またも虫六子を戦場に送り出し、暇を持てあましてしまった虫六…。
すいません。
また並んでしまいました。
餌をもらうことを覚えてしまった鯉か猿のように、条件反射ですね。これは…。
並んでいたら、お友だちのFさん(市会議員とかしている元映画関係の女性です!)に偶然会いまして、私の方が先に並んでいたので何げに席をキープしつつ(←本当はダメです)、ご一緒させていただきました。芝居は道連れ、世は情け。
今回は行き当たりばったりというよりも、今月はお目当ての演目がありました。
ずばり!玉様&セブンの『二人藤娘』です。へへへ。お正月の大阪公演で好評だったので、機会があったら見たいナーと思っていたら、早くも鳳凰祭りに掛かり、うんにゃ〜と諦めていたのでしたが、…まぁ幸か不幸か拝見することができました(ちょっと複雑)
歌舞伎座新開場柿葺落
○鳳凰祭(ほうおうさい)三月大歌舞伎
歌舞伎座松竹経営百年先人の碑建立一年
平成26年3月2日(日)~26日(水)
【昼の部】
一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤祐経 梅 玉
曽我五郎 橋之助
曽我十郎 孝太郎
近江小藤太 松 江
八幡三郎 歌 昇
化粧坂少将 児太郎
喜瀬川亀鶴 梅 丸
梶原平次景高 桂 三
梶原平三景時 由次郎
大磯の虎 芝 雀
鬼王新左衛門 歌 六
小林妹舞鶴 魁 春
二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 菊五郎
太郎冠者 又五郎
侍女千枝 壱太郎
同 小枝 尾上右近
奥方玉の井 吉右衛門
三、恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)
亀屋忠兵衛 藤十郎
傾城梅川 扇 雀
丹波屋八右衛門 翫 雀
井筒屋おえん 秀太郎
槌屋治右衛門 我 當
四、二人藤娘(ににんふじむすめ)
藤の精 玉三郎
藤の精 七之助
今月の昼の部は面白い演目揃いで見応えありました。
「壽曽我対面」は、工藤祐経は誰かと思えば梅玉丈で珍しいものを見た感じ。懐の深いエリート官僚が大人な決着をつけてやったって感じでしたね。魁春丈の妹舞鶴はちょっと妖怪感があって迫力ありました。6代目成駒屋さんに似てきたということなのでしょうか??直接拝見したことはありませんが…。
「身替座禅」は玉の井が吉右衛門。出て来ただけで、会場どよめき…。下ろした髷の体躯の角度がなんとも怖い。化粧っ気をあえて控えた化粧も恐かわいい。
急に菊五郎右京が小さくなるのが可笑しい。でも、菊五郎丈は素でいけてる感じがするところが凄い。
又五郎さんがこのお役はとてもはまっていらっしゃって、好演なさっておりました。
浄瑠璃は、常磐津兼太夫&文字兵衛で、和英太夫さんもいらっしゃいました!
長唄は、勝四郎&浄貢だもんね。うれし。
「封印切」は藤十郎丈の忠兵衛。秀太郎さんのおえんが良かったです。
そして、「二人藤娘」です。
(ネタばれなのでご注意)
はじめはそこそこ入っているって感じの幕見席でしたが、「二人藤娘」の時はお席はもちろんいっぱいでその後ろにずらーっと立ち見!人気のほどがうかがえました。これだけ満場だと役者もやりがいでるでしょうね。
全くの暗転から舞台がはじまり、ぱっと灯りがつくと、舞台いっぱいに花房をさげた藤の大樹と、なんとも美しい藤の精二人。場内、ため息…。
花道に黒地の衣装の玉様、舞台中央に白地の衣装の七之助…。3階の上からだと、一瞬どっちがどっちか分からないくらい、尋常じゃない優美さなのです!このお二人とも!
七之助の舞台オーラが玉三郎に負けてないのですよ。
ここまで成長しましたか!と、涙がでそうになりました。
会場の反応もそうとう良い感じで、大向こうさんも「大和屋〜!」「中村屋〜!」と雨あられでした。3階だけからじゃなく、あちこちから掛かっていました。
親子ほど年の違いがあるんだろうけれど、全然その差を感じさせない若やいだ雰囲気を醸し出せる玉三郎もスゲーの一言。ほんとうに小さな藤の妖精が絡んでいるようでかわゆかった。式神のような、コロボックルのような…。
後半の「空も霞て夕照りに…」は、玉様は引っ込んで七之助1人に踊らせていました。
きびきび踊るところなので、七之助の身体がきくところが堪能できて嬉しい構成。
地方さんもいいところを揃えてました。杵勝会の実力どころがずらり。
お三味線は、勝国さんが立てで、勝七郎、勝正雄、勝松…と揃ってました。噂では、勝十郎さんや松永の直矢さんも出ていると聞いていたので期待していたのですが、この日は出演してなかったみたい。でも、満足のメンバーでしたです。勝国さんのチンチリレンも聴けて、嬉しさ倍増。唄の方は、日吉小間蔵さんが立て、利光さんもいらっしゃいました。
やはり、玉三郎丈は地方にも揃えてきますねー。
贅沢言えば、1階の前の方でもう1回みたいところですが、そんなこと言ったらバチが当たりますかね。苦笑。
Fさんと感激を共有するのもそこそこに、急いで虫六子が待つ合戦場方向に帰りました。
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