2013年5月30日木曜日

国立劇場五月文楽公演_「曽根崎心中」「心中天網島」ほか

五月の国立劇場小劇場は文楽公演。公益財団法人文楽協会創立五〇周年記念にして、竹本義太夫三〇〇回忌記念にして、近松門左衛門生誕三六〇年記念なのだそうです。ということで、今月は通しで見ると、近松心中もの二本立てになります。


○国立劇場五月文楽公演

2013年5月11日(土)~2013年5月27日(月)

 【第一部】午前11時 (午後3時終演予定)
 【第二部】午後4時 (午後8時35分終演予定)

【第一部】
 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
    熊谷桜の段
    熊谷陣屋の段
        
 近松門左衛門生誕三六〇年記念   
 曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
    生玉社前の段
    天満屋の段
    天神森の段
 
【第二部】
 寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
    
 近松門左衛門生誕三六〇年記念
 心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)
    北新地河庄の段
    天満紙屋内より大和屋の段
    道行名残りの橋づくし


 (主な出演者)
 竹 本 住大夫
 竹 本 源大夫
 鶴 澤 寛 治
 鶴 澤 清 治
 吉 田 簑 助
 吉 田 文 雀
        ほか


「一谷嫩軍記」は先月歌舞伎座で歌舞伎「熊谷陣屋」を拝見したばかりですが、文楽ですと役者の演技が邪魔せずに物語が頭に入ってきます。どっちが良いかはそれぞれ面白いところがあるので、それぞれ楽しめばいいと思いますがね。今回の公演は「熊谷桜の段」からだったので、石屋弥陀六がキーパーソンだったということがわかって発見でした。いずれ相模が気の毒ってことに変わりはないのですが…。それはそれとし、「熊谷陣屋の段」の前は久しぶりでみる呂勢大夫さんと清治さんコンビでしたが、「漢の戦い」っていうか、凄まじいものをみました。清治さん、お元気なんだろうかとドキドキでいったのでしたが、なんちゅうか凄まじかった。(呂勢大夫さんすごく苦しそうで、ついに咽せっていたのですごく心配になりました。このところ八面六臂の活躍でしたので、身体大事にしてください)。つか、小説みたいだなー。

「曽根崎心中」(昼の部)と「心中天網島」(夜の部)は近松門左衛門生誕360年記念の演目。義太夫は夜の部の方が聞き応えがありましたね。とはいえ「曽根崎〜」では天神森の段で蓑助さんのお初と勘十郎の徳兵衛が命を絶つ場面が麗しく酔いしれました。お初可憐。お初については、歌舞伎で復活されたときの扇雀(現・藤十郎)さんの解釈や小説を書いた角田光代さんの解釈など、見比べると面白いんだな。
「心中〜」では、義太夫がずんと心にはいってきましたので、むしろ自然に舞台の人形芝居が楽しめました。暗やみの中で木戸をあけて逃げ出すときに、木戸の向こうとこちらから焦りながらあけるところとか、人形であることも義太夫で聞いていることも忘れて緊張絶頂で焦りまくる自分がありました。この持って行かれ方が文楽の醍醐味でありますね。
…それにつけても、治兵衛の不甲斐なさよ。
(女は甲斐性のある男にのみ惹かれるわけでないというのが宇宙の真理であります)

ちょうど、このところ塩見鮮一郎先生の本を読んでいて、
江戸時代の身分制度のなかで心中に失敗したり、罪を犯して牢屋に入れられる(または身内に犯罪者をだす)など身を持ち崩したものは、元の身分を失い非人にされて、稼ぐことも髷を結うこともゆるされず、汚いなりで物乞いをしながら生きなければならなくなる。
抱非人は稼げないけれど、町奉行の直轄で死体処理や処刑の手伝いなどの不浄の仕事を強制されていた。
非人の数は相当数いて(天保14年で抱非人5643人)、それを束ねる非人頭の家は新吉原の裏にぴったりと建っていて、それはひとつの見せしめの意味があった…。(「江戸の非人頭 車善七」河出文庫)
などと、いうことが重なって、心中に向かう彼らの時代感というか、「恋心」だけではすまされない境遇といいますか、女房おさんや兄孫右衛門の心情も単に亭主を取り戻したいとか、弟を更正させたい以上の緊迫したものが、本当は近松の脚本の中にはあったのではないかなとイメージが尖りました。
(…まぁ、元禄期の上方の廓と、天保期の新吉原は単純に比較できないかも知れませんが…)

「寿式三番叟」では、久しぶりで住大夫さんが若い大夫さんを率いて登場。だいぶお痩せになったようでしたが、声はお元気でした。っていうか、緊張した。

前日(6/19)は明治座で花形歌舞伎、翌日(6/20)は文楽をそれぞれ通しで、2日で4ステージ。さすがに疲労困憊、精も根も尽き果てたとはこのことですね…。
え、自業自得だろって?ひい。


2013年5月27日月曜日

あまちゃん紅白誘致委員会_続報

NHKの朝ドラ「あまちゃん」のサントラCDの発売(6/19予定)を記念して、な、なんと「大友良英&あまちゃんスペシャル・ビッグバンド」の生ライブがあるらしいですぞ。

「あまちゃん サウンドトラック レコ発LIVE」

会場:パルコ劇場(渋谷区宇田川町)
日時:7月2日  開場18時、開演19時。
鑑賞料:5,250円
5月25日からイープラスでプレオーダー(抽選制)の申し込みを受付。6月2日23時まで。
一般発売は6月8日。

いいなぁ、東京の人は…。てか。(私はユイちゃんか!?)

