2010年12月1日水曜日

11月に読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:933ページ

双調平家物語〈10〉平治の巻2 平家の巻 (中公文庫)双調平家物語〈10〉平治の巻2 平家の巻 (中公文庫)
王朝政治の終焉、時代は武士が政治の中心にうつってきました。前巻で親兄弟の首を躊躇いもなく犠牲にした義朝は、その甲斐もなく逆心の汚名を負ったまま落ちて、源氏の家人・長田の庄司の謀で悲惨な最期を遂げる。命の扱い方がなんだか違う武士の感性。落ちてバラバラになった義朝の息子達、常盤が連れた幼子…計り知れない遺恨を持って、この先、平家全盛の時代に潜伏するのでしょうか?それもそうなんですが、後白河上皇の存在感が不気味です。
読了日:11月22日 著者:橋本 治

清盛 (絵巻平家物語)清盛 (絵巻平家物語)
再読。木下順二が「子午線の祀り」を書いた後に手がけた平家物語を題材にした全9巻の絵本シリーズの5巻目。絵本画家として有名な瀬川康夫の絵が「童画」の域をとっくに超えた芸術性を備えていて、とにかく素晴らしい。瀬川先生、最晩年の仕事だったようです。それにしても清盛の死に様、壮絶すぎる…けど、この筆に掛かると悲惨な死に様が華麗で神々しいものに見えます。
読了日:11月14日 著者:木下 順二

John LurieJohn Lurie
随分久しく画集を買ったりしてませんでしたが、なんだか衝動買いしてしまいました。80年代、ジャームッシュの映画でみたジョン・ルーリー。ミュージシャンでもあったけど、そのあと20年…難病と闘いながらずっと絵を描いていたそうです。命や精神(時に狂気?)の曖昧な輪郭にぴりぴりと接触しているような一枚一枚の絵。G・ワタリで開かれていた個展はアンテナが鈍くて見に行かないでしまったけれど、時の話題と無関係に1人の画家に偶然出会って、その画集を手に入れたというのが新鮮な嬉しさ。
読了日:11月14日 著者:John Kurie

山本耳かき店の女主人、耳かき+割烹着+髪型+泣きぼくろというフルセットがすでに官能的ですが、それにくわえて耳かき描写が…。耳かきが細い管にアリクイの下のようにひらひらと内壁を刺激したり、ツブ貝をぴょろりんとつかみだすように三半規管を刺激…。不感症のやり手OLも悩殺されましたか。6話の「達人」はセリフ無しの野心作でした。こんな作品がお蔵入りになっていたとは!「深夜食堂」が売れてくれて良かった。
読了日:11月01日 著者:安倍 夜郎

深夜食堂 6 (ビッグコミックススペシャル)深夜食堂 6 (ビッグコミックススペシャル)
お話は「松茸」の加代子ママの気っ風のよさが良かったし、ジュンちゃんの高校時代のほんのり苦い思い出が。料理は焼きおにぎりにちりめん山椒が食べたくなりました。
読了日:11月01日 著者:安倍 夜郎

世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)
兼高かおるが似てないのが笑いました。「世界ウルルン滞在記」を地でいくような人生。幻のデビュー作はちょいと恥ずかしいくらいな感じで、本人のワイルド感と乖離しているけど、自己ネタだと照れが入るのでしょうかね。
読了日:11月01日 著者:ヤマザキ マリ

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