お年玉をいただくような歳でも、特にえらいことをした分けでもないのですが、クリスマスの頃に自分のために贅沢な買い物をしました。でも、クリスマスには届かず、お年玉となりました。
『十五代目 片岡仁左衛門』という、当代の仁左衛門丈の写真集です。
お値段はズバリ25000円ですが、それに見合う満足度です。撮影は、玉三郎丈や中村屋の写真集も手がけている篠山紀信さんです。それらの写真集もいい出来な事に間違いはないのですが…しかし、この写真集はなにか違う感じです。仁左衛門丈が演じる役者の胆というようなものがありありと伝わる表情を捉えていて、拝見した舞台はその場面がくっきりと思い出され、見ていない舞台も臨場感を持って迫ってきます。そして、「片岡仁左衛門」という役者と同時代を生き、その舞台を共有することができた我が身の幸運を改めて感じた次第です。
なにしろ、この表紙の『女殺油地獄』の与兵衛役ですが、これ去年の6月の歌舞伎座の公演でしたが、このポスターをweb上で見て、居ても立ってもいられなくなり、むりやり月曜日帰りで出かけてしまったのは不肖虫六でした、そのくらい、威力のある写真だったんですよ。(伺ったのは大正解の素晴らしい舞台でした!)
というわけで、こんなオーラ満点の写真がずらりで、虫六的にはお宝本を得た気分です。
別冊で「芸談」として、仁左衛門丈の役どころに関する思い入れのあるテキスト本が付いてきます。この聞き手が関容子さんというのも、いい人選だと思います。自分のご意見で誌面の1/3も埋めてしまう自己主張が勝ってしまうインタビュアーが幅をきかせる昨今、関さんの聞き書きは、芸に対する理解が深く、本当に聞きたいところを引き出してくれ出色です。
とりあえず、「写真」で満腹して「芸談」はこれからゆっくり楽しみながら読むんですけど、楽しみ、楽しみ…。これで、“歌舞伎を見に行きたい病”が発病するのは必至といえましょう。…まだ、今年ははじまったばかりというのに(*´Д`*)
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