2013年5月26日日曜日

明治座五月花形公演

5月19日の朝、虫六は浅草の地に立っておりました。特に予定していたわけでは無く、荷物をホテルに送ってしまったので、身軽になり、思い立って浅草寺へ。

 そしたら、なに?三社祭の日でしたのね…。すみません、田舎もので情報不足でした。S市の青葉祭りを逃れたつもりが、もっと大きなお祭のるつぼへ…。とはいえ、もう本社御輿各町渡御などのメインイベントは終わっていたので、熱気というより余熱?が残っている感じでしたが、祭り半纏の男衆やお姐さんたちが繰り出しており、ちょっとわくわく。
せっかくのチャンスを丸逃しのタイミングでありました。

 浅草寺もご開帳でこれは良かった。ここは、虫六子の受験のことなどしっかりお願いしておきました。何もできない親の神頼みっていうことで。

 浅草神社の能舞台。今日の午後、奉納舞があるのか…後ろ髪が引かれるのう。

 あ、御神輿が出てる!

お囃子の山車ですね。
…余熱…。
ま、しょうがない。本来の目的に戻ろう。
今日の黒い目的は、ここ!日本橋の「明治座」であります。

こけら落としで盛り上がる新装歌舞伎座五月公演を尻目に(正直「吉田屋」には未練がありましたが)、市川染五郎、片岡愛之助、中村勘九郎、中村七之助!という若手ばかりがご出演の「明治座五月花形公演」。これだ!



明治座 五月花形歌舞伎
平成25年5月3日(金・祝)~27日(月)

【昼の部】
一、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)

 斎藤別当実盛 中村勘九郎
 小 万    中村七之助
 百姓九郎助  松本錦吾
 女房小よし  上村吉弥
 瀬尾十郎兼氏 片岡亀蔵
 御台葵御前  市川高麗蔵

二、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
  序 幕 木更津海岸見染の場
  二幕目 赤間別荘の場
  三幕目 玄冶店妾宅の場
 
 与三郎    市川染五郎
 お富     中村七之助
 海松杭の松五郎 坂東薪車
 赤間源左衛門 片岡亀蔵
 鳶頭金五郎  中村勘九郎
 蝙蝠安    中村亀鶴
 和泉屋多左衛門  片岡愛之助

(うしし、夜の部は花道の近くであります!)

【夜の部】
一、将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)

 徳川慶喜   市川染五郎
 山岡鉄太郎  中村勘九郎
 間宮金八郎  中村亀 鶴
 土肥庄次郎  大谷廣太郎
 吉崎角之助  坂東薪車
 天野八郎   市川男女蔵
 高橋伊勢守  片岡愛之助

二、藤娘(ふじむすめ)

 藤の精    中村七之助

三、湧昇水鯉滝 鯉つかみ(こいつかみ)
 片岡愛之助宙乗りならびに本水にて立廻り相勤め申し候 
 
滝窓志賀之助実は鯉の精/滝窓志賀之助実は清若丸 片岡愛之助
釣家息女小桜姫   中村壱太郎
家老篠村次郎公光  坂東薪車
篠村妻呉竹     上村吉弥

「実盛物語」は、真面目にみていると膝かっくんの空想譚。ありえねーってヤツですね。
小万(七之助)が死んだ役で出て来て、舞台上ずっと死んでいるのが大変そうでした(^-^;勘九郎丈の実盛役は悪くないのですが、“たぬき度”が足りないのが残念ですね。父勘三郎ならもちっと色っぽくやっただろうと思ってしまったし、おじいさんの17代目だったらきっともっともっとチャーミングにやるんだろうなーと、見た事もないけど想像してしまいました。真面目な性格が出ちゃいますね。

「与話情浮名横櫛」は、染五郎・七之助です。これ、現在の歌舞伎界で孝夫・玉三郎に匹敵の組み合わせでないですか?(ほかに思いつかないんですけど_この組み合わせで「桜姫東文章」をお願いします!)染五郎丈は、4月の歌舞伎座の時は、お祝儀舞しか拝見してませんでしたので大怪我の後どうなったかが気になるところでしたが、完全に復調した感じで安心しました。やはり江戸の「いなせ」を表現できる数少ない役者なので、この時期の染五郎の与三郎を見せていただけたことは幸甚ですね。同時代人としては。また、七助丈のお富なのですが、何度か悪婆役を経験してきてこのような難役もいける役者になってホント嬉しいっす(←姉のような気持ち。正直いってF助伯父よりも良いです)。ただの蓮っ葉な女と言うイメージをうまく回避して、侠客に囲われる元芸者という粋筋の色気と、実は純愛を貫いている可憐さが同居する言い難い魅力を表現できていたと思います。
蝙蝠安の亀鶴丈がけっこう頑張っていました。

