2012年4月30日月曜日

てんこもり、こんぴら道中記 その四_帰路は琴平電鉄で高松へ

お芝居が引けたあとは、基本的に現地解散となりました。
ま、もういちど狸屋で讃岐うどんを食べたんですけどね。



虫六は、いつもお世話になっている長老Kさんにお土産話をするために「琴電」に乗って帰ることにしました。琴電琴平駅に着くと、すでに始発の電車が待っていました。


 車内はロングシートですが、明るい雰囲気です。

車窓の風景ものんびりしていて、ローカル線の旅満喫です。

車両基地がある仏生山駅。
沢山の車両が止まっていたけれど、先を急ぐので途中下車はなしです。

 IruCaカードを使い切ろうと瓦町駅で降りて、ショップを探しました…。が見つけられず、こんな顔ハメを見つけました。このイルカ君がことでんのイメージキャラクター「ことちゃん」。
結局、改札の窓口で「ことちゃん」の根付けをかいました。このぷっくりしたフォルムはけっこうかわいいです。

 瓦町駅は乗り継ぎ駅で、ここにもいろんな車両がいました。

終点の高松築港駅に到着。

高松築港駅は、高松城がある玉藻公園の外周の一角に位置しております。

 お城の外堀にそって走るのはなんだか快適です。お土産写真、取得。

今日は大阪泊まりなので、ここでゆっくりもしておれません。
高松からはJR快速マリンライナー52号で岡山へ。


へっちさんから乗るならグリーン車に乗るべしと2階席だと聞いていたので、指定席を取るときにみたら、パノラマ席というのがあったので、これの方がもっといいのか?と思い予約してみました。なにしろ特急でもなく、快速なので、それほど高くありません。
それで乗ってみましたら2階には予約した席はなく、(げげっ、しくじったかな)と焦りましたが、実は車掌席のとなりにだたっぴろい窓がついた立派なシートの席でした。くだり方向ですと、運転席のすぐ後ろでより見渡しが良い席かと思われます。
普通に快速列車なので、わざわざこのような席に座る人も少ないらしく、4シートあるパノラマ席には虫六ひとり…!!

ひゃ〜、写真も取り放題です。

さらば瀬戸内海!また来るぞ〜。

岡山到着。ここから急いで新幹線に乗り継いで、大阪で先ほど別れたNさんとまた合流します。

てんこもり、こんぴら道中記 その参_虫六、正しい芝居遊びを知る

22日。夕べから叩きつけるような雨でしたが、今朝は降ったり止んだりとなりました。
朝風呂に入ってしゃっきりして、おいしい朝ご飯を食べたら体調が整いました。せっかくここまでやってきたので、傘を借りて金比羅宮にお参りにいきました。

 すでに100段のぼっているので、本宮までは685段ほどです。
ふぉふぉふぉっ ( ̄▽ ̄*!) 
300段くらいですでに息があがってきました。

途中に白と黒のご神馬が飼われていました。
象のブロンズ像とかでっかい船のプロペラとか、脈絡が感じられない広場がありました。

旭社。立派な建物です。こんなの見たからこの辺で引き返そうかな…という誘惑に駆られましたが、なんだか歩いて先に行ってしまいました。そういう人の動きをうまく誘導するように参道も作られているそうです。

 やった〜!本宮着いた。
ここでも歌舞伎の神様にお祈りしてきましょう。

 本宮から眺める琴平の町並み。
ちょっと雲が厚いけど、穏やかな風景が眺められました。

 こんぴら狗のおみくじ。
この狗の中におみくじが入ってます。

 さ〜、降りるどー。同じ数の階段を下りなければ、金比羅歌舞伎千穐楽の昼の部が見れません!雨で石段は滑るし…膝が笑うぅ。

そんなわけで、せっかく持ち返した体力を見事に使い果たしてしまいつつ、いよいよ昼の部観劇です。

第二十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居
中村歌昇 改め 三代目 中村又五郎襲名披露
中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露
【第一部】



一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)


曽我五郎時致  種太郎 改め 歌 昇
小林朝比奈   歌 昇 改め 又五郎




二、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)


駒形茂兵衛     吉右衛門
お蔦        芝 雀
堀下根吉      種太郎改め歌 昇
若船頭/おみな   種之助
子守娘おてる    米 吉
伊兵衛       隼 人
船戸の弥八     吉之助
清大工       桂 三
老船頭       由次郎
船印彫師辰三郎   錦之助
波一里儀十     歌 六




