( ̄◆ ̄;)

このあと、20年振りくらいで真夜中ラーメンを食べました。
さすがに胃に来るなぁ。

ということで、来年もよろしくお願いいたします。


2010年12月8日水曜日

修羅場をみた役者

夕べから今日に掛けて、成駒屋御曹司の謝罪会見が大量に電波に乗っております。

事実関係の究明とか、バッシングとか、猛省を促すとか、松竹の大損害とか、無期限謹慎とか、いろいろあって当然とは思いますが、一歌舞伎愛好家の本根として思うことは、「死ぬかと思った」というほどの命がけの経験や、この事件で味わう取り返しのつかないものを失う経験を、「修羅場をみた役者」として、芸の肥やしにして、もっと器の大きな魅力的な役者に成長して欲しいということです。きっと凄みのあるいい役者に成長してくれるはず。
役者は舞台でしか、何も示せないと思いますよ。

今度の事件は、勘三郎丈襲名の折の七之助丈の事件を思い出させますが、あの後、中村屋御曹司は大した成長をしたと思います。

歌舞伎界が彼を見捨てるわけはないのだから、はやく立ち直って欲しいものです。

2010年12月6日月曜日

芸の神髄シリーズ「長唄・杵屋勝三郎・杵屋勝国」

最近、立て続けに音源紹介をしていましたら、知人筋から嬉しいリアクションをいただきましたので、調子に乗ってまたDVDを一枚。

これは、2008年の杵勝会の国立劇場での演奏会の音源+映像なんですが…。NHK-BSでも放送になったものですが、さらに編集されてDVDになったものです。今年ご逝去された七代目家元・勝三郎師匠の確かな芸を映像でみることができる貴重な一枚。あぁ、故・家元の演奏を生で聞くことはもう出来ないのですね、…今年の杵勝会チャリティー演奏会でも…(´;ω;`)




税込価格4,935円

「本物の芸に酔う」をテーマに企画した「芸の真髄シリーズ」。
第二回は、長唄。芸の心と技の伝承に光をあてました。長唄の洗練された華やかな旋律を、勝三郎、勝国が磨き抜いた技と新しい感性で表現した舞台です。

2008年8月20日に東京・国立劇場で行われた公演をDVD化。

五色の糸
唄 : 東音 宮田哲男(人間国宝)/杵屋勝四郎/杵屋利光
三味線 : 杵屋勝三郎/杵屋勝国/杵屋禄宣

吉原雀
唄 : 杵屋禄三/杵屋勝之弥/杵屋巳之助/杵屋禄丈/杵屋利次郎/杵屋勝彦
三味線 : 杵屋勝国/杵屋裕光/杵屋勝松/杵屋禄山/杵屋勝国毅/杵屋裕太郎

杵勝三伝の内 安達ヶ原
唄 : 杵屋禄三/杵屋勝四郎/杵屋利光/杵屋忠次郎/杵屋禄丈/杵屋巳之助/杵屋勝吉治
三味線 : 杵屋勝三郎/杵屋勝国/杵屋寿治/杵屋清治郎/杵屋勝正雄/杵屋勝十朗/杵屋禄宣

大合奏による抄曲集
杵屋勝三郎 ほか 杵屋一門
囃子 : 堅田喜三久 社中
笛 : 藤舎名生

ほか

○2008年放送
*134分収録/画面サイズ16:9LB/リーフレット付

発行発売・NHKエンタープライズ

故・家元と勝国師匠の芸の共演も素晴らしいですが、禄三師匠お一人の立唄に、ずらりと並んだ杵勝の三味線勢揃い大合奏とか、「吉原雀」の曲弾きの大合奏とか、本当に鳥肌が立つほどかっこいいです!本番の演奏会を何で聞きに行かなかったのか…!?と、百年の後悔に襲われますです。
とりあえず、11日の演奏会が楽しみすぎる…。

2010年12月4日土曜日

「かかさん、かかさん、ここあけて」_黒い虫六ふたたび

いまさら口にするのも空しゅうなる、毎度お馴染み丸投げ上司の無茶振りで、今回は2週間休みなしの午前様までのサービス残業2回のおまけ付きでしたが、一応の山場も無事に乗り越えたのでした。お歳柄、体力もきついですが、心のエネルギーがいつまで持つか、我ながら分からなくなってきたなぁ。