夜の部、「将軍江戸を去る」は以前に染五郎丈の山岡役で見た事があったのですが、あの時は誰が慶喜だったっけ?と思い出そうとしたけど出てこなくて、筋書きの公演記録でチェックしたら、K右衛門丈でした…。……。
今回は勘九郎丈が山岡役、こういうのはニンっていうんですか?はまった感じでした。でも、実盛をやれる役者になってください。染五郎丈はNHKの大河では孝明天皇だったりするじゃないですか、なんだか役者って不思議だなー。

「藤娘」!今回の眼目はこれです。
もう、贔屓目で申しわけないけど、あ〜(見終わっちゃうのが)もったいない!!という感じであっという間に終わってしまいました il||li _| ̄|○ il||li 最近の七之助の舞台は危なっかしさがなくなってますね。ん年前にみた赤坂歌舞伎の「鷺娘」からずいぶん成長していると思うんですが、目の越えた人たちはどうみるんでしょうか。藤の花が天井からとずら〜っと垂れ下がる華やかな舞台の中央でなんとも言えない可憐な存在感でした。(8月の「春興鏡獅子」にも期待が掛かりますが、見にいけるのかなーオレ)
地方は、芳村伊十蔵(唄)、杵屋五七郎(三味線)ほか四挺四枚、お囃子は田中傳次郎社中でした。演奏も張りがあって良かったです。花形公演にあってました。

で、意外に面白かった「鯉つかみ」!
お小姓姿が似合う愛之助であります。
そして、この外題は発見でありました。話も面白いし、宙づりや本水をつかった立ち回りもあり、けれん味たっぷり。愛之助丈が兵庫県豊岡市の永楽館で一度上演して好評だった演目のようで、さすがに重要文化財では本水が使えないと思ったら市長のご英断で水槽使った演出ができたという曰くつき。今回は遠慮なく本水使ってました。水の中で鯉と格闘するわけですが、染之助染太郎じゃないけど「いつもより沢山飛沫をあげてま〜す」っていうようなサービス満点の舞台。前方の客席の方々、ビニール持たされてきゃっきゃいってましたな。もりあがる〜。
虫六は、なんだかコクーン歌舞伎の「法界坊」で泥水被った時のことがいきなり思い出されて、なんだかまた勘三郎丈を思い出してしまいましたが…(引きずりますねぇ)
それにしても、水を含んだ衣装で、水を含んだ鯉の作り物を持ち上げ振り回し、大げさに水しぶきを立てる演技…、並の体力じゃできません!!!鯉をやっつけた愛之助丈に、(お疲れさま〜)の満場の拍手。(苦笑)
最後は六方を踏んで花道を引っ込みますが、ここで手拍子…あれれ?なんだか違うんでね?

なにはともあれ、面白いのでこの外題は愛之助丈の十八番にしてください。

2013年5月22日水曜日

あまちゃん紅白誘致委員会

ども、仕事で(あ、前半は羽根伸ばしっす)4日も留守にしながらも、「あまちゃん」だけは見逃さない虫六です。ブログはさぼりましたが…。

ついに次の大物女優登場…薬師丸H。あ、クドカンドラマ常連でしたね。

で、問題は「潮騒のメモリー」ですが…。これ、キョンキョンverテイクと薬師丸verテイクで、ダブルでCD化でしょうか?
実は、虫六的には「あまちゃん」のオープニング曲を大友良英 with あまちゃんスペシャルビッグバンドの演奏で、紅白で聞いてみたい!というアイディアが打ち消せずにいるんですが、紅白って「歌合戦」だから、ボーカルのない曲はダメよね?!と思っていたわけです。
が!ここに来て「潮騒のメモリー」がヒットしてくれると、“有り”ってことになりませんですか???お得意の抱き合わせメドレーってやつで。
つわけで、期待してしまうな〜。

NHKのドラマなんだから、「潮騒のメモリー」は計算済みかな?でも、聞きたいのは大友ビックバンドなんで。
紅白のプロデューサーさま、そこんとこ、どうぞよろしく!

「あまちゃん」サントラも出ますし、楽しみであります。


とかなんとかいってたら、なんと、「『潮騒のメモリー』クロス・レビュー(『ミュージック・オン』誌/1984年)」なんての発見!!

じぇじぇじぇじぇ!

