「はい、ありがたく!」と「もちろん、喜んで!」の2通り。…厳しい世界なんですね。
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正直なところチラシを見た時に、「えぇ?これ、どおよ?」と思ってしまいました。門付け芸の津軽三味線ならまだしも野外の神楽舞台で長唄三味線一丁で大丈夫かなぁ?しかも前後はたっぷりの神楽舞で、しんどそうだなぁ…と他人事ながら不安がよぎったのでした。テツクロさんのお三味線、大好きなので余計に。
先ほどまで神楽が舞われていた舞台に松羽目の幕が張られて、能舞台仕様になり、テツクロさんが一人紋付き袴姿で登場です。1曲目は「勧進帳の滝流し」、松羽目ものってことで。MCで、「いまお神楽で清められた舞台に、歌舞伎の下座音楽なんて俗なものをやってしまって申し訳ない」とか言いながら、「神楽に比べたら、ホンの最近の芸能ですよ。歌舞伎800年、三味線500年…」と歴史の話題。たしかに、歌舞伎なんて悪所に花開いた芸能ですものね、俗の極みと言えましょうか。でも、お江戸と違って田舎の方はあんまりそんな棲み分けないですよ。「お祭り」は聖俗入り交じってますから〜。
その後からは、下座音楽の春夏秋冬をトークと大曲のさわりを交えながら、構成して聞かせてくださいました。「佃の合方」(吾妻八景)→「千鳥の合方」→「虫の合方」(秋の色種)で、このあたりまでやったところで、件のポン菓子屋さんの大きな爆発音が…。観客の集中が途切れて、MCしていたテツクロさんも「皆さんも気になるでしょうけど、私もさっきから気になって、いつなるんだろ、いつなるんだろって心配で…(苦笑)」と。そんな話をしていたら、目の前の名前立てがスワリが悪かったのか風が吹いた拍子にパタン!すると今度はボンネットバスが舞台の後ろをブッブ、ブッブと通り過ぎていき…。
話上手なテツクロさんなので、その状況を面白おかしいお話にして場を沸かしていたんですが(それはお見事というしかありません)、演奏する身にとってはストレスだったでしょうね。普通の演奏家だったら怒って帰ったかもですねー。そのプロ魂に脱帽しました。この経験を、どうぞ今後のネタにしてください。(っていうか、本日市内の別会場で演奏会があったはずなので早速ネタになっているかな?)
で、そんな話で笑いを取り、ポン菓子屋さんの「んボンッ!!!」にハラハラしながら、次に演奏したのは「雪の合方」で、これが(!)虫六が今個人的に一等はまっている「都風流」の雪の合方を演奏。待ってました!心配通り、かっこよく「トチチリ・チリチリ…」やっていたのに、「パタン」「ブッブ」「んボンッ!!!」。(うへぇ、しんとした会場でテツクロさんの「都風流」を丸々聞きたいよぉ〜〜o(;△;)o)そして、締めは「鏡獅子」の「大薩摩」でした。
ご本人は大変だったと思うのですが、観客は喜んでました。さわりでしたが、下座音楽の面白さが伝わったのではなかったでしょうか。お疲れ様でしたーm(_ _)m
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「産屋」は、天孫・ヒコホボデミノミコトが、龍宮の娘・トヨタマヒメと結婚してヒメは懐妊するけれども、出産の場面を見ないと約束して産屋に入ったのにミコトが覗いて、ヒメの龍神の本性を見てしまい、驚いたミコトが産屋を打ち破って御子を救うという話です。正体を見られて、トヨタマヒメが我が子を妹のタヨリヒメに預ける「子別れ」の場面が泣かせます。
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それにしても、これ、なんど見てもトヨタマヒメに同情してしまいます。どう考えてもヒコホボデミノミコトの方が傲慢で蛮行甚だしいと思わずにいられない。天孫だかなんだか知らないけれど、別種族だからって一度は子をなす間柄の女性から、子どもを取り上げて、あげくの果てに殺しますか?!どおゆう了見だよ〜!日本人の先祖って野蛮すぎですー(涙)
昔からずっと繰り返し上演されてきたふる〜〜〜い物語ですが、日本の神を正当化(?)するという大枠のテーマながら、その中にトヨタマヒメの悲劇という、それとは別次元のモノ語りの描写を丁寧に入れ込んでいる構造は面白いと思います。前段のトヨタマヒメと後段の般若顔のヒメが同じ人物(というか神様ですが)とは思えないほどです。清姫などの変化モノの元祖なんでしょうけども、物語としても一貫性を重要視しない手法に歌舞伎などとの共通点を感じて、こういうのは日本独特なんだろうか?と思ってしまいました。
だれか調べているのかな、探してみよう。
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