2011年1月15日土曜日

眼福じゃー、「わが心の歌舞伎座」

某C試験のお役目を逃れて思いがけずお休みがいただけまして、歌舞伎座さよなら公演記念ドキュメンタリー作品「わが心の歌舞伎座」を公開初日に見に行くことができました。

松竹系のシネコンですが、上映があったのはいつもシネマ歌舞伎をやる小さめのシアターです。

このディスプレイも歌舞伎座閉場の頃から置いてありましたので、1年近くになりますかね。

歌舞伎座。
先日建物がすっかり無くなってしまっていたことを思いだして、初っぱなから懐かしさで月参(…というほどでもないですが、全然)したあの頃がフラッシュバック。去年の今頃、虫六真っ黒でした (;´Д`A ```

で、映画ですが…、私この映画のDVDがもし出されたらマジ買います。愛蔵版として欲しい!でも、ヘンなおまけ付けて10000円とか言われたらやだなぁ。写真集もすでに買ってますから!

DVDにならないかもしれませんので、歌舞伎座に少なからず愛着があった方々、お見逃し無く!!S市のMOVIXなど今日から公開ですが、2週目は未定ですよ!未定!イタタ…(ノ∀`)


撮影されたのは、さよなら公演に先駆けて行われた「歌舞伎座さよなら公演古式顔寄せ手打ち式」(2009年1月2日)から、「歌舞伎座閉場式」(2010年4月30日)までの16ヶ月間。
終焉に向かう劇場の時間を軸に、花形役者11人が歌舞伎座に寄せる万感の思いを語り、特に思い入れの深い自らの舞台の映像がオーバーラップ、歌舞伎公演にかかわる200人の裏方さんの日常にもカメラのファインダーは向けられ、客席からは見えなかった歌舞伎座の姿が浮かび上がって見えます。貴重な資料映像やエピソードも、良かった。
役者さんのコメントは台本を読むわけじゃなくそれぞれの心持ちが素直に伝わってきて、想像以上に胸を打たれました。本当に、この場所で人生を過ごして、俳優としても人としても成長してきた人たちなのだ、歌舞伎役者という方々は。
こればかりは、若手はとりあえず出る幕無くてもしょうがないかな。

役者さんの好き嫌いとか、運良く自分が観ることの出来た舞台だったとか関係なく、本当にお一人お一人のコメントにそれぞれ胸が打たれるものがあったのです。また、役に込める思いはそのまま、舞台の見どころでもありますね。
様々な進取の取り組みや異ジャンルの仕事を積み重ねたとしても、最後は歌舞伎座の舞台が役者として真価が問われる舞台なのだということが、じんわり感じられました。

【この辺からネタばれ有りです】

強く印象に残ったエピソードは、
中村勘三郎丈がやんちゃ坊主で劇場を遊び場にしていた頃、劇場の受付をしながら遊んでくれた女性に会いたくて、もう歩けないほどご高齢なのに、歌舞伎座が閉場するからと拉致同然に連れてきて最後の舞台を見せたそう。その1ヶ月後、その方は永眠なさったとか…ジンとしました。それから、「仮名手本忠臣蔵 四段目」で塩冶判官が切腹する場面で舞台の袖や襖の裏の客席からは全く見えないところで、家臣役の大勢の役者さんが平伏して藩主の最後を堪える演技をしていたことにはびっくり、ただ感動!!

また、中村梅玉丈が、大成駒屋・歌右衛門の納骨の日に、最後に歌舞伎座とお別れさせようと立ち寄ったら、劇場が「京鹿子娘道成寺」の桜の舞台をしつらえて迎えたエピソードはいい話でした。

仁左衛門丈は、「本当はこれいけないんですけどね」と照れながら自分の楽屋の柱に、孫の千之介君の背の丈を刻んでいたことをカミングアウト(笑)。こんなに早く取り壊すとは思っていなかったので、大きくなる前に柱も取り払われてしまいますと、苦笑していました。映像は「道明寺」の菅丞相と「女殺油地獄」の与兵衛。映像で観ても垂涎ですね。(遠い目)

中村富十郎丈も出てました。歌舞伎座ロビーでの総稽古というのが面白かった。天王寺屋さんのお元気な姿をまた拝見できて眼福でした。閉場式のあとに親子で手をつないで帰る後ろ姿が目に焼き付きました。

役者さんだけではありません。様々な業種の人が、玄人の技でご自分の仕事を全うされて、月に25日間のお芝居を支えていました。何事もなく舞台が進行して当たり前の厳しい仕事ばかりですが、どの技術一つ欠けても歌舞伎は成り立たないだろうと思いました。

映画の作りで一つ気になったのはBGMです。ドキュメンタリーなのにドラマチックな音楽が過剰に被ってしまう編集はどうですか…?かつ、舞台の場面はせっかく長唄などの舞台音楽が鳴っているのに、そのBGMの方が大きめボリュームで乗せられていて、げんなりでした。
勝国社中とか演奏しているのに、なんで???田中傳左右衛門師匠あたりに音楽をまかせたら良かったんでないですかね?


というわけで、プログラムも例により1200円とお高めですが、きれいな作りなので、買いといたしましょう。


ついでに、1〜2月は平日のサービスデーを利用出来なさそうな予感なので、「あしたのジョー」の前売り券を購入したら、豪華なポストカードがおまけに付いてきました。
おおぉー。
(しかし、なんで私は「あしたのジョー」を見る気満々なんでしょうね?)

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