いきなり、鳥羽屋文五郎師匠と杵屋五七郎師匠の大薩摩からはじまりはじまり。よっしゃ〜と、今日は手応え有り。
又五郎親子の「正札附根元草摺」も華やかで見応え有り、またさすがに吉右衛門丈の駒形茂平は安心して見れました。花道もうまく使われていたし、客席を歩く演出、回り舞台…と昨日とはだいぶ違っていて、会場も沸いてました。

今日は、虫六もご一行と同じ桝で観劇です。
着ぐるみシスターズの皆さんをはじめ歌舞伎上級者の人ばかり、間のあわせ方や、拍手のタイミングなんかも芝居の波にのっていて、楽しい空間であります。あちこちから掛け声がぽんぽん飛んで、こりゃ役者も気持ちいいわね。いちばん威勢が良かったのはカコトラさんでしたがネ。

幕間の時間は、まるでお花見会場のようなリラックスムード。他のお席のかたがたも、みんな自家製弁当みたいなの食べるんですけど。楽しいな〜。

紙コップに注がれた透明の液体、こ、これは水に非ず!(前夜5升も飲んで、まだ足りんのか、この人達は…。)しかし、つまみにもエチケットがありまして、他のお客さんに迷惑にならないように、臭いのきつい物はNG。かさかさごそごそ音がする入れ物はNG。
楽しく飲み食いしながら、芝居見物…なんと至福の時間でしょう。この辛い豆、うまかったなぁ。
そうか、世の中にはこういう遊びがあったのか…。
またしても黒さに磨きをかけてしまった虫六です。

それにしても金丸座リピーターの諸先輩方が言葉だけでなく、眼でも、オーラでも、今年の芝居を見て「金丸座を見た」と思わんでくれ!!と訴えるので、本当は虫六は金丸座の真価を体験していないのだと思いました。そうでしょうとも〜。
次のチャンスを逃さないように、今から「こんぴら歌舞伎貯金」をしようと心に誓ったのでした。




2012年4月29日日曜日

てんこもり、こんぴら道中記 その弐_播磨屋襲名公演・夜の部を観劇す

やってきましたよ、こんぴら歌舞伎。小屋の前ではビミョーな着ぐるみがお出迎え。
 このお尻のマーク、某航空会社のコマーシャルでしょうか?と思ったら、金丸座の座紋なんですよね。何が違うのかな〜と考えてみると、櫓の座紋は紫の地に白抜きですが、こちらは紅白。だから、あのマークに見えたのか…とひとりで納得。


背中を見せていたのは、ゆるキャラ・こんぴーくん。
カラーリングと隈取りからして、「助六」?う〜ん、ぎりぎりだなぁ。

う、遊んでいる暇はない、まずは鼠木戸をくぐって小屋に入ろう。

重要文化財「旧金比羅大芝居・金丸座」

うわぁ、これぞ祝祭空間。一気にアドレナリン上昇ですな。
役者の定紋が入った提灯が天井からずらりとぶら下がっております。天井が編んだような格子になっていますが、これは「平成の大修復」の時の調査で「痕跡」が発見されて復原となった「ブドウ棚」。紙吹雪や花吹雪を降らせることができます。
脇に見える「金比羅大芝居」の看板のちょうど真下の2階席にお大尽席があるそうです。(柱間の幅が広いところです)
定式幕の上方になぜか黒い一文字幕が張られて舞台を横長のフレームに変えていますが、これは金丸座仕様ではないそうです。
客席は桝で区切られていて、一桝に5人づつ座ります。畳敷き。
虫六は、カコトラご一行の皆さんからひとり離れて「空井戸」の真ん前(つまり花道の横・前から四マス目)で見せていただいちゃいました。

こちらは花道側。鳥家の幕にやはりあの定紋が…。
花道の上の方に、これまた「平成の大修復」の時に発見されて復元された「かけすじ」という宙乗りを見せるための装置もあるのです。写真ではキモチ上の方にちらりと見えております。
仮設っぽく花道をライトアップしているね。…むむっ!!でも、花道に平台が敷いてあるぞ、ということはスッポンは使わないのか…。

そんなわけで、夜の部いよいよ開幕で〜す。

第二十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居
中村歌昇 改め 三代目 中村又五郎襲名披露
中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露

【第二部】
一、戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)
浪花の次郎作  歌 六
禿たより    米 吉
吾妻の与四郎  錦之助