…細馬先生もみてましたか、「あまちゃん」。やぱし。
Nとうよう先生ですか、「0点」てのは(苦笑)

2013年5月14日火曜日

無心で書く「最強の敵は自分の中にいる」と。

このところ、職場関係のストレスが絶頂で、吐き気から嗚咽が込み上げてきそうな精神障害ぎりぎりの日々を送っていた虫六です。(←脳天気に見えて、実は繊細)
そんな状況下、受験年度を迎える虫六子の学校のPTAのおつとめで、「使い切れなかった会費で生徒に文房具をプレゼントする」ので、その箱に親からのメッセージを書いてくれという仕事がまわってきました。


で、虫六が選んだメッセージは、ビートニクスの『Left Bank(左岸)』よりの一節。

 「最強の敵は自分の中にいる」 (作詞:鈴木慶一)

であります。
無心で書きました41本。
(あ、数本だけ「忍耐は苦いが、その実は甘い」っていうのも混ぜてみました。
「淋しいのはお前だけじゃな(桝野浩一)」ってのも1本だけ当たりとして挿入しておきましたが。)

そしたらなんだか自分自身が癒されました…。

写経でもしようかな、俺。


【おまけ】
ユキヒロの歌う「Left Bank(左岸)」を聞きたい人はこちら
こっちのテイクもどうぞ。

2013年5月10日金曜日

東西えりすぐり街頭紙芝居

紙芝居師の梅田佳声さんからお知らせいただきました。


「東西えりすぐり街頭紙芝居上演会」

日時:6月2日(日) 1:30〜、5:30〜
会場:お江戸日本橋亭
見料:2,000円(要予約)
出演:
  東_梅田佳声、永田為春、湯川博士、森下昌毅
  西_近藤博昭、古橋理絵、大塚珠代、古山千賀子

主催・お問い合わせ・申し込み
 財団法人 文民教育協会 子どもの文化研究所内
  梅田佳声と上演実行委員会
電話 03-3951-0151
FAX 03-3951-0152
mail info@kodomonobunnk.or.jp


2013年5月8日水曜日

た、大変だ!天海祐希さんが急病で降板…

「おのれナポレオン」が大変なことになっちゃった。

出演している天海祐希さんが心筋梗塞で緊急入院となり、今日の夜と明日の昼の2公演が中止、明日9日の夜の部から、宮沢りえさんが代役ですと!

○東京芸術劇場の公式HPに、
   「『おのれナポレオン』公演中止と出演者交替のお知らせ」あり。

明日は、虫六子とライブビューイングを見に行こうと思っていたのですが、どうなってしまうのか…まだ、決まらない模様…。
   「『おのれナポレオン』公演中止と出演者交代のお知らせ(続報1)」

天海さん大丈夫かなぁ。
すごく良い芝居していただけに、千穐楽を迎えられずに降板するのは悔しいだろうな…。
あれの後をうける、宮沢りえさんも大変そうですが、すごい大抜擢ですね。
野田さんのご指名でしょうか…。
いまごろ、関係者のみなさん必死なんでしょうね。うぐっ、想像しただけで胸が苦しい。

ライブビューイングのチケット、まだ握っていますよ!
がんばってください。

なにはともあれ、天海さん元気になってください。

2013年5月6日月曜日

慙愧丸プロジェクト観桜会2013

毎年恒例の慙愧丸Pのお花見が、すっかり花が落ちた5月5日の榴岡公園で開催されました。

いつも桜の見頃の時期は逃しがちな慙愧丸P観桜会ではありましたが、5月にまで食い込むのは珍しいかな。今年は開花時期も短かったしね…と、期待しないでいったらけっこう花が残ってました!これを「残っている」とするかどうかは、ご意見が分かれるところでしょうが常にポジティヴ・シンキングな我ら。

クマガイ監督曰く「花見は根っこがあればいいんだよ」(想像力フル回転ですか…)

提灯外灯とか、すでにお花見モードのしつらえは消え失せて、場所取りの競争率も0倍であります。グランドの方では、モンゴル相撲の全国大会が行われているもよう。さらに向こうのクリネックス・スタジアム宮城では楽天vsオリックス戦らしいですが、とりあえずカンケーありません。好きなところにブルーシートを敷いて、さぁ宴会だ!

緊急避難用テントを設置。
「あれっ、棒が短いな?!」
「去年折れたんじゃなかったっけ?」
「1年間出してないんだ」

“仙台時間”といって、この地方では約束時間はあってないようなもの、もうビール飲んではじめてましょう。なんて乾杯したら…
監督から、なんと「オフィス・コウキ」設立10周年(!)ということで、記念手ぬぐいをいただきました!
10年ですか!すご〜い!おめでとうございます!!!!
事務所立ち上げの頃にアエル上階の1畳オフィスに伺って、21世紀紙芝居の構想を相談したのが慙愧丸Pの事始めであります。あの時も開業記念の手ぬぐいをいただきました。あれから10年経つんだね…(遠い目)
ちなみに、染めはいつもの永勘さんですね。

で、この手ぬぐいがかわいい。O・Kベアが10匹並んでいて、10匹目が「えっ!10年?!」って感じで焦っているという図柄。監督、本当に焦ってんの?(笑)

今年は東鳴子を舞台にお芝居を1本書かれるとのこと!楽しみっす!

