2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:616ページ
ナイス数:11ナイス
わたしの渡世日記〈上〉 (新潮文庫)の感想
高峰秀子さんの文章は本当に読みやすい。5才から子役スターとして家族を食べさせるために映画界で活躍、ロクに小学校にもいけず青年期は学歴コンプレックスで葛藤があったという。文章の上手下手は学歴カンケーないな。学校で身につける以上に鋭い観察眼と深い洞察力を持つ方だったのだろう。だからこそ小さい頃から自分が置かれた状況の中で冷静に大人の世界を捉えることができたのだろう。さらに驚くべきはその記憶力。そして愛される人というのはどこまでも人を虜にするんだなと、本人は何気なく描くエピソードに目を丸くした。上巻は終戦まで。
読了日:2月27日 著者:高峰秀子
知られざる芸能史 娘義太夫―スキャンダルと文化のあいだ (中公新書)の感想
かの国鉄・十河総裁も若いころ娘義太夫に嵌ってたと別の本で読んだが、江戸時代には禁令が出され、明治には青年達に追っかけ連を組織させるほど大流行した芸能なのに、いまや歌舞伎・文楽のように見る機会がないのはもったいない。著者は娘義太夫の歴史を丁寧に紐解きながら、何がこの芸能を衰退に追いやっていったのかも検証しており興味深い。一世を風靡した呂昇の芸風が「歌い型」とされて上級なものとされず継承者がないとか、女性が担う芸能の立ち位置や難しさが伝わってきていろいろ勉強になった。とりあえず現役“女義”の芸を観たい。
読了日:2月7日 著者:水野悠子
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