2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1225ページ
ナイス数:26ナイス
芸人の肖像 (ちくま新書)の感想
うわっ、いい写真だなーと見とれていたら、すべて小沢さんが自ら撮られた写真と分かって感服。もちろん、すでに消えてしまった芸能の姿もあり、写真がどれも貴重な記録として重要だということもさることながら、外からはなかなか打ち解けてはもらえないだろう玄人の芸人さんの世界に、小沢さんがいかに受け入れられていたのかが、その自然な表情で伝わって来る。それも小沢さんの底意にあった芸人さんへの尊敬が表現させるものなのだろうと思う。
読了日:6月30日 著者:小沢 昭一
Gad Sfortunato (EDGE COMIX)の感想
主人公Gadの底部に横たわる虚無感。自らを「fortunato(幸運な)」→「sfortunato(不運な)」に意味を逆転させる「s」だと思っている深い自虐。最愛の人には会えない、会っても真には受け入れてもらえない苦しい性。ふわふわと男性に身をまかせる頽廃は、あくまでもクールでスタイリッシュに描かれる。Gadの腕の入れ墨はまるでサイボーグみたいだ。オシャレブランドのマークのような亀の刻印がかろうじてGadの生をここにとどめている。全体が息苦しいモノトーンの印象だが、ピエリーノの存在が空気を送り込んでくれた。
読了日:6月30日 著者:basso
ちはやふる(21) (ちはやふる (21))の感想
原田先生、東日本代表!…はいいけど、須藤君の「譲ります」はどおよ?お話省略ですか?新の西日本代表は危なかっかしくもなんとか。下痢だし。そして、女王への挑戦者を決める試合でやっと「なんで私、選手で出てないの?」と修学旅行に行ってた自分を大後悔の千早…、あんたね、軸足ズレすぎですから。最近巻は突っ込み所満載で、ストーリーそのものはやや垂れ気味な印象です。
読了日:6月23日 著者:末次 由紀
世界の鉄道の感想
鉄道ファンの間では、海外の鉄道はどちらかいうとマイナー部らしいのですが、この風景の中に溶け込んだ列車は圧倒的にフォトジェニックです。写真の出来がどれも素晴らしくて旅情をそそられます。切り立つ岩山、大草原、真っ赤な大地、深い谷に掛かったトレッスル橋、青い空を背景に渡っていく小さい列車…そして、有名な列車が来ると店を片付ける市場のメークロン線(タイ)。人間はありとあらゆるところに鉄道を通してきたんだな。装幀はハンディでカバンにもすっぽり。正方形の判型は写真もより綺麗に見えます。
読了日:6月11日 著者:本郷和人
さようなら 昭和の名人名優たち (日経プレミアシリーズ)の感想
自称・弔辞評論家の友人は常々「自分は孫に弔辞を読んでもらうような葬式は嫌だ。深いつきあいの友達に頼みたいが、それには早く死なんといけないんだよな」と話す。著者が捧げた追悼文は40年間でなんと59人分。昭和の芸能界で活躍した俳優や芸人に、芸能批評家として観客として友人として言葉を贈る。生前の仕事に対する精確な評価もさることながら、同じ時間を共有したものとして自らの人生に重なるところが一層寂寥感がある。盟友だった談志師匠や小沢昭一さんの追悼文を書くのはさぞ辛かっただろう。昭和という時代への惜別でもあるのかな。
読了日:6月9日 著者:矢野 誠一
片山杜秀の本(5)線量計と機関銃──ラジオ・カタヤマ【震災篇】の感想
震災のあとに片山先生のラジオを知っていたら、ずいぶん心強く過ごせていたかも知れない。冷静な知見には目から鱗がとれましたし、被災地に思いを寄せる心情の距離感にとても共感するものがありました。政治学とクラシックでこんな面白い話ができるとは、世の中には切れる人がいるものですね。続きを読みたい。(というか、ラジオを聞きたい)。クラシックのことは疎いですが、どこからこんな音源を持ってくるんだ!?というマニアックな選曲にも感心した。陸軍第四師団軍楽隊の「長唄《越後獅子》吹奏楽編曲版」はぜひ聞いて見たかった!
読了日:6月2日 著者:片山杜秀
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