平成22年度 松竹大歌舞伎 秋季公演
一、浦島(うらしま)
浦 島 坂東 巳之助
二、泥棒と若殿(どろぼうわかとの)
松平 成信 坂東 三津五郎
梶田重右衛門 坂東 秀 調
鮫島 平馬 坂東 亀 寿
宝久左衛門 坂東 亀三郎
伝九郎 尾上 松 緑
三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 坂東 三津五郎
太郎冠者 坂東 亀三郎
侍女千枝 坂東 亀 寿
侍女小枝 坂東 巳之助
奥方玉の井 尾上 松 緑
でも、月曜日の夜の部開始が5時30分はきついです。
働いている人は来れない時間だし、来れる人は昼の部でいいのものね。
(虫六は月曜がちょうど休みでラッキーでしたが)
巡業スケジュールの都合もあるのでしょうが、観客が入らない時間設定はいかがなものか?と思います。私のまわりのお客さんもそんな話をしてましたし、遅れてきた人も少なからずいたようでした。
ま、それはそれとし。
S市の公演が初日でしたので、ちょっと危なげなところとかいろいろありましたが、最後の「身替座禅」ですべてさっ引きました。
なぜなら、長唄の立てが「杵屋東成(元・禄蔵)」さんだったからです。うれし〜。
いやいや艶度200%といいますか、この唄を聴きに来たと思えば再三がとれたというものでしょう。地方公演で聞けるとは思わなんだ。ちょっとテンションがあがりました。三味線の立ては杵屋巳吉さん。六枚六挺でした。
「身替座禅」は狂言から材をとった松葉目ものですが、前半の、山陰右京が恐妻の玉の井をうまく誤魔化して浮気相手(花子)の元に出かける段は常磐津の伴奏ですが、自分に変わって座禅をさせておいた太郎冠者が見つかって玉の井と入れ替わっているともしらず、気持ち良く酔っ払って帰って来る段は、松葉目の幕が上がって、長唄の楽隊がずらっと並んで出るところがしびれる格好良さ。そして、酔態の体で現れる右京にのせる長唄がまた色っぽいのです。
三津五郎丈はちょっと軽薄なプレイボーイという役はニンですね。ピッタリでした。松禄丈の玉の井は、怖いと言うより可愛いという感じ。醜女で妙なドスが利くというところの迫力はいまいちでしたが、自分の旦那様が大好きという一途さは伝わってきました。亀三郎丈の太郎冠者も良かったです。
「浦島」では、扇がつっかえたりしてハラハラした巳之助丈でしたが、「身替座禅」の小枝はとてもいい踊りでした。公演も終盤の方ではだいぶ成長するんでしょうね。
そんな役者さんの成長を見せていただくのも楽しみですので、また来て欲しいと思います。
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