2013年5月1日水曜日

「大神社」展と「山本作衛兵」展

東京国立博物館・平成館では、「国宝・大神社展」が開催されています。

○「国宝 大神社展」

会 期 平成25(2013)年4月9日(火) ~ 6月2日(日)
会 場 東京国立博物館 平成館〔上野公園〕
    〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
    東京国立博物館ウェブサイト http://www.tnm.jp/
開館時間 午前9時30分 ~ 午後5時
     ※金曜日は午後8時まで、土・日・祝・休日は午後6時まで開館
     ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日 ※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館、5月7日(火)は休館
主 催 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション
特別協力 神社本庁
協 力 千年の森フォーラム
協 賛 あいおいニッセイ同和損保、大日本印刷、トヨタ自動車、三菱商事

伊勢神宮の第62回式年遷宮を機に、神社本庁をはじめ、日本全国の神社の全国的な協力を得て、神社の宝物や日本の神々に関する文化財を総合的に展観する、「全国の神社パワーを結集した、空前絶後の神道美術展!」とのことです。

これまでこの大きさで神社美術展が行われることは無かったそうで、全国の霊験あらたかな神様が上野に大集合しております。上野、見えてしまう方々にとっては、すごいことになっております。たぶん。

美術品としては、国宝・重要文化財が160件。神道のルーツを探る出土品や絵巻なども多数。熊野速玉大社、松尾大社、東寺などの国宝・重文の神像や門外不出だった初公開の神像なども40体展示されています。

個人的には、熊野速玉大社の神様のお化粧道具で、「元結」らしきものが、どう見ても針金で、神様の髪はそんなに硬いのかー!(神様って剛毛!)とか、同じく速玉大社の綾織物がすり切れているのに織り目が残っていてまだ1枚の布なのは何故か??と不思議がっていたら、「二陪織物」と表記があり、こんな大昔から手の込んだ技術があったものだと感心しました。
また、鹿島大社のでかなが〜〜〜い大太刀(神様って怪力!)や石上神社の七支刀など刀類の存在感はなんというか圧倒されるものがありました。


山の大きさや海の広さ・荒々しさ、森の深さ、太陽のまぶしさ…そういうものに、神を見いだしていた日本の人々のはずですが、8世紀ころから仏教の影響で神像が作られるようになったらしいのです。形の捉えられない神様が人の形(鹿などの動物の場合もありますが)を取るようになるわけです。これがね…、やっぱり具現化とか出てくると、とたんに造形力の貧弱さが露呈すると感じるのは、私だけでしょうか?
うわ〜、罰当たりですか???神様、ごめんなさい!!

でも、若狭神宮寺の小丹生之明神の男神・女神様の佇まいは格別でした。それと若松神社の獅子・狛犬もかわいかったです。

山根基世さんの音声ガイドもお薦めです。


もうひとつ展覧会です。



こちらは東京タワーの1階特設会場で開催中の「山本作兵衛展」


○特別展「世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展」

会期 2013年3月16日(土)から5月6日(月・振休)
会場 東京タワー1階特設会場
主催 読売新聞社・東京タワー

山本作兵衛(1892~1984)は、福岡県の筑豊炭田で50年以上にわたって働いてきた方で、炭坑夫を引退した66才から絵筆を取り、自分の炭坑での経験を記憶画として描き残した絵師です。厳しい炭坑の現実を正確かつ緻密に丁寧に描いた作兵衛の記録画や日記(計697点)は、2011年にユネスコの世界記憶遺産に登録されました。国内第1号だそうです。

これまで何度か山本作兵衛展は開催されて、そのたびに「見た方がいい」とお薦めされていたのですが、やっと邂逅できました。うわさ通りのすごい絵だった。絵に関する高等教育を受けたわけでは無いけれど、もともと相当絵心がある人なんでしょう、現実を見た(記憶した)通りに伝えようとする技巧にこだわらないストレートな迫力に満ちあふれています。
同じパターンの絵を何枚も描いているところが意外でもありました。
物語り絵というか、紙芝居だね、まさに。

登録文化財ですから、今後はあまり出てこなくなるかも知れないですね。
連休いっぱいの展示のようです。

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