暑いですね、東京。
我ながら……。
とはいうものの、正直なところ「義民傳」と聞いて、初めはそれほど興味はわきませんでした。百姓一揆とか公方さまに直訴とか、重いテーマなのかな…と。しかも「今度のコクーンはラップ」という前評判も聞いたりして、それでなくとも、なるべく邦楽でやって欲しいと願ってやまない虫六としては、どおよ????という思いもあったりしたのですが、かぶりつきで観ていたせいもあり、初っぱなからラップでスッコーンと持ってかれました。「なにーっ!カッコイイべした!」と、思わず忘れていたお国なまりが心に響き渡ってしまったのでした。
ははぁ〜、まいりましたぁ〜。
ラップ。竹本みたいにカッコイイじゃないですか。しかも、百姓姿に妙にマッチしてました。ラップ場面の群衆の方々はほとんどが役者さんのようでしたが、両脇のお二人は特にクールでソロってましたので、その筋で知られたラッパーなのかな?と思ったら、mcikku(駒木根隆介)(←巨漢の方のほう)とおっしゃる、やっぱり売れてる方のようでした。役者もなさっている方のようですが、ミュージシャンのクールさは違いますもんね。
もちろん中村座の皆さんのお芝居はいいに決まってますが、今回は子役が上手くて美味しいところを持って行きました。達者すぎて面食らうくらい。交代出演のようですが、この日の子役さんは上手でした。処刑の場面では、毎日、毎日、こんなお芝居してて、この子等の心のケアは大丈夫なのか〜?と思ってしまうくらいな熱演でありました。
大団円も出演者全員でラップでしたが、身震いしましたね。役者をのせてゴロゴロ移動する台車舞台とか見慣れた串田演出も含め、コクーン歌舞伎らしい、客席との一体感もあり、音楽の効果もあっていいお芝居だったと思います。勝手な感想ですけど、なぜか小劇場時代のお芝居を思い出させる演出だと思いました。そして歌舞伎とかなんとか関係なく、演劇が本来潜在させている「やばいエネルギー」を垣間見た気がしました。
でも、最後に子供たちが手を繋いで一等最初に舞台に飛び出してきたとき、このお芝居のシンプルなメッセージを受け取ったと思いました。子供たちの明日のために、今をあきらめてはいけないと。
日帰りしてでも来た甲斐はあったというものですね。
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