二、襲名口上
歌 昇 改め 又五郎
種太郎 改め 歌 昇
幹部俳優出演


三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
川連法眼館の場
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐  歌 昇 改め 又五郎
静御前            芝 雀
亀井六郎           種太郎改め歌 昇
駿河次郎           隼 人
源義経            吉右衛門

………。
むむむ。
………。
お役者衆、なんか精彩を欠いているような?もう明日が千穐楽で疲れが溜まっているのでしょうか。
狐忠信も、やっぱりこの役に求められるのは、敏捷性?(ここに見に来ていらっしゃるお客さん方、正直、眼が肥えていらっしゃますので、口には出さねどきっとK治郎丈とかK之助丈とかE蔵丈の狐忠信なんぞと比べて見てしまうのでは??などと、不敬な思いがよぎります。)「狐詞」もいまいちハッキリせず、吉右衛門丈の義経もなんとなく違和感。
他にぴったりの演目なかったのでしょうか?桜テーマにしても、「関の扉」とか「金閣寺」とか…。むしろ、むしろそういう演目の方が又五郎さんにニンのお役があったように感じましたが、私だけでしょうかね?(…とおもって、前公演の南座をチェックしてみましたら、「俊寛」と「熊谷陣屋」…。カード切ってますやん、すでに _| ̄|○ il||li)

でも、このやる方ない消化不良の原因が、軍団某氏の一言で納得。「この芝居は、金丸座のスペックを全然使ってない。どこかの花道もない文化センターで地方まわりする時の演出パッケージそのままでやってる」と。

なるほどね〜。そうなんすよ。私は見たかったんですよ、スッポンからいつの間にか出ている狐忠信とか、大団円の会場いっぱいの花吹雪の中、宙づりで去っていく狐忠信とか…。夜の部なんだから、それくらいのサービスしてくれてもいいじゃないか。
…入場したときのアドレナリンはいづこ。

なにをめんどくさがっているのか、松竹さんは?
播磨屋さん、金丸座復活の立役者なのだから、よろしくお願いしますよ。
こちらは10万円も旅費かけて、その他、宿・チケット必死でゲットして見に来ているのだから、これぞ金丸座芝居!ってヤツを見せてくださいまし!どうぞ満足させてくださいまし!

で、終演後、すぐにさっぱり片付いた客席。

実は、ご一行の勧進元であるカコトラさんは、古建築物の修復を手がけている建築士。この金丸座をはじめ、各地の文化財を手がけていらっしゃる方なのです。今日も、終演後に修復が必要な案件を確認しに行かねばならないというので、強引に付いていって奈落を拝見してきました。大歌舞伎が来ている期間は建物見学はできないので、既得権の行使(しかも無理矢理)で面目ないです。というわけで、ここからはシークレット。ひや〜っ、面白かった。

出てきましたら、すっかり夜でした(当然か…)

虎丸旅館さんでは首を長くして、我々の到着を待ってました。
豪華料理!宴会だし。醤油豆にさぬきうどんも欠かせません。

虫六がS市から担いできた日本酒。「愛宕の松」「伯楽星」を作っている三本木町の蔵元・新澤醸造店が、震災で壊れた古い酒蔵で最後の最後に仕込んだ純米吟醸酒!
飲んでください!

こちらは、琴平で有名な「金陵」の、大吟醸酒「超・金陵」。ぎょえ〜。

宴会状態で、深夜遅くまで盛り上がりました。
面白かった話題は、「玉三郎の後継をどうするか?が、日本の歌舞伎存続の最大のテーマだ!」ということ。菊之助や亀治郎は「兼ねる役者」志向で、真女形する気はなさそうだし、七之助か梅枝には玉様ほどのカリスマ性はなさそう…?でも「女形」こそが歌舞伎芸能の神髄…。これはジャニーズに「和芸部」を作ってもらうしかないか??と。(すみません、酔っ払いの話です)

……、っていうかですね。
このご一行、7割女性なのですが、めちゃくちゃ酒が強い。「うわばみ」という形容詞を久しぶりで思い出しました。ご婦人の皮を被ったうわばみ…「娘道成寺」ですね。
パワーあるなぁ。明日の昼の部、大丈夫かな…俺。

2012年4月25日水曜日

てんこもり、こんぴら道中記 その壱_虫六、金丸座に至る

4月21日(土)、虫六はかねてよりの黒い(!)計画のもとに、朝一番6:25のはやぶさに乗りました。
あえて、はやぶさ…大奮発。というのも、今日の昼までに四国に着かなければならないという強行軍だからです。8:00には東京について、8:10ののぞみに乗り換え、まずは岡山に向かいます。


