2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:705ページ
ナイス数:39ナイス
日本の10大庭園 (祥伝社新書 336)の感想
枯山水や大名庭園を見る機会に、何やら深い意味めいたものがあるんだろうとは感じることはあり、それが分かればもっと面白いのだろうな…と思っても、なかなかそれを新書1冊くらいでまとめた本なんかないだろうと思っていたら、この本がそうでした。日本庭園の「基本のキ」みたいなところから、水の使い方、石組の意味、植生…といった庭要素の勘所を、誰もがよく知る(つまり修学旅行で行くような)有名庭園を教科書に解読。日本庭園って作庭当時のオーナーの理想郷ミニチュアテーマパークみたい。勉強になったしこの10庭園はあらためて見たい。
読了日:6月29日 著者:重森千靑
昨夜のカレー、明日のパンの感想
木皿泉のドラマはよく見てましたが、初めての小説でKindle版で読了。ひとりひとり登場する人物がそれぞれ人間くさい魅力に溢れ、ややしんどい日常を柔らかく過ごしてる。25才で病死した一樹は、テツコにとってはかけがいのない夫で、ギフにとっては最愛の一人息子。大きな喪失がある家庭で、義理の親子が7年の間に築いた居心地の良さ。そして、すこしづつ一樹の死を受け入れて、岩井の居場所を作って(お茶碗を買って)あげるくだりが、岩井が遠慮していちいち持ち帰るところがなんだか微笑ましかった。
読了日:6月23日 著者:木皿泉
ACCA13区監察課(5) (ビッグガンガンコミックススーパー)の感想
ついに物語の背景が姿を見せました。加速してきた!面白い!はやく次が読みたい!アーベントって…、髪の長さが時を感じます。とりあえず、あの2人の関係が知りたいです。
読了日:6月5日 著者:オノ・ナツメ
読書メーター
<5月分おまけ> *うっかりして先々月分まとめ忘れ…
名妓の夜咄 (文春文庫)の感想
小学校出てすぐに新橋の芸者屋で丸抱として仕込まれ雛妓(おしゃく)のお披露目をした最後の「ほんとうの芸者」・鯉喜代こと渡辺喜代さんの貴重な聞き書。伝統芸能の質の維持と繁栄の基盤を支えていたのは芸者衆だったと納得。大物を手玉にとって演舞場をこしらえ、「東おどり」の公演を成功させてきた菊村さんは古曲復活にも大きな役割を果たした大人物。6代目菊五郎が門下の尾上菊之丞と西川鯉三郎を指名して新橋見番の公認師匠とし芸者衆の教育環境が整ったとか、新橋芸者として看板借りしていたブレイク前の武原はんのこととか、興味尽きず。
読了日:5月 30 日 著者:岩下尚史
死者の書(下) (ビームコミックス)の感想
一気読み、下巻。東大寺の四天王立像や、当麻寺曼荼羅への見方は確実に変わった気がする。とりあえず原作も読まなくちゃだが、近藤先生の他の古代・中世ものに興味大。
読了日:5月 5 日 著者:近藤ようこ
死者の書(上) (ビームコミックス)の感想
店頭で下巻を発見して「上巻は?」と聞いたら在庫なく注文入荷もあやしかったので、Amazonでポチって入手。上巻届くのを1日待って通しで一気読み。原作をしっかり読んでいないので大きいことは言えませんが、近藤先生が折口の描いた古代の世界感を大切に丁寧に紡ぎ出そうとしていることは伝わってくる。神々しい常乙女として育てられた姫が智慧を求めて仏の姿を見いだしていく光の世界と、謀反の罪で斬首された大津皇子の闇底から届く言霊とが混じり合う。そして、教科書的な史実もこう絡むのか…と、ファンタジーとも違う濃い味わい。
読了日:5月 5 日 著者:近藤ようこ
大奥 13 (ジェッツコミックス)の感想
書店で新刊を見つけて、Amazonに予約してるの忘れててレジに持って行ってしまいました。待てませんから。家慶の変態ぶりが治済DNAを感じさせて恐ろしい。その虐待を受け入れながら自分であろうとする家定には阿部正弘や瀧山でなくとも感情移入してしまう。男子が政権をとってまだ日が浅いっていうのにもう女子が蔑視されているのもなんだかな…だけど、そんななか大局から人の情の機微まで目を行き届かせ、鮮やかに仕事を片付けていく阿部伊勢守の頭の涼しさがカッコいい。そして再興された男子大奥に蘇るように現れた篤姫のその面差しは…
読了日:5月 3日 著者:よしながふみ
0 件のコメント:
コメントを投稿