これからも、どうぞ、どうぞよろしくお願いします。

N良幹事長の近況報告もすごい。
N君、アルバイトで良い仕事をして床暖房関係の会社に正規雇用で雇われることになったというのは去年のお花見の時に聞いて、みんなでバンザイしたんでしたが、そのあと必要に迫られ自動車の普通免許を取得することになったそうな。
 で、免許を取ったなり、初心者マークで寒冷地域への出張工事を命じられて、雪が積もったつるっつるの高速道路を命がけで往復する日々だったそうな。
  で、スリップして雪山突っ込み事故1件、クルリンコ車体一回転事故1件、を経験…生きてて良かったね…って!危険すぎますから〜!
 N君、命だけはお大事に!!

つわけで、始まりました。
今年のはじめのメニューは中新田虎舞いうどん&そば、ハム巻き、イカめし、卵焼き、牛蒡ピクルス、長いも醤油漬け、乾き物、豆菓子、ポテチ、ベビースターラーメンなど。ビール、日本酒、ワイン…となんでもありです。後半に、クマガイ家のビーフシチューとN良幹事長のバーベキューメニューが控えております。

K「北海道ではさ、運動会に素麺もっていくんだって?それで、今日は麺類にしてみたの」
T「えっ?聞いたことないですね」(←北海道出身)
K家「うっそ!『秘密のケンミンショー』でやってたのに?!」

幹事長みずから出張先で仕入れてきた「白瀑『どピンク』純米発泡にごり生酒 」。
大丈夫かぁ?と、この色に引きましたが、これがけっこう辛口スッキリ系で飲みやすく、好評でした。

まったりやっていたら、ぼちぼち人が集まりはじめ、はい、しんがりのY巻さんとI川ちゃんご到着。

今日は暖かくなるらしいよー。とか、だれもいない公園で勝手に盛り上がる一団。

仕事の話もなく、毎年同じようなメンバーで、毎年同じような場所で、お花見しながら宴会をやっている我ら。この話、去年もしたような気がするナーとか思いながらも、なんだか楽しいのだね。
クマガイ弔辞評論家、庭の鳥愛好家、健在でした。
自宅近くで車に入ってきた虫を、遠く離れた旅先で放つのは旅情だ…という話など。

2歳児Yちゃんを腹に乗せたまま、沈没のT橋パパ。
こんなダッコしたまま昼寝したことあったですよ、うちも…懐かしいわー。

N良幹事長の焼き肉製造工場スタンバイ中。

今年は、スペアリブからいきますか!向こうで七輪にのっているのはソーセージっす。

肉食わないとスタミナつかないでしょ?なにか?
カー・スタントもいけることを証明した無敵の男、N・J。

炭火の余熱で、マシュマロ焼きに興じる子供たち。

ウクレレが出て、ミュージックタイム!

Y巻さんもエアウクレレ!
監督の歌をたっぷり聴きたいと、みんな心をひとつにしてリクエストするのですが、なんだか監督に逃げられて、これぞ!の1曲が歌っていただけない。
来年はスコアとか歌詞カードをそれぞれ持参しておきましょう。

Yちゃんのおむずがりタイムが来る前に、T橋家がお帰りに。

テントの隠れ家からバイバイするお姉ちゃんたち。
「来年は遊んでやるから大きくなれよ〜」

で、彼女らがこのテントの中で何をしているかというと、飲んべえ大人の似顔絵描き。

はい、いっちょうできあがり。
三波伸介似のY巻さん。うまい、うまい。

監督がなかなか歌わないので(?)、父のウクレレ演奏にあわせて、娘がフラダンスを披露。すばらしい!小さい時からやっているので、身体の使い方が違う!
ワカメをとって食べる歌だそうな。

ここで、監督の蘊蓄話「ワカメを上手い食材だと思っているのは日本人だけ」。
ヨーロッパ文化圏の人たち、海草は不味くて人間の食べ物でないと思っているらしいよ。上質昆布で取った出汁でたべる湯豆腐とか、海苔のおにぎりの美味しさとか分からないのかな…気の毒ですな〜。

ちゃんもつ君にお迎えがきて、お見送り。
新婚で〜す。すんごく感じのいい奥さんなのだ。来年は一緒に飲みませう!

夕方になったら、“蚊柱”がたちました。(クリックしてね、蚊柱が見えるから…別に見たくないか…)
N「蚊柱の蚊って、全部オスなんですよね」
K「なにっ?!こいつらみんなオスなのか!盛り上がってんだなー。そう思ったら、なんだか腹が立ってきた!この、このっ!」

突然、蚊を捕まえはじめる大人2名…。上空にはコウモリがピナピナ飛んでおりました。

K「あ、飛行機雲だ。石川啄木だ。」

子供たちに触発されて、大人も一緒に似顔絵大会。
Y巻画伯、全開。

っていうか、天気予報で今日の気温21度って言ってたのに、寒いままの1日でした(とほほ)

「東北放送の尾崎予報士に文句言わねば〜」

というわけで、夜更けて今年のお花見も解散となりました。
今年もよろしくお願いしま〜す。




2013年5月5日日曜日

レオス・カラックス『ホーリー・モーターズ』

せっかく連休でもあるし、映画でも見に行くか!と、自転車に乗って映画館に行きました。近所のフォーラムで、レオス・カラックス監督の13年ぶりの新作『ホーリー・モーターズ』が掛かっているのです。


