2010年7月19日月曜日

借りぐらしのアリエッティと種田陽平展

東京都現代美術館で「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」が開催されているというので、まだ映画はみていないものの、行ってきました。

大江戸線で清澄白河駅までたどり着いたものの、歩き疲れてトーンダウンしていたので、思わずタクシーを拾ってしまいました。あまり時間もなかったので、歩く時間を鑑賞に回したということで。さすがにクタクタの虫六子。

はじまったばかりでしたが、なんと待ち時間なし!ラッキー。
展示室内は撮影禁止なので、お写真はここまで。

ジブリのプロデューサー・鈴木敏夫のメッセージによると、
「この夏、ジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」でも、宮崎駿は新人監督への餞(はなむけ)として、ふたつのプレゼントを用意した。ひとつは脚本。もうひとつが美術設定だ。いろいろ描いたが、床下に住む小人の部屋が特に素晴らしかった。いかにも、小人が住み着きそうな部屋だったからだ。それらを元に、種田陽平が実際に作ったらどうなるのかというのが、今回の企画の趣旨だ。」
…ということで、ただの原画展かと思ったら、アニメの美術として描かれた世界を、実写映画の美術監督として国際的な評価を受けている種田氏が、実際に映画セットのように作るというもの。

種田氏は、『スワロウテイル』『不夜城』『キル・ビル Vol.1』『THE 有頂天ホテル 』『フラガール 』『ザ・マジックアワー』『空気人形』『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』…と国内外の映画の美術制作を手がけて、映画賞総なめの、引っ張りだこの美術監督さんのようです。あの映画も、この映画も…そうでしたか〜という方です。

チケットを切ってもらうと、まず3階に通されます。
3階のフロア全体が、アリエッティの世界が疑似体験できるスケールで再現されていて、これは、かなり面白かったです。たぶん子供の身長を基準にしたくらいの寸法なのでしょうか、それとも美術館の部屋の大きさ(高さ)での制約でしょうか、「再現」というには少し小さいかなとは思いましたが…。でも、問題ないですけどね。

とにかく、映画のセットですから…、すみずみまでディテイルが凄いんです。(ディテイルが精巧だということはジブリファンにはツボかもですね)さびたスプーンから、壁紙の古い切手まで…。わくわく。

映画をまだ観ていないのに面白いんだから、見た後だともっと面白かろうとは思いますが、でも、実物の、造り物の面白さですね。アニメと切り離しても実感できる種類のものだと思います。

本物のアーティストは職人の世界にいる、と思いました。

子供たちもかなりコーフンして迷路みたいな展示室をかけづり回っていました。「ディズニーランドみたい!」という声を何回か耳にしましたが、そういうテーマパークの要素もあるのでしょう。

下の階は、種田氏の映画の仕事紹介の展示になっていて、デザイン画や設計図、模型、ポスターなどが並んでいました。
舞台のセットは、撮影が終わったらすぐにバラシてしまうので、作品としてのものは残らないので、セットそのものというはもちろんなくて、それらしい部分を再現しているコーナーもあるにはありましたが、つまり、本当に映画の中に焼き付けるためだけに作るんだという、当たり前のことがよく分かりました。

現場系の方々、ぜひ見に行って下さい。面白いと思います。

クエンティン・タランティーノ監督が「キル・ビル」の打ち合わせで書いた、ラフスケッチとも言えないような覚え書きから、その意を汲み取って、種田氏が精巧な設計図にした比較展示がなんだかグッときました。(個人的に思うところありまして)

そんなわけで、虫六子は出口のジブリショップでつかまってしまったのですが、結局、迷ったあげく無駄遣いすることもなく、帰路に着きました。

半蔵門線の清澄白河駅で、ジブリのポスター展も開催してました。

そして、前売り券を買ってミニ本をもらったと思ったら、展覧会のチケットで第2巻(吉田昇美術ボード集 監修/武重洋二)、展覧会の図録を買ったら第3巻(デザイン集 監修/武重洋二)をいただいてしまい、3冊揃ってしまいました。
更に、4巻、5巻などもあるんでしょうか???
謎ですね。


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