2016年3月30日水曜日

撥を落札してみました、ヤフオク!で。

お友だちのシャーパパさんが、ギターのピックを自家製するのに中古の三味線撥をヤフオクで買った…という話に、「えっ?」と耳がそばだってしまった虫六。
…三味線の撥って、ヤフオクで売ってんの?!

そんなわけで、参戦してしまいましたよう、ヤフオク!


1回目はちょっと良い感じのやつでしたが、こちらが8千円くらいの値段設定で構えていたら、あれよあれよと1万円超えして、迷っているうちに競り負けまして…(。>0<。)
2回目はがんばって落札しそうだったのに、虫六がまだ落札した経験なく、信用度が「0」だったせいか出品者から拒否されてこれもアウト…(||li`ω゚∞)ひどすぎ。
で、3度目の正直でやりました!落札!
剥撥ですが、象牙です。落札価格…13000円でございました。
なにしろワシントン条約なる法律のせいで、もう象牙は輸入できませんので、国内にある象牙をなんとかゲットしていかねばなりません。新品の撥は軽く10万円超えしますので、状態のいい中古を今のうちに確保しておきたいというのが本音です。


しかし、実際に手にしてみないと分かりませんので、リスクもあります。
さっそくお稽古の日に先生に見てもらったら、この剥ぎのとこがしっかり着いてないんでないの?という、鋭いご指摘…(あーん、しくじったか虫六…)

これまで虫六が遣っていた撥よりも、開きは広め、かつ、薄めです。

 上が今回落札した撥(2号)、下がこれまで遣ってた撥(1号)。

ね、だいぶ違います。
虫六の撥1号は、先生も認める良い撥で、大薩摩や早弾きの曲でもビンビン弾けるのです。
しかし、いまお稽古中の「春の調」で試し弾きをしてみましたら、「あら、けっこう弦が響いてこういうチンチリの優雅がな曲にはあうかもね」と、この撥も悪くない。「貴女が弾きやすければ問題なし」と、とりあえず及第点がつきました。

虫六的には、丸もの象牙撥1丁ではいざというとき不安かな…の、2丁めでしたが、曲目によって「使い分け」という思わぬ事態となり、いやはや…深いわー。お道具ひとつも。

撥だけ買ったつもりが、こんな立派な撥ケースもついてきて、この買い物はあまり高くなかったと、癖になりそな虫六でした。

2016年3月26日土曜日

土屋瑞穂先生の河北文化賞お祝い会(ささやか編)

大学時代の恩師、彫刻家の土屋瑞穂先生が今年度の河北文化賞を受賞されました。
今日はそのささやかなお祝い会を泉ヶ岳の麓の「岳山珈琲」ってカフェでやるからね、と大先輩Sさんからお声を掛けていただいたので、午後休とって参上しました。

 岳山珈琲は大学の先輩ご夫妻が、少し早めに退職して開業したカフェです。自家焙煎珈琲とさらっと趣味の良い北欧家具や食器に囲まれた居心地の良い空間でした。
…とはいえ、土屋先生の教え子たちはほとんど県内外の学校の先生になっているわけで、しかも昨日は教員の異動発表の日。その翌日の、平日の昼間とあって、「いったい誰が参加できるんですか?…つか、そんな大きな賞いただいたら、ホテルでないの会場は?」と大いに主催した先輩に疑問を投げつけた虫六でしたが…

けっこういるのね、もう定年になった先輩とか、作家なので昼間も動ける(けどたまたま日本に帰ってきていた)先輩とか…。ちなみにみなさんは虫六より一回り年上世代の方々ですが、そんな集まりにヤクザな商売をしているのでなぜか虫六が闖入してたって感じでしょうか。

車でしかやってこれないお店で、このご馳走…。奥に鎮座しているのは、フランスから空輸でやってきたターキー君の丸焼きです。当然、ワインでしょ。しかし、助手席に乗ってきた人以外、全員がノンアルビールで談笑。さすがに面白いですね、土屋研究室の先輩方は。話、とまんないです。オイラは助手席組なので遠慮なくワイン飲みましたですけどね。
でも、大学で得るものって、コツコツ自分が勉強がんばって成長することも大事だけど、同じ大学なり研究室で同じ空気のなかで勉強した経験って、実際に学年がかぶっていなくても文化的温度の共有感っていうものがあるなと思ったし、それを共有できる縦なり横なりの人の繋がりっていうのは、その後の人生ではとても重要な財産なんだな…ということを、この会話の中で実感しました。

