2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:588ページ
ナイス数:11ナイス
森元暢之作品集(Ⅰ)「ぴあ」の時代Ⅰ (森元暢之作品集)の感想
ふちがみとふなとの「だってチューだもん」を聞いていたら、無性に森元さんの作品が知りたくなってポチってしまいました。「ぴあ」の時代というけれど、なるほど知らないわけです関西版でした。ま、仙台で学生やってたのので東京版でもほとんど買ってませんでしたが。でも、ガロ全盛の頃の不条理でナンセンスなあの感じが蘇ってきて面白く読みました。そしてこの作品についてはコマの半分は手書きのネームで絵は漫画というよりカットみたいにどんどん省略されてってるところがオカシかった。まだ「だってチューだもん」には出会っていません。
読了日:12月29日 著者:森元暢之
義太夫を聴こうの感想
義太夫は「音曲」なので、目で見て覚えるものでなく耳で聞いて覚えるもの、意味を理解する前に音を身体に入れてしまうのが橋本流。物語でなくあえて紹介された3つの「道行」は、有名な義太夫狂言の中に挿入されるものだけど、時間と空間をワープする場面で美しい景観を見せながらナンセンスな言葉遊びなんかも絡ませつつ1曲として成立させているところが日本文化は懐が深い。よく知られた前後の文脈があるからこういうブレイクが作り出せるんでしょうね。イメージがコラージュされてPVのよう。娘義太夫、チャンスがあれば聴きにいきたいなぁ。
読了日:12月27日 著者:橋本治
「家栽の人」から君への遺言 佐世保高一同級生殺害事件と少年法の感想
ウクレレを持って少年院を訪問しながら少年たちと向き合い、また、100人もの非行少年を雇い入れ更正を見守るガソリンスタンドの社長さんや、ドロップアウトした少年たちに進学のチャンスを与える塾経営者などのインタビューも目を開かれたが、著書は途中から急転する。執筆の途中で著者が末期癌を宣告されたのだ。そこに発生した佐世保の同級生殺人事件。過去を内側から見つめ直しながら、少女に向けて命を削りとるように紡がれる言葉は、重く心に訴える。柔らかくて強い、こんな人もいるんですね。ご冥福をお祈りします。
読了日:12月20日 著者:毛利甚八
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