2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:892ページ
ナイス数:17ナイス
不忠臣蔵 新潮CDの感想
原作を読んでいると、これは落語か朗読劇か…という台本のような軽快な文体なのですが、「イヌの仇討ち」と違ってこちらは芝居にはなってないそう。そして読んでる最中に頭中でイメージが被っていた朗読者は小沢昭一さんでありまして、なんと!ご本人のCDが出ていて涙がでた。贅沢をいえば「酒寄作右衛門」と「岡田利右衛門」の2篇のみというところですが、でもそれぞれ40分余りの聞き応えある内容です。「不忠臣蔵」は亡き18代目中村勘三郎も常々芝居にしたいと希望していたそうで、返す返すも残念至極!実現したら面白かったろうなー。
読了日:2月26日 著者:井上ひさし
不忠臣蔵 (集英社文庫)の感想
いやはやこの作品をこれまで知らなかった自分の寡聞さを反省。「死は軽くして易し。生は重くして難し。」と近松は書いたそうですが、名誉の討ち入りを果たした義士の外側に、さまざまな理由でそれに参加せずに不名誉なまま生き延びたり、非業の死を遂げたりした藩士の姿があり、それに正統忠臣蔵以上のドラマをみる作家の感性は、2sd竹田出雲・三好・並木合作の「仮名手本」もそうでしたが、外伝や忠臣蔵モノを発展させてきた日本の戯作者の系譜を正しく井上ひさしが引き継いでいると思いました。1篇1篇がまるで落語のように惹きつけます。
読了日:2月25日 著者:井上ひさし
さよならまたこんど (フィールコミックス) (Feelコミックス)の感想
いいとこ突いてきますね。たしかに、中坊や高校生のときに人気のあったヤツが世の中に出たとたんにつまんなくなるというパターンってあって、かつ、そういうの若い時はわからないのですね。自分も不安定だし、だから幼い初恋なのでしょうね。そういうことが過去のことになって、人を見るってことができるのかなー。いまだによく分からないってこともあるんですが。友達に義理立てして去っていく竹富はやっぱり良い奴だったね。でも、それも含めて過去のことになるんだな。
読了日:2月16日 著者:いがわうみこ
花に染む 4 (クイーンズコミックス)の感想
なんとなくもう第2部は無いものと思っていたのが、突然(雑誌読んでいればそうでないのかもしれませんが)の続巻なので、ちょっと嬉しい。あーこんな話だったと思い出しながら読みました。陽大が屈折していくまえの、伸びやかな少年の頃をよくよく知っている花乃の存在は大きいなぁ。少女漫画の王道ですね。この先の陽大と花乃と雛の関係をどう描いていくのか、とりあえず続きが気になりますね。
読了日:2月16日 著者:くらもちふさこ
景観写真論ノート: 宮本常一のアルバムから (単行本)の感想
「宮本常一と出会って人生を棒に振った人は何人もいる」という話を半ば嬉しそうに宮本の思い出ばなしと一緒に話されるのを聞いたことがある。宮本が残した写真を当時書き込んだコメントと、彼の旅に同行した記憶も動員して、師が見えていた、そして伝えようとしていた感性を自分の中に問い正していく、著者にとっての脳内フィールドワークみたいな作業だと思いながら拝読。それにしても宮本常一という民俗学者の大きさはどこまでも掴みきれない。「白砂青松」概念については目から鱗、「祭りを支えるもの」についても今の問題としてもっと知りたい。
読了日:2月5日 著者:香月洋一郎
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