『ホーリー・モーターズ』


ひとつの人生からもうひとつの人生へ、旅を続けるオスカーの1日。
ある時は富豪の銀行家、またある時は殺人者、物乞いの女、怪物、そして父親へと、次々に姿を変えてゆく。
オスカーはそれぞれの役になりきり、演じることを楽しんでいるように見えるが…、どこかにカメラはあるのだろうか?
ブロンドの運転手セリーヌを唯一の供に、オスカーはメイク道具を満載した舞台裏のような白いリムジンで、パリの街中を移動する。
行為の美しさを求めて。アクションの原動力を求めて。そして彼の人生に登場した女たちや亡霊たちを追い求めて。
だが彼の家、家族、そして休息の場所はいったいどこにあるのだろうか?
                (『ホーリー・モーターズ』公式HP・イントロダクションより)

主演は、監督の分身と言われたドニ・ラヴァン、かつてのアレックス三部作のヒリヒリしていたあの痩せた青年も、な、な、なんと50才を越えましたですか?でも、驚異的な身体能力は健在な感じでした。

(*ここからちょっとネタばれあり。これから見る人は読まない方がいいかも)
それにしても、奇妙な不思議な映画でした。
虫六は上記のイントロも知らず予備知識ゼロで見にいったので、はじめこの世界感に混乱しそうになりましたが、「森の仕事は入って無いの?森の仕事が懐かしい」で映画のテーマがストンと胸に落ちてそれからは楽しめました。
様々な映画へのオマージュに溢れていて(ゴジラとか大島渚とか、カラックスって日本映画好きなんですね)、映画表現への危機感も感じさせ、そして「演じること」って何?と本質を突いてくるテーマでもあります。

しかし、悲観的な映画かというとそうでもなくて、映像としてはそうとう楽しめます。

大きなリムジンを楽屋にして、その日与えられたミッションに従って役作りし、現実の社会に出て行き、そこでその人物になりきって演じるのが主人公の仕事なのです。ドライバーがマネージャーで1日にいくつもの現場に連れて行き、到着するとそこでドアをあけて役者を放つ。
それが撮影中なのかどこまで現実なのか、見ている方はなんだか分からなくなってくるのですが、それを映画的なつなぎでさらに複雑にされてしまう場面もあります。例えば、かつての恋人(カイリー・ミノーグ)に偶然出会い、30分の時間の隙間に、廃屋になったデパートで話をする場面。現実のシーンだと思って見ていると、ここがミュージカルみたいな仕立てになっていたり…。また、モーション・キャプチャの現場はSF映画みたいでもあり、サーカスのようでもありましたが、さらに3Dアニメに。
幾層にも映画的な仕掛けが重なっていて、「映画のマトリョーシュカ」であります。
あー、やっぱり変な映画だ。夢にでそう。

それから音楽も面白かった!!
スパークスあり、伊福部昭あり、ショスタコーヴィチあり、アコーディオンで行進したのは「Let My Baby Ride」(作曲 R.L.バーンサイド、トム・ロスロック)かな?カイリー・ミノーグが歌っていたのは「Who Were We?」ってオリジナルですね。


上映終了後、虫六子の反応をうかがったら、「面白かった!」とパンフレットをねだられたので、そうかこの映画の面白さが分かるのか!と、ちょっと嬉しくなり、TUTAYAでおもわずレオス・カラックス監督の3部作DVDを借りてきちゃった親馬鹿の虫六でした。

*それでまずは『汚れた血』を見たのですが、…うへえ、みんな若い…と思わず月日を感じてしまいました(爆)


2013年5月3日金曜日

うむむ、難技「ソトハジキ」

さあ、やっと連休がやってきましたので、日頃の練習不足を少しでも解消したいと、今日は夕方からお三味線を抱えて、「岸の柳」を(イヤ)チ チ チ チ チ (ン) チ トン であります。

以前の日記で、「岸の柳」は曲途中の調子変えがあるのが、今回のお稽古の最大ハードルと書きましたが、実はもうひとつ難技が潜んでいました。

それは、「ソトハジキ」であります。

お三味線では、演奏に味付けしたり、指運びや撥使いをスムーズに運ぶために、「スクイ」とか「ハジキ」という奏法が使われます。

「スクイ」は、通常は撥を弦に対して上から下に振り下ろして音を鳴らしますが、逆方向(下から上に)すくって音を鳴らす奏法です。文化譜では「ス」と表記されます。
そして、
「ハジキ」は、撥でなく弦を押さえる方の左手の指で弦をはじいて音を鳴らす奏法で、使い方で3種類の鳴らし方があります。
(1)開放弦のハジキ
(2)勘所を押さえていた指を放して弦を鳴らすハジキ
(3)勘所を押さえながら別の指で別の音程を鳴らすハジキ
となります。

