千駄ヶ谷の駅で、まさかのライブ中止を宣告されて1年。ポールが東京に帰ってきました。
そんなわけで、我が家も家財をなげうって(いえ、別に武道館の10万円チケットを買った訳ではありませんが)みんなでリベンジしにやってきました、東京ドームに。
4月27日(月)待望のポール・マッカートニーの来日公演(東京ドーム3日目)に行ってきました。今から1年ほど前には、あの5月の晴天の日に会場前まで行ってまさかまさかのキャンセルのお知らせ。今回はともかくこの春から東京で暮らしはじめた娘にポールを見せてやれたのがよかったです。ようやく子育ての責務を果たした、 という感じすらします(笑)。
演奏内容は前回(2013年11月)とそれほど 変わってなかったので、サプライズ的なお楽しみはそれほどなかったものの、個人的には中学時代からのアイドルなので、それはもう満足というよりありません。最近の動画やMCでしゃべっているのを聞くと年相応に低くざらっとした声なのに(ポールはもうすぐ73歳です)、歌い出すと高く伸びていくというのが不思議というか、さすがプロフェッショナルです。歌うときの発声法が違うのでしょうね。コンサートの前半よりも、後半の方がなんだかよく声が出ていたように思います。何かの曲で歌に入るタイミングがちょっとあれっと思ったところもありましたが、前回と比べてもそんなに目に見えるような衰えはなかったと思います。なにしろ2時間半にわたってほぼ休みなく歌いっぱなしですからね。
開演前30分くらいから、ポールやビートルズ、そのカヴァー作品などのDJミックスをBGMに、ステージ両脇の巨大モニターに主にビートルズ時代の珍しい映像を使ったコラージュが流れていたのですが、筆でペンキを散らすような動画がセンスよく重ねられて、コンサートが始まる前のわくわく感とも相まって、なかなか楽しめました。ポール自身の抽象画のセンスとも似ている気がしたのですが、どうでしょう。また、コンサート中も多くの曲でステージ背景に音楽と同期した映像が映し出されていて、こちらもそれぞれの曲の内容に合わせて工夫されていて、このあたりもポールの意向やアイディアがどの程度反映されているのか、ちょっと気になります。いずれにせよ、単なる伝説的なミュージシャンのロック・コンサートという以上に、5万人を超えて集まった老若男女の観客を楽しませる総合的な芸能ショーとして完成されたステージだったと思います。
ちなみに今回はクラウドサージという海外のチケット販売システムを利用してチケットを購入したのですが、ほぼ正面のスタンド席の2列目だったので、いろんな意味で快適でした(クラウドサージは、ぴあなどと違って、自分で空いている座席を選んでチケットを購入することができます)。野球でいえば、バッターボックスのすぐ後ろ、やや三塁寄りというあたりだと思います。もちろんステージ上のポールは肉眼ではほとんど判別できないのですが、それでも前回観たスタンドの2階席から比べればステージはかなり近い気がしました。あとは、三分の一くらいの時間は座って観れたというのがともかくうれしい50代(爆)。アリーナ席の皆さんは最初から最後までずっと立ちっぱなしで、ちょっとかわいそうでした(負け惜しみ半分)。
《セットリスト》
1. マジカル・ミステリー・ツアー(ビートルズ)
2. セイヴ・アス(ソロ)
3. キャント・バイ・ミー・ラヴ(ビートルズ)
4. あの娘におせっかい(ウイングス)
5. レット・ミー・ロール・イット(ウイングス)
6. ペイパーバック・ライター(ビートルズ)
7. マイ・ヴァレンタイン(ソロ)
8. 1985年(ウイングス)
9. ロング・アンド・ワインディング・ロード(ビートルズ)
10. 恋することのもどかしさ(ソロ)
11. 夢の人(ビートルズ)
12. 恋を抱きしめよう(ビートルズ)
13. アナザー・デイ(ソロ)
14. ホープ・フォー・ザ・フューチャー(ソロ)
15. アンド・アイ・ラヴ・ハー(ビートルズ)
16. ブラックバード(ビートルズ)
17. ヒア・トゥデイ(ソロ)
18. NEW(ソロ)
19. クイーニー・アイ(ソロ)
20. レディ・マドンナ(ビートルズ)
21. オール・トゥゲザー・ナウ(ビートルズ)
22. ラヴリー・リタ(ビートルズ)
23. エリナー・リグビー(ビートルズ)
24. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(ビートルズ)
25. サムシング(ビートルズ)
26. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(ビートルズ)
27. バンド・オン・ザ・ラン(ウイングス)
28. バック・イン・ザ・U.S.S.R.(ビートルズ)
29. レット・イット・ビー(ビートルズ)
30. 007死ぬのは奴らだ(ウイングス)
31. ヘイ・ジュード(ビートルズ)
32. デイ・トリッパー(ビートルズ)
33. ハイ・ハイ・ハイ(ウイングス)
34. アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(ビートルズ)
35. イエスタデイ(ビートルズ)
36. ヘルター・スケルター(ビートルズ)
37. ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト~ジ・エンド(ビートルズ)
(おまけ)
これは開始前のドーム会場。
天井に届くようなタワーが4つも立てられて、スピーカーセットが吊り下げられ、照明スタッフ(?)がそれぞれ各所に忍者のように命綱をつけて登っていきました。
VIP付きで聴きにいらしていた内田裕也さんが、アンコールの途中で帰っていきました。名残惜しそうに「yesterday」を最後まで聞いて、「Helter Skelter」のイントロだけ聴いて、合掌して会場を去っていったのでした。
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