学内の展示ホールにヤノベケンジの新作が置いてあるって…、田舎の零細国立大出にはパチクリなんですけど。羨ましいを通り越しております。
で、いま、木挽町あたりは夏の3部制ざんしょ。
夜は中村屋のニューヨーク凱旋公演(え、ニューヨークに行ってたんですか!?)のようでしたが、それを見ていると帰れなくなりますので、三津五郎丈贔屓の虫六子のリクエストもあり、2部の「たぬき」を見せていただくことにしました。
(誰ですかー、結局見るのか…とか言っている人は!)
八月歌舞伎座納涼歌舞伎
【第2部】
一、信州川中島合戦(しんしゅうかわなかじまがっせん) 輝虎配膳
長尾輝虎 橋之助
直江山城守 彌十郎
唐衣 児太郎
越路 萬次郎
お勝 扇 雀
二、たぬき
柏屋金兵衛 三津五郎
太鼓持蝶作 勘九郎
妾お染 七之助
門木屋新三郎 秀 調
松村屋才助 市 蔵
倅梅吉 波野七緒八
隠亡平助 巳之助
芸者お駒 萬次郎
狭山三五郎 獅 童
備後屋宗右衛門 彌十郎
女房おせき 扇 雀
「たぬき」って作品は落語かなにかの世話物かと思ったら、大佛次郎の近代物で、喜劇とはいえ、シニカルで重いテーマの芝居でした。三津五郎丈の役どころが特にそんな感じなんですが、大病のあとの復帰ということもあるし、根が堅そうなところがはまり役という印象でした。
勘九郎丈の太鼓持ち蝶作が全体を軽快にしてくれるのですが、これがなんってたって亡き勘三郎丈に声や仕草がそっくりで、ファンのみなさんは十八代目健在のころの納涼歌舞伎を思い出さずにはいられなかったと思います。かくゆう、私めも…。勘三郎さんクン・バーックであります。でも、勘九郎のこの芝居の巧さは、三谷芝居やらコクーン歌舞伎やらでの修行の賜物ですもんね!もっともっと大きくなってください。
「え、大和屋の所作事はしっかり見ておけ!っていうのが、死んだオヤジの遺言なんだよ」ってアドリブに会場がわぁとなり、三津五郎丈が照れ笑いをしていたのが、印象に残りました。
そして、またいちだんと艶を増して、オーラを増している七之助丈。贔屓目と言われても、良いものは良いのであ〜る。お染、ヤバイわー。これは金兵衛も骨抜きになります。
っというか、この数年で七之助のファンが会場内を占める割合が激増している気がするのは私だけでしょうか?
今回の公演は、萬次郎さんも大活躍でお得感あり。花道近くだったので、「輝虎配膳」の越路もしげしげみました。
ところで、「輝虎配膳」って変な話でした。怒りで着ている服を脱ぐって…。どこにそのお琴隠してあったのでしょう…。女ふたり旅でやってきたのに。あぁ、それにしても扇雀さんのお琴には“伸びしろ”を感じましたです。おせき役の方は、つんとして身も蓋も無い感が上手でした。七緒八君も倅梅吉役で登場、何言ってんのかよく分かんなかったけど(苦笑)可愛いから全部赦す!イノセントだねー。
終演後、銀座で晩ごはんを食べて虫六子と別れたのですが、恵比寿ビールの専門店に入ったら、虫六子が「トイレに行くならカメラを持って行った方がいいよ」なんて言う。
そんな変態じゃないの…と受けながら、言われた通りにしたら…ほい、1枚いただきました!
しかし、中村屋に見られながらおしっこするのは、ちょっと恥ずかしいですけどね。
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