しんどいことは早く忘れよう…。

というわけで、
この状況下、洞穴の虫六にとって、かすかに射した一筋の光り。それは、12月11日(土)の「杵勝会・歳末チャリティー長唄演奏会」であります!!
何しろ、こんなに贅沢でうれしい演奏会はほかに知りませぬ。
杵勝会のお弟子でもないのに、たっぷり名人の演奏が聴けます。
毎年、これを先生達と聞きに行くのが楽しみなのですが、今年は先生が都合でいけなくなってしまい、「いけるならしっかり聞いてきて!」との使命を受けて、単独行動に出る虫六です。(いえ、もしかしたら姉弟子の方々も行かれるかもしれないんですが…。つまり、1人でも聞いてきます!ってことで)

で、
せっかく土曜にお休みを取っていくので、そのまま帰ってくるのは勿体ない…ということで。
黒い虫六がまたまたムズムズ。
気がつけば、こちらのチケットを入手していました。
うししのし。

「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」って、謎の多い不思議な狂言なんですよね。解釈の違う型がいろいろ残されているらしいですが、なかなか掛からず観るチャンスを逸していたのですが、この度音羽屋さんが通しで掛けてくださいました!「玉手御前」を菊之助丈が、「合邦道心」を菊五郎丈!やったね!

というわけで、「摂州合邦辻」の蘊蓄は明日あたりに又聞き日記を書くとして…。

洞穴仕事のBGMとして、予習がてらこっそり聞いていた名盤を一つご紹介しましょう。



○竹本住大夫の世界 
 第一弾 おんなの情を語る
『摂州合邦辻 合邦住家の段』(84分)
武家の後妻に入った玉手御前(19歳)は義理の息子俊徳丸に横恋慕し、俊徳丸は婚約者と出奔。玉手が嫁ぎ先を追い出され実家に戻るシーンから、この段は始まります。ところが、悪妻玉手にはもう一つの真実が隠されていたのでした。

●聴きどころ…玉手が父親合邦に腹を刺されてからのク ドキに注目。
●住大夫さんからひと言…大夫と名がつく者はだれでも語る、それほどの名曲です。

定価5,500円(税込) CD2枚組
大夫/竹本住大夫
三味線/野澤錦糸
平成12年10月文楽素浄瑠璃の会
発売:和楽舎

仕事のBGMじゃなくて、時間を作って聞かないと!っていうCDなんですよ。本当は(爆!)

2010年12月1日水曜日

11月に読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:933ページ

双調平家物語〈10〉平治の巻2 平家の巻 (中公文庫)双調平家物語〈10〉平治の巻2 平家の巻 (中公文庫)
王朝政治の終焉、時代は武士が政治の中心にうつってきました。前巻で親兄弟の首を躊躇いもなく犠牲にした義朝は、その甲斐もなく逆心の汚名を負ったまま落ちて、源氏の家人・長田の庄司の謀で悲惨な最期を遂げる。命の扱い方がなんだか違う武士の感性。落ちてバラバラになった義朝の息子達、常盤が連れた幼子…計り知れない遺恨を持って、この先、平家全盛の時代に潜伏するのでしょうか?それもそうなんですが、後白河上皇の存在感が不気味です。
読了日:11月22日 著者:橋本 治

清盛 (絵巻平家物語)清盛 (絵巻平家物語)
再読。木下順二が「子午線の祀り」を書いた後に手がけた平家物語を題材にした全9巻の絵本シリーズの5巻目。絵本画家として有名な瀬川康夫の絵が「童画」の域をとっくに超えた芸術性を備えていて、とにかく素晴らしい。瀬川先生、最晩年の仕事だったようです。それにしても清盛の死に様、壮絶すぎる…けど、この筆に掛かると悲惨な死に様が華麗で神々しいものに見えます。
読了日:11月14日 著者:木下 順二

John LurieJohn Lurie
随分久しく画集を買ったりしてませんでしたが、なんだか衝動買いしてしまいました。80年代、ジャームッシュの映画でみたジョン・ルーリー。ミュージシャンでもあったけど、そのあと20年…難病と闘いながらずっと絵を描いていたそうです。命や精神(時に狂気?)の曖昧な輪郭にぴりぴりと接触しているような一枚一枚の絵。G・ワタリで開かれていた個展はアンテナが鈍くて見に行かないでしまったけれど、時の話題と無関係に1人の画家に偶然出会って、その画集を手に入れたというのが新鮮な嬉しさ。
読了日:11月14日 著者:John Kurie