ま、いろいろささやか過ぎてハラハラした部分もありましたが、濃ゆい先輩方の武勇伝みたいなむかし話もいろいろ聞けて、アットホームなお祝いの会でした。いまも変わらない土屋先生。楽しく過ごしていただけて良かったです。いつまでもお元気でいてください。

お祝いに持参した吉野桜の花束です。もう、春ですねー。

2016年3月23日水曜日

シアター・コクーン「エターナル・チカマツ」

恒例の激務マンスリーに突入でブログを更新する余裕もないのに、見て来てしまいましたシアター・コクーンで上演中の「エターナル・チカマツ」を。


◆『ETERNAL CHIKAMATSU』-近松門左衛門「心中天網島」より-
シアター・コクーン
2016/3/10(木)~3/27(日)

作:  谷 賢一
演出: デヴィッド・ルヴォー
出演
   ハル 深津絵里
   小春 中村七之助
   おさん 伊藤 歩
中島 歩、入野自由、矢崎 広、澤村國久、山岡弘征、朝山知彦、宮 菜穂子、森川由樹、
中嶋しゅう、音尾琢真
最近、偶然かも知れませんが、近松ものの現代版やドラマやらが多いので、近松ってシェークスピアみたいな感じで捉えられているんだろうか…と思っていたら、D・ルヴォー氏がまるでそんなことを言っていたのでビックリしました。イギリス人は近松をどのように解釈するんでしょう。

『心中天網島』の“世界”に棲む小春と、いまの大阪で、死んだ夫が残した借金返済のため身を売って稼いでいる女(ハル)が蜆川(近松・心中ものの舞台として有名)の橋の上で出会い交わっていく物語。見せ場は前幕の小春心中の場面。七之助が迫力の演技力を魅せてくれますが、これが型としていっそう美しく舞台に映えておりました。えびぞりぃ〜。

七之助は可憐で健気ないい小春。男性の役者が相手ならなんの違和感もないところ、しかし、女性としても華奢で小柄な深津絵里が相手なので、なんちゅうかリアルに身体の性差が気になるということはありました。
小春が棲む虚なる物語世界(向こう側)とハルのいる現実世界(こちら側)との、パースペクティブが錯誤する感じはたぶん面白いはずなのですが、なんとなくちぐはぐに見えてしまう。どこかのピースが噛み合ってないのかな。
ハルが借金を完済するまでに何万何千回身を売らなければならないって計算する場面と、戯曲になってしまった小春の恋は、何百年も上演され続けて、その度に小春は治兵衛に殺される(実際に同じ場面が繰り返し演じられる)というのが重なって見えてくるのですが、小春とまるで瓜二つの境遇のはずなのに、二人が絡むとハルが纏っているはずの哀れ感はなんだか希釈されてしまうのでありました。
ハルがおさんと絡む後幕の方は、五左衛門に夫婦が引き裂かれる場面が省略されてしまったこともあり、さらに個人的には少しダレたかなという感想。
演出は能的な世界感を狙っていたのか、小春なんかは世話物歌舞伎のヒロイン(もとは文楽ですが)というより、蜆川の橋の上の行ったり来たりして成仏できない、中世的な幽玄なあの世の存在として映りました。それは、とても幻想的で美しかったけれど。

とはいえ、舞台の最後に(ここからネタばれ注意→)あっと驚く早変わりがあって、全ては現代劇の寸法に収められた!って感じで、全体的には脚本はよく練られていたと思います。
脇の俳優さん、狂言回しの中島しゅうさんや、イサオ/孫右衛門の音尾琢真さん、達者でした。
それから余談ですが、劇中歌で小春の歌が流れるのですが、女声なのに七之助の音感が良いのにびっくり。ポテンシャル高いわ—。

劇場グッズはいまいち食指が立たず、珍しく今回はスルーしました。


2016年3月8日火曜日

2月に読んだ本

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:616ページ
ナイス数:11ナイス

わたしの渡世日記〈上〉 (新潮文庫)わたしの渡世日記〈上〉 (新潮文庫)の感想
高峰秀子さんの文章は本当に読みやすい。5才から子役スターとして家族を食べさせるために映画界で活躍、ロクに小学校にもいけず青年期は学歴コンプレックスで葛藤があったという。文章の上手下手は学歴カンケーないな。学校で身につける以上に鋭い観察眼と深い洞察力を持つ方だったのだろう。だからこそ小さい頃から自分が置かれた状況の中で冷静に大人の世界を捉えることができたのだろう。さらに驚くべきはその記憶力。そして愛される人というのはどこまでも人を虜にするんだなと、本人は何気なく描くエピソードに目を丸くした。上巻は終戦まで。
読了日:2月27日 著者:高峰秀子


