3月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:910ナイス数:34
パルプ (ちくま文庫)の感想
帯に惹かれてうっかり手にとっちまったばっかりに、ツキのねえくそったれ中年探偵のひでえ話につきあうことになっちまった。目も眩むぴちぴちドレスのイカしたご婦人の依頼人やら、人を遠隔操作する美人系宇宙人…スッチャカメッチャカな登場人物で調査は入り乱れて尻尾もケツも押さえられず失敗つづき。でも、めげない主人公のタフさがすげえ。(悪態言葉もいざ使ってみようと思うと難しいものですね…)読了日:03月17日 著者:チャールズ ブコウスキー
夢十夜の感想
岩波書店の漫画、ハードカバーです。作者はまず原作を読んでから漫画と比べて欲しいそうです。先に漫画読んでしまいましたが。なんとなーく漱石先生に似た登場人物が小説というより本当に作家の夢日記だったのかと思わせます。一つ一つはつながってもいないオムニバスで、1話の中にも脈絡があるような無いような…はまさに夢なのですが、近藤先生の手に掛かると、これが中世の説話のようにも感じられ(実際は明治)、また夢で闇に落とし込まれる時のような湿気や重みのリアルさがあり妙味を感じました。寝る前に読んでいたら変な夢をみました読了日:03月16日 著者:近藤ようこ
大奥 14 (ヤングアニマルコミックス)の感想
篤姫(胤篤)の人徳が出会う全ての人を磁石のように惹きつける。人の上に立つ人って、つまりこういう人でないとうまくいかないんだな…と現代社会にも被ります。それにしても、阿部正弘の無念が悔しいなぁ。正史に重ねて描いているところが、またニクいわけで。読了日:03月12日 著者:よしながふみ
戸川純全歌詞解説集――疾風怒濤ときどき晴れ (ele-king books)の感想
歌姫復活。CD「わたしが鳴こうホトトギス」のカッコ良さに衝撃を受けて、思わず昔の音源を引っ張り出したら、LPで、戸川純が自分のアイドルだった青春時代が超高速で蘇ってきた。そしてこの全歌詞解説集。ミュージシャンとしてのテクニックや表現の深さは当時も感じていたけれど、詩作の後日談はひりひりしたその人生譚が重なる。詩は心を裸にするもの、しかし歌詞は曲との関係で完成するものだという。ソロアルバムやヤプーズ時代の作品だけど古めいていない。諦念ではなく「オープン・ダ・ドー」へ。長生きしてずっと歌っていてほしい。読了日:03月10日 著者:戸川純
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