山本耳かき店の女主人、耳かき+割烹着+髪型+泣きぼくろというフルセットがすでに官能的ですが、それにくわえて耳かき描写が…。耳かきが細い管にアリクイの下のようにひらひらと内壁を刺激したり、ツブ貝をぴょろりんとつかみだすように三半規管を刺激…。不感症のやり手OLも悩殺されましたか。6話の「達人」はセリフ無しの野心作でした。こんな作品がお蔵入りになっていたとは!「深夜食堂」が売れてくれて良かった。
読了日:11月01日 著者:安倍 夜郎

深夜食堂 6 (ビッグコミックススペシャル)深夜食堂 6 (ビッグコミックススペシャル)
お話は「松茸」の加代子ママの気っ風のよさが良かったし、ジュンちゃんの高校時代のほんのり苦い思い出が。料理は焼きおにぎりにちりめん山椒が食べたくなりました。
読了日:11月01日 著者:安倍 夜郎

世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)
兼高かおるが似てないのが笑いました。「世界ウルルン滞在記」を地でいくような人生。幻のデビュー作はちょいと恥ずかしいくらいな感じで、本人のワイルド感と乖離しているけど、自己ネタだと照れが入るのでしょうかね。
読了日:11月01日 著者:ヤマザキ マリ

2010年11月28日日曜日

南座で玉孝コンビ復活と…

世を騒がせている成駒屋御曹司のけんかトラブル事件で、南座の休演がきまり、代役が発表されたもようですね。

『阿国歌舞伎夢華』では、名古屋山三役を仁左衛門丈が代役を務めることになり、玉三郎丈との共演だそうです。なんですと〜!!そんなことなら、京都に行くんだった(…なんてね。思ったところでいけるわけ無いんですけどね。)
『外郎売』の曽我五郎は愛之助丈。いいですね〜。

役者の破天荒は今に始まったことではないのでしょうが…、休演となれば後始末は大変なんだろうな。
御曹司がルックスも含め無事に復活できるのかどうかも気になりますが、また困難を抱えてしまって團十郎さんの体調が心配です。


…さ、仕事に行くとするか…。(今週も休日出勤だよ…うぅ、お芝居見に行きたいよぉ〜)


2010年11月25日木曜日

女流義太夫・人間国宝・竹本駒之助

DVDをもう一本紹介。
これは今年の初め頃に出たものですが、紹介し損ねて、あ〜ぁもう年末になろうとしています。我ながら、とほほ。

とはいえ、駒之助大夫の語り、うわぁ、かっこいい。ちょっと放心ですね。
『女流』という芸人さんの高度で確かな芸に、なんだか惹かれる今日この頃です。杵屋勝幸恵師匠しかり!沢村豊子師匠しかり!
本番の前に、橋本治氏の蘊蓄があるんですが、これが「どーでもいい話なんだけど」と野暮を照れながら話出すと止まらない…という風情がなんだか微笑ましかったです。この公演自体が「橋本治と共に女流義太夫を楽しむ会」を収録したものだそうです。


○女流義太夫 人間国宝 竹本駒之助 
  〜ひらかな盛衰記より 神崎揚屋の段

【出演】
浄瑠璃 竹本駒之助
三味線 鶴澤寛也
ツレ  鶴澤津賀寿

第1部・お話
ナビゲーター 橋本治

制作 (株)JDC


2010年11月24日水曜日

岩手の秘謡「御祝」

遠野地区に伝承される「御祝」という秘謡のDVDが出ていたので、ポチってみました。


2006年発売なので、ニュースってわけでもないですが…。
でも、この芸能は目から鱗というか、衝撃でした。
右に男性がずらっと並び「謡」をうたいはじめると、左にずらっと並んだ女性が歌詞も旋律も違う「民謡」を唄い重ねて、何とも言えないハーモニーを奏でるのです。かっこいいぞ。生のを聞きたいぞ!


