2014年8月20日水曜日

ヨコハマトリエンナーレ2014

東京でプチ自活中の虫六子が17日だけ予備校が休みだというので、ちょっくら上京してみました。
前日に入りましたが、虫六子の授業終了までは時間があるので横浜まで足をのばして、「ヨコハマトリエンナーレ 2014」を見ました。いえ、本当は虫六子に見せてやるのが望ましいのでしょうが、そんな余裕は彼女にはないのでありました。可哀想に…。
(はやく大学生になって、面白いものを好きなだけ見てください。)

会場に向かう途中で、ピカチュウの大行列に遭遇…。やんやー。
ピカチュウを背景に嬉しそうに自撮りする外国人旅行者。ジャパニーズ・クールであります。ちなみに、これはアートとは別のイベントでした。

3年に1度開催の「ヨコハマトリエンナーレ」。
主会場は横浜美術館と新港ピア(新港ふ頭展示施設)で、会場を結んでシャトルバスも走っております。BankART1929や黄金町エリアマネジメントセンターとも連携しているそうですが、残念ながら今日は時間がありません。

アーティスティック・ディレクターは森村 泰昌さん。
「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」が今年のテーマです。
 11月3日まで開催しているそうです。

会場に入ると、ロビーいっぱいにガラス張りの巨大なゴミ廃棄箱がしめていて、しりあがり寿さんの失敗原稿なんかが棄ててあるのが見えました。300㎥もあるというマイケル・ランディーの美術のためのゴミ箱《アート・ビン》でした。


その上には何やら教祖がかったおじさんが説法しているテレビモニターが映っていて、乳白色の液体を頭から浴びているガンジー像。そして、呪のかかったというかご祈祷済みの水を紙コップでいただけるようになっており…、「心の準備はいいですか?」的にその水を飲むのでありました。

展示構成は、
ふたつの序章と11の挿話からなる「忘却の海」の漂流譚
まるでぶ厚い物語を読むように、奥深いアートの世界にどっぷり入り込んでみませんかというアプローチ。詳しい内容は、ホームページで、いえ、直接会場に足を運んで体験してください。

会場は基本撮影禁止ですが、カメラOKという作品もありました。

今回、出色だったのはこの作品。
福岡道雄「何もすることがない」

この黒い矩形にまるでミニマルアートのように「何もすることがない」と“彫って”ある。
作家は画家ではなく、彫刻家らしい。

森村さんは言ってますよ。「芸術家は、理由もなくいきなり社会や宇宙と格闘しはじめる。たった独りで立ちむかうこの重労働は、生きる衝動の純粋なあらわれなのだが、無意味で無用な徒労のようにも見える。だからそれは、役立つことを求める価値観から離脱して、忘却の海に出ることになる。そしていかなる風にもなびかず、孤独な光を放ちつづける。」
何かの役にたつという価値観から解き放たれた場所に、芸術はあるんだということを、久しぶりに思い出して(日常のなかでそういう感性は薄れていたことを自覚して)、今日、この場所に来て、良かったと思いました。

横浜美術館の会場には、注目の現代作家やジョゼフ・コーネルやA.ウォーホールなども何げに展示されておりいろいろ楽しめました。

そして、必見はやはりこの作家でしょう!!!
新港ピア会場にある、大竹伸朗の大作です!



このひと言では言い表せない感が圧倒的。
記憶と時空を漂う漂流船のようでもあり、移住小民族の住まいのようでもある。
どこからこの作品に掛けられた糸をたぐって行けばいいのか分からないけれど、そんなことも簡単に拒否されているようなカオス感。はぁ、見といてよかった。

あ、タイトル見るの忘れました。すみません。


0 件のコメント:

コメントを投稿