読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2086ページ
ナイス数:52ナイス
花に染む 3 (クイーンズコミックス)
花乃も雛も姫も、それぞれ同じでない距離感で陽大に思いを寄せているわけですが、陽大が生きている世界は息苦しすぎてそういう次元にない感じがする。姫の存在が物語をざわざわさせて面白いです。それにしても、これで1部完結ってのは無いッス。2部に続くっていわれても何だか納得できないなぁ。
読了日:12月21日 著者:くらもち ふさこ
芸と人―戦後歌舞伎の名優たち
ミスター国立劇場(?)こと織田先生の名優録。戦後歌舞伎の王道が歌舞伎座を中心に熟成された一方で、復活狂言や若手育成公演、国立歌舞伎俳優研修所の運営…と国立劇場が果たしてきた役割は相当大きい。謙遜した文体に、そーか織田先生って公務員だったのだな…と改めて認識しつつ、そういう立場から一癖も二癖もある役者たち相手に(時に罵倒されながら)歌舞伎文化の伝承と発展を下支えした人生だったのだと、感心しました。毒はないけどそれぞれの俳優の心に残るエピソード満載。辰之助の「織ちゃん、友達だよな」はやっぱり心痛、泣けます。
読了日:12月17日 著者:織田 紘二
日本刀・松田次泰の世界
丁寧な取材に裏付けられた「和鉄刀鍛冶」の仕事を紹介した絵本。絵であることで工程や道具、使い方、仕事場のレイアウトなどより詳細に理解できる。しかも、この絵はかなり巧い!鍛冶場といえば暗い現場でもあり、写真ではここまで表現できないかもしれない。日本刀の技術は鎌倉時代を頂点といわれていて、多くの刀匠はそれをめざすそうだ。しかし、現在日本に100人もの刀鍛冶がいるというのは、「えぇ、そんなにいるんだ」と驚きました。知らないことはいっぱいあるなぁ。
読了日:12月14日 著者:かつき せつこ
ちはやふる(15) (BE LOVE KC)
「由良のとを わたる舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな」今回の表題歌はうまくはまりました。決勝戦もいよいよ終盤。苦しみながら団体戦の面白さと快感をまっ体験する千早たち。この振動が、クイーンや新ら個人戦の選手たちにも伝わっていくのか。太一、強くなったなぁ。ところで千早のケガはどすか?
読了日:12月14日 著者:末次 由紀
歌舞伎座を彩った名優たち―遠藤為春座談
なにしろ明治大正の俳優の話なので、役者系図首っ引きで何代目か確認しながら、想像力を全開にして読みました。滲んだ白黒写真だけでは名優と言われてもピンとこないけど、歌舞伎制作の現場から80年芝居を見続けた遠藤為春の言葉に掛かると、9代目團十郎や5代目菊五郎、市川新蔵という役者の魅力や凄さが伝わって来る。例えば、9代目は『助六』の裾を縫い付けないで、仕立てと腰の入れ方だけで綺麗に捌いた…とか。なんだかかっこいい。インタビューする戸板先生のワクワクも伝わってくる。今は映像が残るけどこういう仕事やっぱり大事だな。
読了日:12月13日 編者:犬丸治
私の「歌舞伎座」ものがたり (朝日新書)
およそ70年の観劇歴!劇評家とはいえただ敬服。理路だち辛口な筆が持ち味の保先生。しかし本書は個人的な経験や記憶を頼りに、「歌舞伎座の歴史を述べる」という目的から離れて、思い入れ優先で書かれているからでしょうか、珍しい1冊という感じ。歌舞伎に、歌舞伎座に対する愛情で満ち溢れています。歌舞伎座が近代から現代に至る歌舞伎を生み出してきた中心的な現場であり、役者等関係者の成長の場であったと同じく、それを味わい深く人生に取り込む観客にとっても成長の場であった。閉場して1年半、次の時代が待ち遠しい。
読了日:12月10日 著者:渡辺 保
季刊 ココア共和国vol.8
10月下旬にsmtのオープンカフェで作家自身が朗読していたいがらしみきお「地震のこと」と、クマガイコウキ「仮称松岩と四千万円とマッチ売りの少女と私たち」が所収されている。活字にしてくれたんだ!ありがとう!それから、いがらしさんの画と詩の新作「人は死ぬのを知りながら」も載ってます。小さな詩集で店頭発売はないらしい。みんなに知って欲しいです。
読了日:12月08日 著者:秋 亜綺羅,いがらしみきお,四方田 犬彦,須藤 洋平,クマガイコウキ,豊田 和司
双調平家物語〈15〉源氏の巻(承前)、落日の巻 (中公文庫)
なにが怖いって後白河法皇の不気味な存在感です。清盛、独裁支配下における一院幽閉や仏法焼き討ちなど暴虐もさることながら、熱病死という死に方も壮絶で祟りまくられていましたね。頼朝はどうも好きになれないのは私だけではないでしょう。平氏の繁栄は一門同士で争うことをしなかったから、しかし、源氏は保元の乱の前から一族で争い、互いに殺し合いをしてきた。天下を転覆させても源氏には破滅のDNAが埋め込まれていたんだな。とはいえ、義経もやっと姿を現してくれました。次はいよいよ最終巻!
読了日:12月07日 著者:橋本 治
夜のピクニック (新潮文庫)
男女の色恋なんかなくても、鉛になるほど体力の限界まで完走したってことだけで十分に青春の記憶になるよ。歩行大会ってのはお喋りできて気が利いた設定。主人公は、不倫の末の異母兄弟という互いの出自にわだかまりある高3の同級生男女。倦怠を伴走に友達と歩く。夜の帳をはぐように秘密がほどかれ、微妙な友情の起伏の中にそれぞれの成長めいたものもある。行程の最後、朝日を背景に言葉を交わすシーンは秀逸。ロードムービーを見るよう。お互いを認めることが出来た後の、それが決して甘美なものだけでないと予感という記述に含み有りなのか?
読了日:12月02日 著者:恩田 陸
ちなみに
【2011年に読んだ本】は
読んだ本の数:79冊
読んだページ数:17219ページ
月間平均冊数:6.6冊
月間平均ページ:1435ページ
だったらしい。
読書メーター
(独り言)
本を読むくらいしかすることがないと、たっぷり積んでおいたのに、思ったほど読めずに休業期間が終わってしまって情けないやら、空しいやら…。
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