去年は(虫六子受験のため)自粛して聞きに行けなかったのですが、恒例の杵勝会の年末チャリティー演奏会を姉弟子Nさん、Oさんと聞きに行きました。(つまり、今年は自粛しませんでした…人( ̄ω ̄;))
○杵勝会 第32回歳末チャリティー長唄演奏会
開催日:平成26年12月21日(日)
日時:平成26年12月21日(日) 開演時間 14時30分
場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)
【一般】5,000円/【学生】2,500円 全席自由
プログラムはこれ。
今年は勝幸恵先生と勝良先生の演奏が聴けず、とても残念だったのですが、そんな気持ちもぶっ飛ぶ大当たりの1曲は勝十郎さんの「千代の寿」でした!これ1曲で東京まで来た元を取ったと思える、一期一会の演奏でした。繊細だけどメリハリが利いていて美しい…どうやったらあのような音が。それにしてもどこまで上手いんだ、勝十郎。
また、今年、虫六的に大収穫だったのは、杵勝会の女流の方々の活躍です。やっぱり最大流派だけあって、女流チームにも実力・魅力の備わった演者がいて、層の厚さを実感しました。これまでは勝幸恵先生の演奏に圧倒されるばかりでしたが、要するに粒揃いなんですね。
女流…。開眼しました。
珍しく唄方にも興味をひかれました。とくに「勧進帳」の立てを勤められ(すげえ!)、「傾城」も唄われた勝眞規さんは個人的に大注目です。ご容姿は現代的な背高美人さんで宝塚の男役かと思えるようなハンサム度…、で、お声もいいし上手い!長唄やる人も変わったねー(って、私が言うのも何ですが…)。「傾城」で共演なすった勝あやめさんもお綺麗でした。髪型がややふっくり結わえていらっしゃたので、長唄というより小唄ぽい艶感がありました(オノナツメ「さらい屋五葉」のおたけさん似!)けど、唄は上手いのだ。リードなさった勝一佳さんがまたキリッとしてかっこいい。三味線も静子先生に、勝代さん、くに緒さんが決めてくれました。「女流、かっこいい」と素直に感じてしまったこの演目には、なにやら家元のプレゼンを感じますな(笑)。
お三味線が好きですが、唄もいいですねー。
後半は、杵勝会の屋台骨をなす演奏家がゾクゾク出演。
「蹴鞠」(唄/利光・松永忠次郎、三味線/勝正雄・上 勝十郎)は、勝正雄さんの柔らかい指使いに目が釘付け。上調子との掛け合いが美しいこと。
そして、いちばんの眼目は、もちろん勝国さんの「多摩川」。
唄が勝四郎・巳之助、三味線が勝国・勝松、と二枚二挺のこぢんまりした編成ですが、勝国さんの生音がじっくり聞けるので返ってありがたい。
先日まで自分の課題曲だった「鞍馬山」も大薩摩の名曲なのですが、「多摩川」も大薩摩から始まり、こちらはまただいぶ違った雰囲気です。山間の渓流からこんこんと流れてくる水流が勢いをまして、急流が岩に当たって白い波飛沫をあげたり、ぴちぴちと鮎が跳ね上がったり、留まることなく流れる清流の様子が目に浮かんでくるような、長く雄壮な大薩摩…。(聞き惚れて息をするのを忘れていました。)流れは、ゆったりと大きくなり市井の方におよんで、鵜飼いや晒し女の働く姿をその風景の中に取り込んでいきます。「多摩川」ってこんなにドラマチックで面白い曲だったのだ。
(会場に広がるため息)
今年この演奏を聴けたのは至福でございました。新幹線を使って来た甲斐がありました。
おおとりは、家元率いる大楽団の「英執着獅子」。居並ぶ若手!杵勝会の盤石さに圧倒されました。東成さんの美声も麗しかったです。
っていうか、勝国さんCD出してください!10枚ボックスでも買いますので!
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返信削除地方在住ですと、なかなか長唄の演奏会が東京のどこぞであると言われても聞きにいけませんが(仕事もあるし)、杵勝会の年末チャリティー演奏会は、だいたい時期が決まっていて週末に開催してくださるので、他流派所属の我々でも聞きにいけます。しかもチケットは五千円とお安め。
削除しかも、これだけの演奏家でこれだけの多様な楽曲を1日で聴ける機会というのも滅多にないので、この演奏会だけは標準を定めて上京するようにしているのです。
毎年とても充実した内容で、来た甲斐があった〜と思いながら帰郷しております。
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