2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1202ページ
ナイス数:47ナイス
大奥 10 (ジェッツコミックス)の感想
男女が逆転してとても面白くなった大奥世界ですが、ここにきて、男女の恋愛劇ではなく、その世界逆転の原因となった「赤面疱瘡」の治療解明に挑む社会劇に。何やら、病気が退治されて世界が戻りそうな気配だけど、それを命がけで、秘された大奥の中で解明した青沼が、政治の道具になって処刑されるのは、物語といえ辛いなぁ。それと、源内さんの死因がそれとはやりきれないです。
読了日:11月22日 著者:よしながふみ
私が語りはじめた彼は (新潮文庫)の感想
この作品はデビューから4作品目らしいのですが、なんか凄い完成度です。メジャーになってからのちょっとライトなテイストはあまり感じられないけれど、人の、自分ではコントロールしきれない業のようなものを描きたかったのかな。女を寄せ付けずにいられない浮気性の歴史学者に翻弄される周辺の人々の内省的な葛藤と狂ってしまった人生…。怖い状況に置かれた人ばかりで、笑えるエピソードはなかったけど、三浦しおんってこういう作家だったのかと認識を新たにしました。
読了日:11月17日 著者:三浦しをん
Sunny 4 (IKKI COMIX)の感想
絵師・松本大洋にノックアウト。表紙から中表紙のカラーの絵がうますぎてまいりました。今回も親(大人)の弱さ・未熟さと子どもの必死のけなげさが胸に突き刺さります。子どもを園に預けて、男ができると化粧が濃くなる母親とか、所持金30円でヒッチハイクでふらっと現れる春男の父親はピンクのズボンはいてる自由人。母親再婚で「家の子」になるはずだったきいちゃんの新しいお父ちゃんはデバガメで園に帰って来ちゃったし。傷ついて、また強くなるんだな、子供たち。情けないけど、あの親たちを笑えないっていうか、なんていうか…。
読了日:11月14日 著者:松本大洋
ちいさこべ (新潮文庫)の感想
まんがの続きが気になるという不埒な心得で読んでしまいましたが、原作を逸脱しないで面白く現代に移し替えているなと感心しました。やっぱり原作はぐっとくる話で読んでしまってもったいなかったかと少し後悔。あの鳥瞰構図のかわった表紙もこの文庫のカバー装画(横田美砂緒)のトリビュートだったのね。収録作で「ちくしょう谷」が異色で面白し。およそ人間らしい理性生活を取り上げられた流人村で村民の解放を目指し、一方で兄を奸計にはめ不名誉な死に追いやった男を赦そうとする主人公。難しいテーマですがそうとう意欲作だと感じました。
読了日:11月6日 著者:山本周五郎
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