俳優・小沢昭一が“引退興行”と称して、18年演じた一人芝居「唐来参和」。
全国津々浦々、660回の旅公演を重ねた名作ですが、虫六はついにお元気なうちに舞台を拝見することができませんでした。テレビでも見られなかったこの舞台がDVD化されたのです。
収録されたのは、 1988年2月26日、新宿・紀伊國屋ホールの舞台。
原作は、井上ひさし「戯作者銘々伝」(中公文庫)
「酒に酔うと他人の意見の逆を行く癖があるばかりに、御高家吉良家の用人から妻を吉原の女郎に身売りして長崎じぇ蘭学修行→浮世絵の腕のたつ印刷職人 →黄表紙の洒落本作家(戯作者)唐来参和として名を成すが、女郎の年期の明けた恋女房との祝言の席上、酔った挙句の口論から忽ちその場で女房を吉原裏通り の小見世に叩き売って、その足で女郎屋の婿養子となる。すべての行動の原理が“損得”どころか、酒に酔うと他人の意見の逆を、逆をと行く反対癖。 あべこべ・ひっくり返し・逆立ち。とにかく逆の方向へ行ってしまい自分の気持ちがどういう仕掛けになっているのか自分でも分からず数奇な運命を辿る男と女の物語。」(平凡の友HP、紹介文より)
落語を聞くみたいな「吉原」の案内噺がマクラで、手ぬぐいを被ると、とたんに女性になって、花魁が手管に使うしんこ指細工を作って暮らしている老婆の語りがはじまる…。
引き込まれてしまいました。
小沢さんの真骨頂か…。やっぱり本物が見たかったっす。
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