約2年ぶりでS市に歌舞伎がやってきました!
正確には、名取市と多賀城市には仁左衛門一座のチャリティー公演があったんですが、S市には来なかったので、ほんと2年ぶり…。
○平成24年度(社)全国公立文化施設協会主催 東コース
松竹大歌舞伎
7月19日夜の部 東京エレクトロンホール宮城
「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」
『鳥居前』
佐藤忠信実は源九郎狐 尾上 松 禄 (※交互出演で昼の部は菊之助)
静御前 尾上 右 近(*7/15まで 梅枝)
源義経 中村 梅 枝(*7/15まで 右近)
亀井六郎 中村 萬太郎(*7/15まで
笹目の忠太 坂東 亀 寿(*7/15まで 萬太郎)
駿河次郎 坂東 亀三郎
武蔵坊弁慶 河原崎 権十郎
『道行初音旅』
佐藤忠信実は源九郎狐 尾上 菊五郎
逸見藤太 市川 團 蔵
静御前 中村 時 蔵
『川連法眼館』
佐藤忠信実は源九郎狐 尾上 菊之助(※交互出演で昼の部は尾上 松緑)
静御前 尾上 右 近(*7/15まで梅枝)
源義経 中村 梅 枝(*7/15まで 右近)
亀井六郎 中村 萬太郎(*7/15亀寿
笹目の忠太 坂東 亀 寿(*7/15まで 萬太郎)
*全体で交互(交代)出演という形態を取っているようで、今日の夜の部は、各段ごとに『鳥居前』狐忠信_松禄・静御前_右近、『道行初音旅』狐忠信_菊五郎・静御前_時蔵、『川連法眼館』狐忠信_菊之助・静御前_右近、というキャスティングでした。
菊之助の狐忠信が見たいと思っていたので、この回にあたって嬉しい。
今年は金比羅からはじまって「四ノ切」づいてます。
先日見た新猿之助の襲名公演と比べてしまっては気の毒ですが、スピード感というか身体の切れやジャンプ力は猿之助の方が1.1倍くらい身体能力が高いという印象でしたけれど、まろやかさや狐という変化ものの怪しい色気のオーラは十分で、これが菊五郎系の狐忠信なんだなと思いました。
カコトラさん(←突然固有名詞かい)のいうところの「地方の公共施設をまわるパッケージ」での公演という条件の割には、十分に楽しめたので、やっぱり芝居は役者だな…という結論で落ち着きました。
菊之助は狐忠信も良かったんですが、虫六的に感心したのは本物の佐藤忠信の役が良かったこと。品があって舞台がとてもしまって見えたし、口跡がスッキリしていて大ホールでもセリフが聞きやすかった。上手い役者だなと思いました。
『鳥居前』は松禄の狐でしたが、荒事っぽい作りの舞台で、振りは面白いのですが、ちょっとロボットのようにも見えました。昼の部の「四ノ切」ではどうだったのかな?気になるところです。
で、菊五郎丈の登場は『道行初音旅』。別称「吉野山」とよばれる所作ものです。
たっぷり!!
子狐っていうより、ときどき、狸か…( ̄◆ ̄;)…と思うような老獪さも垣間見える絶妙な踊りでした。たぶん、化粧や衣装を着けなくても菊五郎が踊れば狐になるんだろうな…と思いました。ずんぐりみえるんだけど、足下の所作がすごく軽やかで、重力を感じさせない。これはまいりました。時蔵の静も綺麗でした。最近よくみます、引っ張りだこですね。
華やかな吉野桜の舞台装置に、延寿大夫の清元!
りっぱな一座でした。
エレクトロンホール宮城は大きいホールなんですが、虫六的には特等席は2階の最前列と決まっておりまして、同じような人がいるもので、今日はお隣さんと話をする機会がありました。お隣さんは舞台好きで平成中村座にもいったという妙齢のご婦人、その隣は歌舞伎歴30年以上という男性で、それぞれ連れなしで歌舞伎を見に来ていらっしゃいまして、‘お互いに’、「S市で歌舞伎を見に来て、詳しい話ができる人にあったことなかったけど…」と。猿之助の6月昼の襲名をみに行った話をしたら、6月取れなかった(…やっぱり)ので6月の夜と7月の夜の部を見たそうです。前の歌舞伎座は幕見があったので、前売りがなくてもぷらっと見にいけたけど、新橋はそれがないのでチケットをとるのが大変だと行ってました。やっぱり上級者は上階で何度もみるんですね…。
きっとまたお会いするでしょう。その時はまたお世話になります。
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