で、今回、虫六が挑戦しているのは(1)のバリエーションではありますが、クスリ指→中指→人差し指と連動的に棹の外から開いていきながら、3の弦をはじいて、レ レ レン とリズミカルで連続的に開放弦音を鳴らすという技術なのです。
文化譜で、〔ソトハジキ〕と表記されているところ、「ハ」の記入の上に、横棒(ー)が3本重なっているのがクスリ指、2本が中指、1本が人差し指の印です。
し、しかし、この指がなかなかスムーズに動いてくれません!私は正真正銘の右利きなのじゃ〜!
この難しさ、文章で書くのは難しいのですが、…開放弦のハジキは涼やかな余韻のある気持ちの良い音、なんとかマスターしたいものです。

つまり、練習あるのみなのでしたー。


2013年5月1日水曜日

4月に読んだ本

2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1509ページ
ナイス数:39ナイス

空鉄 ―鉄道鳥瞰物語―空鉄 ―鉄道鳥瞰物語―感想
鳥の目にならないと見えてこない鉄道の世界。現実の線路レイアウトって精緻で整然として、すごく綺麗です。これに四季の彩りや駅(車両基地)周辺の町の生成などが加わって、いろんな風景があるものなんですね。尾久車両センターの規模に圧倒され、鳥飼車両基地のズラーっと並んだ700系新幹線の白い列に仰天し、肥薩線のスイッチバック構造に旅心をそそられました。それから、小湊鐵道の菜の花畑をいく赤いディーゼルカーも絵になりますね。
読了日:4月29日 著者:吉永 陽一

双頭の船双頭の船感想
大震災後(原発事故後というより)の世界を真っ向から描いた小説。獣臭いという嗅覚から作品が始まる。ざらざらとして飲み込みにくい話ではあるけれど、そこが実感として伝わる重い部分だ。双頭のフェリー「しまなみ8」が移動食堂車と大量の放置自転車を積んで被災地へ。主人公の知洋は肝心なところでフリーズしてしまう優柔不断男。船に集まる人や動物の魂、津波から命を拾った生々しい記憶、家族も家も仕事を失った人たち、船は仮設を作って彼らを受け入れ巨大な方舟に。自立国家として漂白するか、土地に帰るのか。野生児ベアマンの存在が強烈。
読了日:4月29日 著者:池澤 夏樹

弾左衛門とその時代 (河出文庫)弾左衛門とその時代 (河出文庫)感想
穢多と非人の違いもよく知らなかった。非人は生業を認められず物乞いをして生きざるを得ない身分。穢多は殺生と皮革の加工製造を生業とする身分で、公権力による処刑の手伝いもした。仏教思想の普及で不浄の仕事として忌み嫌われたが、皮製品は武士にとって必要不可欠なもので、身分的には賤民階級でも、武士に対峙する関係をもっていたらしい。それら賤民をとりまとめる立場にあったのが弾左衛門で、乞胸などの芸人や遊郭も支配する。面白かったのは付録で歌舞伎役者が造反して訴えを起こす話。「助六」の意休のモデルが弾左衛門とは知らなかった。
読了日:4月21日 著者:塩見 鮮一郎

十八代目 中村勘三郎十八代目 中村勘三郎感想
いま思えば去年の平成中村座ロングラン公演の頃の勘三郎丈は本当に命がけで芝居をしていたんだなと思う。役を演じている表情の奥に篠山紀信は勘三郎本人の必死の存在を映し出している。「永久保存版」と銘打たれたこの写真集は「家庭画報」の掲載記事を再編集・加筆してまとめられたもの。未発表の舞台写真も入っているそう。それにしても自分もその場にいて共振した舞台の、あの時の感触がひたひたと思い出され、もうあんな舞台は見られないのだと思うとその喪失感が一層強く感じられるばかり。「愛陀姫」稽古中の中村座全員の笑顔がせつない。
読了日:4月8日 著者:篠山紀信

十八代 勘三郎十八代 勘三郎感想
ちょっとかすれた十八代目の声が甦る。人なつっこくて、負けず嫌い、いつも人の輪の中心で芝居の話ばっかりしている魅力たっぷりな素顔の中村勘三郎丈。…まだ、生きているみたいだ。平成15年6月から平成17年2月まで「スポーツニッポン新聞」の連載をまとめたもの。ちょうど、勘三郎襲名興行が始まる直前の、輝きまくりのあの頃のことが話題となっていて、いまでは、ひとつひとつの言葉が宝石のように感じられる。聞き手の存在を感じさせない、いつどこで語ったかだけが記されたインタビュー集となっていて、編集側の弔意が伝わってくる。
読了日:4月7日 著者:中村 勘三郎

ぼおるぺん古事記 三: 海の巻ぼおるぺん古事記 三: 海の巻感想
ボールペンなのに、なんて豊かな描線。メーカー違いでインクの濃さや質感が違うのがなんだか発見でした。古事記の神様たちがみなみなチャーミング。そしてサイレントなのに、日照命の「返せっちゅうの!」の表情のたっぷりなこと(笑)。それから猿女君が海鼠の口を割くところ…怖っ!この辺の物語は神楽舞などでもお馴染みのところですが、現代語訳本では分からなかったのですが、お神楽って古事記をまんま歌っているんですね。でも口伝なので、ちょっとなまってたのね。原文そのままの文章は、本当に歌みたいだと思いました。石長比売かわいい。
読了日:4月4日 著者:こうの 史代