知られざる芸能史 娘義太夫―スキャンダルと文化のあいだ (中公新書)知られざる芸能史 娘義太夫―スキャンダルと文化のあいだ (中公新書)の感想
かの国鉄・十河総裁も若いころ娘義太夫に嵌ってたと別の本で読んだが、江戸時代には禁令が出され、明治には青年達に追っかけ連を組織させるほど大流行した芸能なのに、いまや歌舞伎・文楽のように見る機会がないのはもったいない。著者は娘義太夫の歴史を丁寧に紐解きながら、何がこの芸能を衰退に追いやっていったのかも検証しており興味深い。一世を風靡した呂昇の芸風が「歌い型」とされて上級なものとされず継承者がないとか、女性が担う芸能の立ち位置や難しさが伝わってきていろいろ勉強になった。とりあえず現役“女義”の芸を観たい。
読了日:2月7日 著者:水野悠子

読書メーター

2016年2月29日月曜日

2月にあったこと振り返り、自分の備忘録として

ぼやっとしていたわけでは無いけれど、気がつけば2月が終わってしまいました。
今年は閏年で1日儲けました。
いろいろ整理のつかないことばかりでブログに手が伸びませんでしたが、自分の備忘録として、メモ書き。


2月13日〜15日。函館帰省。
本当は進学した虫六子が夏休みに忙しかったので、夏の予定を延ばしてひさびさのゆっくり帰省の予定だったのですが、事情が変わってしまった。先月、義母が転んで入院、そのまま立てなくなり介護施設に入ってしまい、義父が独居状態になってしまったので。

家人Tが先月緊急帰省で役所の手続きとかなんとかいろいろやってきて、今回は虫六子もつれて、お見舞いとか家の片付けとか、関係者へのお礼参りとかもろもろ…。とてもとても3日間では焼け石に水でしたが…。

新青森ーと函館を往復していた「スーパー白鳥」も乗り納めか…とか思っていましたが、これからは単身赴任さながらに北海道新幹線を利用しなければならないのかな。


18日。
翌日(19日)早朝から取材の仕事があり、福島市の飯坂温泉駅最寄りの宿に宿泊していたところへ、クマガイさんから講談師・神田陽司師匠の訃報を受け取る。我々が制作した21世紀紙芝居「蛇蝎姫と慙愧丸」の語り手としてかけがいのない方だった。2年くらい前に入院したということを聞いたりして体調のこと心配していたのだが、帰らぬ人となってしまい無念。骨髄線維症という難病だったことを知る。
お葬式はご実家のある尼ヶ崎市で行われるということで、クマガイさんに「仙台二十一世紀紙芝居一同」でお悔やみを手配していただいたけれど、ご焼香にいけないことが悔やまれる。とてもとてもお世話になった方だった。

 21日。新宿の梅。

1本の木にだけ、沢山の小鳥が集まっていた。

22日 国立小劇場 文楽
豊竹嶋大夫引退興行の千穐楽を、N姐さん、虫六子と見る。
昨年10月に人間国宝に認定されたばかり。住大夫さんが引退して、実力人気とも十分の嶋大夫さんが次の時代を牽引していくと思っていたのに、突然の引退会見がネットで流れて呆然とした。引退の理由は、少なくても健康問題ではないらしい。
最後の床を目に焼き付けたいと思っていたけれど、小さいお体から朗々と湧き出る張りのある艶声はその日出演していた誰よりも声量があり、また、情感に溢れており、なぜ今引退なのか謎は深まるばかり。
演目は「関取千両幟」で、嶋大夫さんは掛け合いのおとわ役。おとわの人形は蓑助さんが遣った。三味線は寛治さんで、演目中の場転で寛治さんのお孫さんの寛太郎さんがアクロバチックな曲弾きを披露…。でも、嶋大夫さんの語りにたっぷり浸りたかった私はかなり興醒め。どうして劇場は、引退興行にみんなが望むような切場語り・嶋大夫の得意な演目でなくこんな演目を選んだのか。
住大夫さんの引退の時の大騒ぎに比べても、謎に包まれた嶋大夫さんの引退劇をマスコミや芸能評論家も真っ当に取り上げていないところに、素人の私でさえ文楽協会に広がる闇を感じざるを得ないのであった。

