2015年12月29日火曜日

杵勝会歳末チャリティー演奏会2015

そんなわけで、青春18切符の各駅停車の旅で到着した先の演奏会は、恒例の「杵勝会歳末チャリティー演奏会2015」でございまして、いつもは先生や姉弟子の皆さんとご一緒してるところですが、今年はひとりでゆきました。


会場で偶然松の会のYさんにお会いしたので、ご一緒させていただきまして、松島爆食爆笑ツアーのことなど思い出しながら楽しく勉強させていただきました。

今年のプログラムはこんな感じ。



今回、虫六的に注目の番組は、なんつっても『鞍馬山』であります。一昨年の課題曲でいろいろ手こずりながらも勉強した曲なので、勝十郎師匠のごとき使い手に弾かれるとどうなるのだろうととても愉しみにしておりましたが…、脱帽。短い曲ですが三味線の手の多様性がいろいろあって『鞍馬山』ってこんなに面白い曲だったんですね、と改めて思いました。曲調にあった楷書の芸、メリハリのある爽快な演奏で、あっという間、…というか、立て三味線の呼吸に乗せられている内に1曲終わってました。
前の席に座っていた男性2人が「どうやったらこんな風に弾けるのかなー?!」と舌を巻いておりました。

大曲や難曲ばっかりですと、自分が弾くというイメージが遠いのでただただ感心するばかりですが、普段練習しているやや小ぶりな曲の上手い演奏はこのような演奏会でないと聞けないので、やっぱり貴重なのでした。

それにしても勝十郎師匠は、『喜三の庭』、(2曲空き)、『鞍馬山』(←立て)、『那須野』(勝正雄師匠の立て三味線 (* ̄ー ̄*))、『俄獅子』…と連続出演。すごいわー、プロは違います…技的にも体力的にも。(後半のご出演も期待していましたが、お出にならず、夜の部に仕事でもあったのでしょうか。)

しかし、演奏者の層が厚い杵勝会の演奏会は、まだまだ演者が揃っております。
中盤でいきなり『廓丹前』の大曲を、利光師匠・裕光師匠のご兄弟に勝七郎師匠の替手で。『君が代松竹梅』が女流チームの4枚4挺。和吉師匠の『忍車』(唄_直吉・勝彦、上調子_勝七郎)もありがたい。
今年は、家元率いる『舌出し三番叟』(立唄_勝四郎)が中締めで、同席したYさんに、「『舌出し三番叟』は清元にもあってこれがなかなか渋いので、比較して聴いてみると面白いんですよ」などとご教示いただき、そういう耳で聞くと、たしかに長唄は華やかだなー。

そしてトリの2曲は…

夏に伺った演奏会で女流の『安達ヶ原』にもそうとう痺れましたが、『多摩川』(唄_勝良・勝眞規、三味線_勝幸恵・勝くに緒)…ただ圧倒されました。勝良師匠・勝幸恵師匠コンビはなんてカッコいいのでしょう。勝幸恵師匠の、○才を過ぎて、その迫力と華麗な演奏。超人ですな。ラジオ番組などでも女流の唄を聴くけれど、勝良師匠の声は低音が渋くて好き!そこに、しっかりついていく若い勝眞規師匠と勝くに緒師匠の心強いこと!
こういう番組を組む家元のプロデュース力に1票!将来を考えているナー。ついでに(毎年言ってますけど)勝幸恵師匠のCD制作もぜひよろしくお願いいたします。

大トリの『靭猿』(唄_東成・直吉ほか、三味線_勝国・勝七郎・(上)裕光ほか、囃子_堅田喜左久ほか)は、お芝居を1本みるようなご馳走感で、ちと早いけど新年のお年玉をもらったような気分で満喫しました。来年の干支は申年でこの選曲なんでしょうね、やっぱり。

前日まで大忙しで、早起きして各停列車の旅をしてきたので、寝てしまうのではないか?とちょっと自信がなかった(とほほ)のですが、ばっちり覚醒したまま愉しみました。

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