月は何でも知っているかも (BEAM COMIX)月は何でも知っているかも (BEAM COMIX)感想
ははは、やっぱり好きだわ、この絵。5年前の短編集。化身もの(さかな・化け猫・スロットマシーン)、バイク、広角のシネマっぽい構図、まったり感、『デボネア・ドライブ』に繋がるエッセンスが満載でした。
読了日:4月2日 著者:朝倉 世界一




鉄道少女漫画鉄道少女漫画感想
スピンオフの「君曜日」を読んだ時は、本当に鉄道テーマは描きたくてかいているのかな?と思いましたが、やっぱり勉強しているんだなと思いました。「鉄道」と「少女漫画」って組み合わせは意外性ありますが、作品は独自で面白かった。それにしても読者はどのあたりなのだろう。やっぱり明日美子先生のファンが中心なんでしょうね。
読了日:4月1日 著者:中村 明日美子

読書メーター

「大神社」展と「山本作衛兵」展

東京国立博物館・平成館では、「国宝・大神社展」が開催されています。

○「国宝 大神社展」

会 期 平成25(2013)年4月9日(火) ~ 6月2日(日)
会 場 東京国立博物館 平成館〔上野公園〕
    〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
    東京国立博物館ウェブサイト http://www.tnm.jp/
開館時間 午前9時30分 ~ 午後5時
     ※金曜日は午後8時まで、土・日・祝・休日は午後6時まで開館
     ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日 ※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館、5月7日(火)は休館
主 催 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション
特別協力 神社本庁
協 力 千年の森フォーラム
協 賛 あいおいニッセイ同和損保、大日本印刷、トヨタ自動車、三菱商事

伊勢神宮の第62回式年遷宮を機に、神社本庁をはじめ、日本全国の神社の全国的な協力を得て、神社の宝物や日本の神々に関する文化財を総合的に展観する、「全国の神社パワーを結集した、空前絶後の神道美術展!」とのことです。

これまでこの大きさで神社美術展が行われることは無かったそうで、全国の霊験あらたかな神様が上野に大集合しております。上野、見えてしまう方々にとっては、すごいことになっております。たぶん。

美術品としては、国宝・重要文化財が160件。神道のルーツを探る出土品や絵巻なども多数。熊野速玉大社、松尾大社、東寺などの国宝・重文の神像や門外不出だった初公開の神像なども40体展示されています。

個人的には、熊野速玉大社の神様のお化粧道具で、「元結」らしきものが、どう見ても針金で、神様の髪はそんなに硬いのかー!(神様って剛毛!)とか、同じく速玉大社の綾織物がすり切れているのに織り目が残っていてまだ1枚の布なのは何故か??と不思議がっていたら、「二陪織物」と表記があり、こんな大昔から手の込んだ技術があったものだと感心しました。
また、鹿島大社のでかなが〜〜〜い大太刀(神様って怪力!)や石上神社の七支刀など刀類の存在感はなんというか圧倒されるものがありました。


山の大きさや海の広さ・荒々しさ、森の深さ、太陽のまぶしさ…そういうものに、神を見いだしていた日本の人々のはずですが、8世紀ころから仏教の影響で神像が作られるようになったらしいのです。形の捉えられない神様が人の形(鹿などの動物の場合もありますが)を取るようになるわけです。これがね…、やっぱり具現化とか出てくると、とたんに造形力の貧弱さが露呈すると感じるのは、私だけでしょうか?
うわ〜、罰当たりですか???神様、ごめんなさい!!

でも、若狭神宮寺の小丹生之明神の男神・女神様の佇まいは格別でした。それと若松神社の獅子・狛犬もかわいかったです。

山根基世さんの音声ガイドもお薦めです。


もうひとつ展覧会です。



こちらは東京タワーの1階特設会場で開催中の「山本作兵衛展」


○特別展「世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展」

会期 2013年3月16日(土)から5月6日(月・振休)
会場 東京タワー1階特設会場
主催 読売新聞社・東京タワー

山本作兵衛(1892~1984)は、福岡県の筑豊炭田で50年以上にわたって働いてきた方で、炭坑夫を引退した66才から絵筆を取り、自分の炭坑での経験を記憶画として描き残した絵師です。厳しい炭坑の現実を正確かつ緻密に丁寧に描いた作兵衛の記録画や日記(計697点)は、2011年にユネスコの世界記憶遺産に登録されました。国内第1号だそうです。

これまで何度か山本作兵衛展は開催されて、そのたびに「見た方がいい」とお薦めされていたのですが、やっと邂逅できました。うわさ通りのすごい絵だった。絵に関する高等教育を受けたわけでは無いけれど、もともと相当絵心がある人なんでしょう、現実を見た(記憶した)通りに伝えようとする技巧にこだわらないストレートな迫力に満ちあふれています。
同じパターンの絵を何枚も描いているところが意外でもありました。
物語り絵というか、紙芝居だね、まさに。

登録文化財ですから、今後はあまり出てこなくなるかも知れないですね。
連休いっぱいの展示のようです。