3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1309ページ
ナイス数:34ナイス
ミラクル絵巻で楽しむ小栗判官と照手姫
亀治郎丈の「當世流小栗判官」を観に行って新橋演舞場の売店で見つけて買いました。こんな本が出ていたのか〜と。小栗判官伝説は説経節から古浄瑠璃でも語られて、さらには歌舞伎の演目にもなった説話。その波瀾万丈にして奇想天外な物語を、岩佐又兵衛の工房が絵画化して絵巻物に仕立てたのが絵巻「をぐり」で、いまは宮内庁三の丸尚蔵館にあるそうです。活き活きとした人物の表情や極彩色で大胆な構図、そして場面展開。江戸時代の人はさぞやぶったまげたことでしょう。ルーツ紙芝居がここにもありました。
読了日:03月31日 著者:井原 宏
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ありえない大惨事で突然おとづれた父の死を、自傷の痣を作りながらも受け入れて乗り越えていく、オリバー少年の長〜い回り道。出会った人たちも、影で支えた家族も、深い喪失感のある人ばかり。ニューヨークの9.11、ドレスデン爆撃、そして昨年東北を襲った3.11、同じ重さで迫ってくる。とてつもなく重いテーマだけど、寓話のような夢想のような興のある文体と、凝った装本でページをめくる手が加速しました。ホーキング博士の手紙が良かった。ただ途中で映画を観ちゃいまして、設定が微妙に違っていて少々混乱。読んでから見るべきだった。
読了日:03月30日 著者:ジョナサン・サフラン・フォア
日本人は状況から何をまなぶか
昨年の3月11日以降に書かれた文章を中心に、以前に書かれた転向論や論理論についての評論を加えた自選文集。編集グループSUREの発行ですが、一般書店では手に入りにくいのをたまたま京都旅行中に見つけて買いました。 井上ひさしの作品から引き寄せられて、日本が身を任せた文明の道を退行してみよ、と。震災や原発事故で東北が中央に支配されて白河以北一山一文当たり前的状況が連綿と続いていたことが顕在化したけれど、東北人はその支配に対してもっとしなやかに経済的にも精神的にも自立を謳うべきなのだと、東北人として思った。
読了日:03月26日 著者:鶴見俊輔
ちはやふる(16) (BE LOVE KC)
いよいよ新君が存在感を発揮し出しました。いいぞ!太一、気負うなよ〜。詩暢ちゃんの奇妙ファッションがクセになりそうです。
読了日:03月23日 著者:末次 由紀
Sunny 2 チョロQ Sunny 付き特装限定版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)
小さい身体でうすいうすい心をちくちく傷つけながら、強くなっていく星の子学園の子供たち。逞しくなりたいと思うわけでもないのに、逞しくなってしまう、こどもらの赤いほっぺが愛おしい。足立さんいい人だな…。母親の部屋にあるものたちに、「おまえ等はお母さんといっしょに居られていいな」とつぶやきかける春男。「これからはお母さん、て呼ぶのやめて、名前で呼んで欲しいの。お母さんは春男のお母さんである前に矢野杏子なのよ」と母。分かんないでしょ、子供だもん。チョロQ付きのしか売ってなくて買いましたが、要らなかったかも。
読了日:03月18日 著者:松本 大洋
曾根崎心中
小説とはこういうものか。文楽なら人形が、芝居なら俳優が、小春の憐れさ健気さや徳兵衛の不甲斐なさ悔しさを等身の人物で描き出すけれど、この小説はあくまでも小春の主観で語られる。恋を知った小春の高揚感と、遊郭に身をおく女達のたどってきた憐れな運命。そして心中に至る例の物語。二人が曾根崎の森中で果てようとするその時、作家は小春の心に魚の細い小骨のような疑念を差し挟む。ここがみそ。思わずあぅと唸った。こんな話だったっけ?小春は男の絶命を見ないまま死を選ぶ。観音様は恋を悟りへの架橋として彼岸に渡らせ救ってくれるから。
読了日:03月13日 著者:角田 光代,近松 門左衛門
おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能
原発は「トイレが無いキレイなマンション」みたいなもの。片付けようがないオムツを押入れに抱え込むような原発はクリーンどころか、将来僕らの子孫に有害なお荷物を背負わせるんだね。もんじゅ君のおはなしを読めば、子供でもわかることだ。なんで偉い大人の人は分からないんだろう?
読了日:03月10日 著者:もんじゅ君
2012年3月の読書メーターまとめ詳細
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