2011年6月27日月曜日

眼福!仁左衛門と千之介の「連獅子」_黒い虫六復活

お久しぶりです。黒い虫六がこっそり帰って来ました。
このパワースポットに。
つか、日曜日なのに銀座は歩行者天国やってませんね。お店も暗いので休みかと思ったら節電でした。気のせいか人の数も足りないような…?まだ朝10時で早いのかな?

何ヶ月経ったんでしょう…歌舞伎座もすっかり無くなってました。
そういえば、3.11震災の時の帰宅難民問題など受けてでしょうか、松竹は「新歌舞伎座」を災害時には3000人収容できる一時避難所とし、防災施設の機能を備えることにしたそうですね。早くできるといいですね。

盗撮おやじではないのですが、フェンスの下からカメラを入れて撮っちゃいました。地下工事中なのか基礎工事中なのか、まだ地面に突起物はないです。

うひょー。松竹ビルの看板が「シネマ歌舞伎・女殺油地獄」ですよ〜。
あの看板欲しい〜(。・w・。 ) 置くところはありませんが…。

で、黒い虫六がこっそりやってきましたのは、ここです。
新橋演舞場…。
お、ここはいつも通り人でいっぱいですね。ある意味安心しました。

本日のお目当ては、これ。仁左衛門丈と孫・千之介君の「連獅子」!

………( ̄◆ ̄*)

歌舞伎友の会のお知らせ貰ったときに、ちょうど新幹線が再開しまして、発作的に注文しちゃいました。行けるかどうか分からなかったので、とりあえず最後の日曜日ってことで、なんと千穐楽。考えてみれば、歌舞伎友の会さんよくぞ回してくれました!感謝でございます。
虫六、恥ずかしながらまたここへやってきてしまいました!(←って、横井庄一さんか!…つか、横井さんって言っても学生さんには通じないし (;´д`) …日本の「戦後」は「震災後」にシフトチェンジなんですかね。)

【昼の部】
「頼朝の死」
市川染五郎 / 片岡孝太郎 / 片岡愛之助 / 中村歌昇 / 中村時蔵

「梶原平三誉石切」 鶴ヶ岡八幡社頭の場 
中村吉右衛門 / 中村芝雀 / 中村錦之助 / 中村歌六 / 市川段四郎

「連獅子」
片岡仁左衛門 / 片岡千之助

【夜の部】
「吹雪峠」
市川染五郎 / 片岡愛之助 / 片岡孝太郎

「夏祭浪花鑑」 住吉鳥居前 難波三婦内 長町裏
中村吉右衛門 / 中村芝雀 / 中村福助 / 松本金太郎 / 中村歌六 / 市川段四郎 / 片岡仁左衛門

「色彩間苅豆」 かさね
中村時蔵 / 市川染五郎


せっかくなので、昼夜ぶっ通しの1日でした。
ただ、自分が好きだったものが変わらずにある安心と有り難さでこの空気に浸る至福だけを心のエネルギーとしていただいて来たというのがまず大きかったのです。
特に!やはり仁左衛門丈と千之介君の「連獅子」は見る価値ありすぎでした。
「獅子もの」は長唄も踊りも面白いので大好きで、いろいろと見るようにしていますが、今回「獅子」って霊獣だったんだと心の底から納得しました。
仁左衛門丈の親獅子は花道の出から疑問の余地無く美しく神々しいのです。人のものでないオーラです。そして、千之介丈の子獅子の動きの機敏さと必死でついていこうとする表情の無垢さ。きっと十五代目のような立派な俳優になることでしょう、この少年も!プレッシャーはあるでしょうが、松島屋の芸をしっかりと伝えて行って下さい!
というか、この舞台、自分の目で観ることが出来た幸運を感謝しました。

それにしても、千之介君が脂がのりきる頃合いになるまで、あと30年はかかるなぁ。
私はあと30年、そこらにいらっしゃるおばあさまたちのように元気なまま歳を重ねることが出来るのかな〜?などと、いままで考えたことのない感慨に襲われたのでした。

他の演目もいろいろ発見がありました。
けっこう面白い出し物が揃っていましたね。吉右衛門さんの芝居の良さも、今回じわっと分かりました。「梶原平三誉石切」など、何が面白いのか?と思っていたのも、吉右衛門丈の役で懐の深い人物像が見えて、こういうのを肚の演技っていうんだなと実感。
そう思ったら、「夏祭り」もかなり面白かった。特に段四郎丈の三河屋義平次は絶品。ほんと、段四郎丈うまいと思ったのは初めてだったりして…(すみません)。でも、あれをみたら、笹野高史さんもまだ伸びシロありますね!
いろんな役者で同じ演目を楽しめるのが歌舞伎の面白いところですね。

ところで、最後に時蔵丈と染五郎丈の「色彩間苅豆 かさね」がトリだったのですが。これ、虫六的に滂沱の涙でした。
時蔵丈はお三輪などがとても似合う可憐な印象の女形ですけど、前半はそんな可憐な綺麗な時蔵丈の腰元・かさねが大好きな与右衛門とウフウフと相思相愛という感じで踊っているんですけど、後半になると悪いものが憑いて顔はお岩さんのようになり、いざりながら苦しく踊るのです。恋人だった与右衛門(←こいつはもともと色悪です)も手の平を返したようにかさねを疎んで殺そうとします。これが、なんだか、かさねの姿とフクシマが重なってしまったのですよ。あの会場でそんなことを考えながら見ていた人は、私ひとりかと思いますが、(なのでただの考えすぎだと百も承知ですが)、かさねの身の上が痛々しく憐れに思えて涙が止まらなくなってしまったのでした。なんとも。

なにはともあれ、またお芝居を観る機会を与えていただき、歌舞伎の神様ありがとうございました。(それから、寛大な家族にも…てか。)


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