2014年2月21日金曜日

あう、気がつけばもう文楽が終わろうとしている…

雪に埋もれて冬眠…もとい、気をゆるして、オリンピックなど尻目に日々を過ごしている間に時日はすぎて、「文楽みました」の報告もしないでいたら、もう公演期間が終わろうとしてました。

あー、それにしても、あのSPで大失敗してしまっての、メダルが見えなくなってしまったからこその、無心になっての、フリー会心の演技…への変身がドラマチックで心が惹きつけられましたね、浅田真央さん。順当にメダル(金でも銅でも)を取っていたら、マスコミの馬鹿騒ぎだけでうんざり(すでにその予定枠で取材テープためていた感じがありあり…)して虫六家的には感慨もなくお終いパターンですが。この結果は、記録に残らずとも記憶に残るものとなりました。
孵化した蝶々みたいだったよ。

それはそれとし、女子シングルフリーの番組やってる最中に、4年前のバンクーバーオリンピックのキム・ヨナのフリー演技をyoutubeで見ながら盛り上がっている、ノー天気な父娘。
娘「キム・ヨナって007が好きなのかな〜」
父「そんなこともないんでない?」
娘「おおー、スピンかっけー」
虫(それ、今か?今見なきゃいけないものか?)

…とはいえ、我が家は全員キム・ヨナ好き。スポーツは全然明るくありませんが、サイボーグみたいなキム・ヨナのクールな存在感が好きですねん。へへへ。


というわけで…脱線、脱線、文楽でした。
どんどん新鮮味がない感想になってしまい、我ながら情けないというか、反省ですが…。
ほんの囓りのご紹介を。



国立劇場 文楽公演
【第一部】
 七福神宝の入舩(しちふくじんたからのいりふね)

 近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)
    四条河原の段
    堀川猿廻しの段   

【第二部】
 染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)
    油店の段
    生玉の段   
    質店の段
    蔵前の段   

【第三部】
 御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)
    弁慶上使の段

 本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
    十種香の段
    奥庭狐火の段

配役はこちらです。

「堀川猿廻しの段」は切が住大夫さんで、地方公演ではしばらくお見かけしませんでしたが、お元気そうで何よりでした。耳さわりのよい人間国宝の語りを聞きながら、ついうとうとという、罰当たりな至福の数分間を過ごしてしまいました(爆)
人形つかいの猿まわし、芸が細かくて可愛い。

「染模様妹背門松」(お染久松です)は「油店の段」、切が咲大夫さん・燕三さん。咲太夫さんのちゃり場がサービス精神旺盛で笑いました。ちょうど9日は東京都の知事選(…だいぶ過去形)だったのですが、定家の色紙が入っているはずの箱を空ける場面で、「大江戸知事選」という書き付けが出て来て、会場笑い…「これは上方は関係おまへんのや…ブツブツ」というアドリブが受けてました。
千歳大夫・清介さんの「質店の段」も聞き応えあり。清介さんのお三味線をたっぷり堪能できて満足じゃ。

そして、何と云っても今回の目的の演目は、夜の部の「本朝廿四孝」でありまして、「十種香の段」は嶋大夫・富助さんの義太夫。
で、八重垣姫は蓑助さん。これが(!)絶品でした。これまで歌舞伎(記録映像含む)や文楽で「本朝廿四孝」というのはけっこう見る機会が多かったとおもいますが、八重垣姫って可愛いんだ、赤姫ってこういう存在感なのだ!ということを実感したのははじめてでした。正直、「八重垣姫は天然お色気・不思議ちゃん系」というイメージだったので。
蓑助さんの八重垣姫をみれたという幸運に感謝。蓑作(実は勝頼)は玉女さんで、濡衣は文雀さんでした。

そして、待ちに待った呂勢大夫・清治さんの「奥庭狐火の段」。これを聞きたいがために来たのよ、私は。しかし、雪で交通事情が不透明のため今晩帰れるかどうかを掛けて、最後まで観ることをきめて、この段がはじまるタイミングで席を離れて会場の出口近くへ移動。一番後ろで立ってじっくり聞きました。圧巻でした。…はぁ。(ため息)
やはりこの名刀での真剣勝負をみるような清治さんのお三味線の緊張感、すごいのです。なんだかんだ言って、やっぱりこの三味線が虫六は好きです。1回でも多く聞いておきたい。来てよかった。

呂勢大夫さん、ちょっと割腹がよくなったみたいでした(笑)。千穐楽まで、頑張ってください。(っていうかもう千穐楽ですから)

この段の八重垣姫の人形遣いは勘十郎さん。同じ役なの?っていうくらい人格が変わってました。人形ってすごいですー、こういうところが。お得意のアクロバチックな演技で、…何しろ狐だからね。でも、それも含めて面白かったです。

私が拝見した頃は公演が始まって日がたっていなかったので、後重鎮のみなさんもお元気で総出演。東京まで来て見た甲斐がありました。

【おまけ】

門前仲町の升本で買ったお弁当。門仲はホテルも良かったし、晩ごはんも美味しかったし、観劇弁当も買えるしで、ナイスな町でした。



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