芸は人が身につけ人が育てていくものだけど、それだけに、人の態度や感情に左右され、時に政治が作用して、生かされも殺されもする。ほんとうにめんどくさい。芸能史を紐解くと、人気や実力があるものが円満な芸能人性をおくっているとは限らない。今回の一件についてもいつかその真相に光があたり、芸能史に刻まれることがあるのかな。せめて門下のお弟子さんたちが見事に成長して、ちゃんと活躍できますようにと心から願わずにいられない。


2016年2月3日水曜日

1月に読み終わった本

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1148ページ
ナイス数:57ナイス

るきさん(新装版) (単行本)るきさん(新装版) (単行本)の感想
あの「るきさん」が新装版になって再刊。時代も流行も超越したるきさんのキャラクターは相変わらずキュートなのですが、どっこいHanako世代の象徴のようなえっちゃんも何か普遍性をふくんでいる気がしました。表紙はハードからソフトカバーになったけど、カラートーンの冴えもそのままに再現されていて、ファンには嬉しい。巻末に加えられた2003年版のるきさんの図書館のエピソードもほのぼの。えっちゃん、もうOLさんではない雰囲気だったけど、小川君とはどうなったのかな?
読了日:1月30日 著者:高野文子

海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)の感想
やっと出た7巻。登場人物紹介の幸さんの表情を見ただけでドキドキしてしまうのでありました。姉妹それぞれの不器用な恋模様もすこしづつ変化しているようで…。今回は佳乃ちゃんと坂下課長の関係が良かった。それから山猫亭のおやじさんの舵取りが素晴らしかった。ミドリさんの煮魚定食も食べたいです。…と思ったら千佳ちゃんの暗い顔…。次号は秋か、秋なのか!また1巻から読み返して待つしかないのう。
読了日:1月25日 著者:吉田秋生

ふたがしら 6 (IKKI COMIX)ふたがしら 6 (IKKI COMIX)の感想
…芳…。 (この時点で私的にはクライマックスを迎えてしまいました) 宗次は仏じゃないかんね、いちばんおっかない奴だかんね。
読了日:1月23日 著者:オノナツメ





フイチン再見! 6 (ビッグコミックス)フイチン再見! 6 (ビッグコミックス)の感想
としこさんの男っぷり(?)の良い啖呵が惨めな時代の空気を一掃していて手足が伸びる。進駐軍も味方にしてしまう魅力は凄い。お父さん淳一さんも日本に帰ることなく命を落としてしまい、心細い一家の大黒柱となった姉妹の奮闘。威勢良く小さな家を買うところもいいなぁ。髪をばっさりも半端ないヘアスタイル。それにしても、影を持つ謎の男・関屋と本当に結婚するのか?
読了日:1月4日 著者:村上もとか


足摺り水族館足摺り水族館の感想
絵的には独特の世界感をもっていて、かつ、相当の技量も感じます。冊子全体をアートコーディネイトしていく作り方も面白いし、新しいものをみた感じ。そのような形態であるがゆえに(?)ストーリーはかなり追いにくく、夢とうつつが混濁してあるような断片的でシュールな世界…ですが、この感じは個人的には好きです。
読了日:1月4日 著者:panpanya




妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)の感想
『妹背山婦女庭訓』は全部で五段構成の演目ですが、舞台にかけられる時には「山の段」「道行恋苧環」「三笠山御殿」とバラで演じられることの方が多いので、こんな話かといろいろ合点。入鹿の人を越える妖力は鹿の血が混じる出生に秘密があったとか、淡海はただの正義の味方でなく過失で一度クビになっててがそれをリベンジしたい目的もあったとか、よく見るお三輪の場面は全体からみればホンの後半の部分に過ぎなかったとか。岡田さんの絵も変型折込み縦長画面でここに極まった絢爛たる大迫力!圧巻。しかもそれが場転になっているとこがまた凄い!
読了日:1月2日 著者:近松半二,橋本治

国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4))国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4))の感想
橋本治・岡田嘉夫コンビ(?)の歌舞伎絵本の続刊が出ていた(既刊3巻はゲットしてました)ことを『義太夫を聴こう』で知り、慌てて入手。『国性爺合戦』という作品は、中国が舞台で奇想天外な英雄譚という筋立てが近松門ものというイージと結びつかず、捕らえどころがなかったのですが、このくらいのあらすじにしてもらえると、すんなり入って来ました。たしかに歌舞伎っぽいぞ(そのまえに文楽ですが)。岡田さんの華麗な絵も魅惑的で、これは舞台映えするなぁーと、勝手に想像しました。
読了日:1月2日 著者:橋本治

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