昼前に岡山に到着!東京からやってくるお友だちのNさんらと合流。ここからは特急南風9号に乗車していよいよ瀬戸内海を越えていきます。みんなバラバラの号車でしたが窓側の席をゲットしてあったのでひとり旅気分で車窓を楽しみました。
隣に座ったおばあちゃんが親戚が亡くなったらしくそのお葬式に向かう様子で、ずっと携帯電話で家中のゴタゴタをしゃべっていましたが、そんな雑音はなんのその。
気分はもう石段200段分くらいのぼっております。

天気予報は西日本大雨。なかばあきらめ加減だったけど、瀬戸内越えなんとかセーフでした。特急南風の車窓からながめる瀬戸内海。爽快です。何かが味方している感じですかね。

おおっ、瀬戸大橋を渡っておりますよ〜。今朝はみちのくS市にいたのに。

この旅の終着駅につきました。
黄色(金色?)の改札からして霊験あらたか、こんぴら参りで有名な琴平町です。
そう、ここは芝居好きにとっての聖地。
江戸時代に建てられたあの芝居小屋・金丸座がある町なのです!!

駅にも、斜めがけの幟や吊り看板がお出迎えしております。
同じ電車でお客さんもずいぶんおりました。Nさんたちともここからはご一緒です。

とんがりファサードのJR琴平駅。
さすがに歴史ある観光地だけあって、駅前の通りも風情があります。

駅前広場の「鏡獅子」の石像。
お芝居の町ですな。

こちらはことでん・琴平駅。
実は第2のミッションがこの駅からはじまります。が、今日は見るだけ。
まずは腹ごしらえ。朝早かったのでお腹が空いているぞ〜。

そんなわけで、「香川県と言えば、うどん県」。
やっぱさぬきうどんいきますか〜。
この度のツアーの勧進元であるカコトラさんが待っている、狸屋さんに到着。

ここで、ご同行のみなさんにあったりして、みんなでお昼。
虫六は、冷やおろし天ぷらうどん(800円)をチョイスしました。
しこしこ麺の絶品さはもちろんのこと、旬の天ぷらがうまい!
とくに「筍の天ぷら」はほんのり甘く煮染めてあるのをぱりっと揚げてあって、絶妙な巧旨さ!舌もお腹も満足しました。

石段を100段ほど上って…… 金比羅さんにいくときは、キャスター付きトランクではなく、デイパックにいたしませう…(;´▽`A`` 今日のお宿「とら丸旅館」に到着。お世話になりま〜す。荷物を預けて、さっそく出発。

で、とある近道を通って着いたところは、じゃ〜ん、こちらです!!

黒い虫六、ついに金丸座の前に立つ (* ̄ー ̄*)
つづきは、あした。…たぶん。


2012年4月20日金曜日

「ジャスの戦士 イグナル 第一巻 独眼竜の死に装束」が見られます

告知です。
チボリ兄弟舎の瀧原君から紙芝居上演のご案内。

______ ↓ ______


3年前から紙芝居で出演させて頂いております、
八幡町杜の館の桜祭りが今年も開催されることとなりました。

今年は幸いにして桜の開花が遅く、
桜祭り開催日が、ちょうど予想満開日に重なっております。


お時間が御座いましたら是非、足をお運びくださいますよう
よろしくお願い申し上げます。


■八幡杜の館 「さくらまつり」

日時 2012年4月22日(日) 10:00から (紙芝居は13:00から)
会場 中島丁公園内 (旧天賞苑)
住所 仙台市青葉区八幡3-1-1
入場 無料

上演予定作品は 

「ジャスの戦士 イグナル 第一巻 独眼竜の死に装束」です。

どうぞよろしくお願いいたします。


瀧原文法

伝の会長唄三味線らいぶ in 仙台

久しぶりで、鉄九郎さん「伝の会」ライブでやってくれます。
能ーBOXもお披露目公演のチケット買い損ねて行ったこと無かったし、いろんな意味で楽しみな演奏会です。




○「伝の会 長唄三味線らいぶ」

日 時  2012年6月3日(日)
開 場  14時30分  開演 15時
場 所  せんだい演劇工房10-BOX別館「能-BOX」 
     仙台市若林区卸町2-15-6 TEL:022-782-7510
チケット 前売 S席3,500円  A席3,000円 
     当日 4,000円

お問い合わせ
和堂風月  wadouhuugetsu@yahoo.co.jp
TEL090-2979-7527 FAX022-773-0957