○「岩手の秘謡 『御祝(ごいわい)』」

遠野市氷口御祝保存会(とおのしすがぐち・ごいわいほぞんかい)

「第21回<東京の夏>音楽祭2005」のライブ収録DVD。男性が謡を、女性が民謡を同時に歌うという大変珍しい芸能。岩手県指定無形民俗文化財の「御祝(ごいわい)」の紀尾井ホール公演を収録。

監修・解説:徳丸吉彦(音楽学・放送大学教授)

1 遠野市氷口の伝統と四季のくらし
(スライド写真撮影:浦田穂一)

2 御祝の解説と合わせ方

3 氷口御祝「高砂」

4 氷口御祝「四海波」

5 氷口御祝「春榮」

6 日本音楽における打合わせ 地歌「すり鉢」「れん木」「せっかい」
 三弦:藤井昭子、塚本徳、渡辺明子

7 氷口御祝「松竹」

8 氷口御祝「桑の弓」

9 みやこ節

販売元: ビクターエンタテインメント
発売日: 2006/09/21
時間: 60 分
定価:4200円



2010年11月23日火曜日

お三味線長袋完成!

この週末、虫六は3連休の予定だったので、随分前から棚上げになっていたミッションを達成しようと目論んでおりました。

しかし、日曜日もバタバタと過ぎ、月曜日はまさかの休日出勤で、計画倒れになりそうだったのですが、本日奮起してミッションに着手したのでした(大げさ…(;´▽`A``)

ミッションとは「お三味線の長袋を新しく自作する」ということ。

2年ほど前に着付けを個人的に教えて貰ったときに、着付けの先生に手持ちの着物を見ていただいたのですが、その時に、二十歳頃に母が作ってくれた染め付けの若めの着物で、友達の結婚式に1回か2回着たかなぁ〜ってやつが、すでにどおよ?な感じで、「これはカラオケ大会用かな?」とバッサリ ( ̄◆ ̄;)やられてしまいまして…、。でも、母がなけなしの臍繰りで作ってくれたのも知らないわけでないので、なんとか供養どころをと思って、「お三味線のカバー袋にしたら…」と思っていたのでした。着付けの先生はさすがに、「ええぇ〜! (lll゚Д゚)」と勿体ながってましたが、カラオケ大会に出る予定はないので、とっととリメイクしようと思っていながら、はや2年。
(すでに、木綿製ではありますが自作の梅花柄の袋を使用していたので、緊急性が無かったということでもありますが…)

…しかし、そのまま忘れずに、時間がかかってもやってしまうのが、我ながらしつこいのよ。

で、昼間は、裁縫をするスペースを部屋の中に確保する作業(つまり、部屋の片付け)に時間を費やしつつ、夕方から着手して、一気に完成しました。
シルクすよ。つるつる〜。
やったね!
つか、半日でできるなら、とっととやんなさいよ!であります。

我がお三味線を入れてみました。
あら〜、お召かししたみたいじゃないですか?

やっぱり、裁縫は楽しいなぁ。ストレス解消になりました。

2010年11月21日日曜日

なっとらんぜよ、TKネットワーク定例会

今日は、TKネットワークの2ヶ月に1度の定例会でしたが、行ってみたら、出席者はYさんとふたりきりでした。

なんだろねー。
体調不良の連絡を入れた人、2人。
その他のメンバーの事情はよく分かりませんでしたが、結局なにも決められず、ふたりで四方山話をして帰ってきました。
使用時間ぎりぎりまで粘ったけど、誰もこんかったなー。

ま、普段は忙しくてなかなか捕まえられないYさんとゆっくり話ができたので、虫六はラッキーでしたけどね。
…ということにしておこう。

ブロカント・ギャラリー

お蕎麦を食べた後、パルコSで、市内9店舗の古本屋や骨董雑貨店などが参加する「ブロカントギャラリー」に出かけてみた。今年の3月頃にもやっていたけど、好評だったので第2弾だったらしい。
「火星の庭」の看板娘Mちゃん(6才?)が、自然な風景と化して絵本を読んでいた。「古本やの少女」として育つんだね、あの娘は…。ふふふ。

今日の戦利品は、この2冊。
・「別冊・婦人画報 玉三郎」(1977年11月)。←(玉丈、若っ!!!!ちょっとユーズド感ありましたが、33年も前の本だし、750円だったので良しとしましょう。)
・「活辯時代」(御薗京平・岩波書店・1990年)←(活弁時代の映画ポスターがカラーで満載)