水戸芸術館で開催中の山口晃画伯の「前に下がる 下を仰ぐ」展を見るために。
繰り返しますが、なにしろ連休最後の日でしたので、どんだけ帰省ラッシュか??と恐怖しておりましたが、常磐道…ぜんぜんスカスカでした。S市内を出るときすでに五橋交差点長町方向にぎょえ〜って言うような渋滞ができていたので、これはまずいと方向転換して仙台東ICから東部道路に進入、水戸までほとんど渋滞ナシでゆけました。
やっぱりできれば避けたい道なのかな。
久しぶりの高速運転。しかも、常磐道は現在広野IC~常磐富岡IC間は、避難指示区域内に位置するので、高速をおりて走行することは原則できないようです。そんなわけで、とりあえず南相馬PAでインターバルをとることにしました。
常磐道には広野~南相馬間の各IC間に3カ所づつモニタリングポストが設置されています。
南相馬ICを過ぎたあたりでは0.2マイクロシーベルトくらいでしたが、浪江ICを抜けると、急に線量があがり、5.4マイクロシーベルトなんて数値を目の端にとらえ、運転しながらドキドキしました。いまもこんなホットスポットが残っているんです。原発事故の現場では、連休も関係なく作業している方々がいらっしゃるでしょう。
4時間くらいかかって、やっと水戸芸に到着。
「山口晃 前に下がる 下を仰ぐ」展。間にあった—!
2月21日からやっていたの、知ってましたが、なにしろまだ虫六子が受験中でしたので…。会期が長かったので、晴れてみんなで見に来ることができました。
展示会場は、ちょっと迷路めいた小径を会場の奥まで歩いていって、戻り足で作品をながめるという構成で、作品のネタなのかつぶやきなのか(えんえんと一人でつぶやいている、途中でおかみさんがフォロアー1名になる「紙ツイッター」って作品もありました)、すずしろでお馴染みの画伯のすっとぼけた日記やアイディアスケッチが所狭しと展示されておりました。それにしても、素晴らしい筆捌き、脱帽です。
振り袖で重量挙げする大和撫子や、笈のようなものを背負ってきて路上でブックカフェを店開きするおっさんなどなど…、妄想の嵐。不思議なベンチも会場内に設置されており、本当は日がな一日ぼやーっと浸りたいところです。
唯一撮影を許可されていた第3室には「忘れじの電柱」が。
行くときは階段を上って電線や碍子なんかを間近に見ながら電柱が迫る感じで通り過ぎましたが、帰りみちでは階段の下から覗くようになってました。そういえば先日の日曜美術館で画伯は「景観の邪魔者といわれる電柱・電線は現代社会の血管」なんてこといってましたな。(そしたら、原発事故は脳卒中みたいなものかしら?と、原発の脇を通ってきた頭は考えてしまいました)
壁のシルエット作品をみて、
(参考) |
戻って来た第1室には「九相圖」や「土民圖」「来迎圖」など大作が並びました。
絵のような映像のような、平面作品ですが、イメージが立体的に立ち上がってきてなんだか凄い。大和絵や洛中洛外図のようなどちらかいうと日本美術で見慣れた画法を用いて現代の主題で描いていらっしゃるけれど、画伯は日本画科出身ではなくて油絵科なのね。現代美術家には間違いない知能派でもあるけれど、絵描きとしてただ事でない技術も持っていらっしゃる。
それもそうなんですが、大作「ショッピングモール」もどこまでできたか楽しみでしたが、やっぱりまだ未完成でした。( ^ω^; )
筆はけっして早くない…っていうか、すごい描き込み量です。何年かかるんだろうなー。
漫画のようでもあり、絵物語のようでもあり、一枚一枚が趣向をこらした絵にもなっており、まさに壁伝いに物語を繰る「活劇絵」。
一点一点描き方をかえてくる絵の超絶技巧に圧倒されつつ、講談を聞くように面白く読み眺めすすみましたが、足が…疲れた。頭も疲れました。
ここにベンチが欲しかったよ…画伯。
泉のようにこんこんと妄想が湧き出るんだろうなー。まだまだ楽しみであります。
ショップで図録とお土産を少し買って、水戸駅から虫六子を送り出し(新幹線も高速バスも激混みだったらしいんですが、水戸から常磐線〜武蔵野線の各停は座って帰ることができたそうです。しかも二千円ちょっと電車賃だけは1/5で済みました。)
で、親はまた4時間かけて常磐道を帰って来たのでしたー!疲れだー。
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