じつは正月13日(日)に一門の新年会があり、その席で、兄弟子Kさんが今度挑戦する『二人椀久』がシネマ歌舞伎ではじまったと言う話になり、先生が「明日見に行こう」という流れから、虫六がチケットをネット予約することになり、姉弟子Nさんともども映画を観にいくことになり…(一門のツアコン係なんで)で、すっかりはまってしまったのが、玉三郎丈の『京鹿子娘道成寺』。
映画は、玉三郎丈が若手4人(勘九郎・七之助・梅枝・児太郎)をひっぱっての『京鹿子五人娘道成寺』なんですけども。舞台映像としても記録価値あるものですが、それぞれが踊るパートの合間にインタビューが挿入されて、とっても見応えのあるドキュメンタリー映画になっていました。正直、この演目が歌舞伎座でかかった時は「五人ってどおよ?」なんて不遜にも思って食指が働きませんでしたが、こんなに華やかで面白い舞台だったなら見に行けば良かったなーなんて今さら思ってしまった。
前週末にNHK「にっぽんの芸能」で玉三郎の女形を解説していくシリーズが始まり、タイアップしたように『京鹿子娘道成寺』を取り上げていたので、ちょっと予習していたこともあり、この曲がいかに奥深く面白い作品か、また難しさもわかり興味は満タン。その玉三郎の深い解釈のもとに、花子が一人にも五人にも見える演出ができたんだなと、映画の途中でなんども「うーん」って唸ってしまいましたよ。
また、玉三郎がご自身の芸を伝えていく最良の方法として「同じ舞台に立つこと」を選んだことの良い意味での合理性。どんなときでも頭が涼しい方だなと感じます。そして、それぞれの経験する質や掴み方は違うのかもしれないけれど、共演した若手全員が千秋楽が来るのを惜しんでいた濃密な時間が、フィルムに映し出されていました。
映画では、役者がいったん引っ込んで、舞台裏で汗を拭いてもらったりして拵えを変えている珍しい様子が収められていましたが、このとき表舞台では、地方の皆さんが「娘道成寺の合方」(チンチリレンと呼ばれます)という早弾きの演奏で間を持たせます。お三味線好きとしては、ここが聞き逃せないところなのです。特に玉三郎丈の踊りには杵屋勝国師匠が立て三味線の楽団がほぼ必ず付きますので、楽しみ2倍ですね。
ン年前にお稽古つけていただいたのでしたが、なにしろ久々だったので、いろいろ手が動かず…日頃の練習不足は実感しつつ、それでも昨日練習しておいて良かった。(汗)
お稽古初日から、「チンチリレン」の鬼稽古でしたー(@Д@;
今年もがんばるぞー。
ちなみに…
同時上映『二人椀久』は解説なしの舞台映像。
三味線だけでも演奏される名曲ですが、玉三郎丈の踊りになると「お茶の口切り」からのところ別の世界の扉を開けてもらうようでゾクゾクしました。そしてこちらの演奏ももちろん杵勝楽団です!
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