公文協の巡業歌舞伎、仙台公演がやってきました。
今回は姉弟子Nさんとご一緒して、2階席の最前列で拝見します。
平成28年度(公社)全国公立文化施設協会主催 東コース
松竹大歌舞伎
平成28年6月30日(木)~7月31日(日)
『ご挨拶』 市川染五郎
『晒三番叟』 中村壱太郎
『秀山十種の内 松浦の太鼓』
松浦鎮信 市川染五郎
大高源吾 中村歌昇
宝井其角 嵐橘三郎
源吾妹お縫 市川高麗蔵
『粟餅』 市川染五郎
中村壱太郎
しかし、夜の部の開始17:00って早いよね?そのせいか、ちらほら空いた席が気になります。最前列に空きがあるって、招待席じゃないの?無駄にしてんのどこの偉い人ですかー。ぷんぷん。
今日の構成は、舞踊(長唄)+お芝居+舞踊(常磐津)という地方公演にしては贅沢な組み合わせで、かつ、省略のないたっぷり所帯の一座です。染五郎丈、公文協の座長ははじめてなんだとか。それも意外な感じですな。染五郎(松本流)も壱太郎(吾妻流)も舞踊の大きな流派の家元なので、このたっぷりは見応えありますね。
『ご挨拶』は、座頭の染高麗がスーツ姿でご当地トーク。今日は『松浦の太鼓』に因んでか、話の中に5・7・5が折り込まれておりました。でもね、よく聞いてみると、要は「牛タンは食べたけど、フカヒレが食べたかった」ってことのようでした ( ̄◆ ̄;)
地方公演の楽しみといれば、やっぱりご当地の美味しいもの食べるくらいですもんね。
ちなみに本公演は出ずっぱりの昼・夜なので、染五郎丈も壱太郎丈も楽屋入りしたら終わるまで外には出られなかったりするらしい。壱太郎丈はお昼もコンビニの唐揚げ弁当だって…役者は大変じゃのう。
『晒三番叟』は「三番叟もの」でも珍しい女形が踊る演目。世界は源平合戦の頃で、盗まれた源氏の白旗と「布晒し」(新体操のリボンみたいに長い布をひらひらさせて踊る)を組み合わせたちょっと変わった志向の舞踊です。壱太郎丈、吾妻徳穂さんに似ていますね、やっぱり。
『松浦の太鼓』は、忠臣蔵のスピンオフ作品。吉良邸の隣に住む松浦公が、赤穂の浪人たちがなかなか討ち入りをしないのでイライラしていて、腰元の赤穂浪士・大高源吾の妹にも八つ当たり。松浦公は俳諧が趣味で、師匠の宝井其角が煤竹売りに身をやつした源吾が読んだ句を伝えると、謎解きのようにブツブツ考えて討ち入りがあることを悟る…という筋書き。染五郎丈、初役での演目。初代吉右衛門の当たり役とのことで、播磨屋さんに教えてもらっての挑戦とのこと。無邪気で、いかにもお殿様らしい鷹揚さ、そしてくどくない茶目っ気が、憎めない感じの松浦公でした。そして、今回の配役は実はオール初役だったそうで、歌昇丈がやった大高源吾役は、かつては染五郎丈が勤めていた役とのこと。こうして、歌舞伎の芸は役者から役者へ伝承されていくので、そういうことも楽しんでくださいと、座長は解説しておりました。
『粟餅』は、踊り達者な二人の舞台。身体のサイズやバランスもちょうど似合っていて、現代的な感じでした。いなせな江戸の風が吹いてくるようでありました。…眼福。
染高麗の舞台は見終わったあとの満足感が非常に高いのですが、会場が満杯になっていないのが不思議です。もったいないですよー。
で、翌日は休みだったのでMOVIXへ上映中のシネマ歌舞伎「阿弖流為」を見にいきました。(染高麗漬けの週末ですな…ほほ)
しえ〜、蘇る蘇るぅ、あの時の感動がフラッシュバック!シネマ歌舞伎、ありがたいですー。
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