読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2017ページ
円朝の女
主人公は幕末から明治に活躍した大名人・三遊亭円朝。語り手は元門弟で五厘の円八。噺家よろしく流暢な語り口がまず巧くて、落語を聞くような心地よさ。社会制度も身分もがらっと変わってしまったご一新の時代に芸人が邂逅し心をかよわす女達。身分も境遇もいろいろだけど、必死で自分の生を生きている。松井作品のあの人この人にちょっぴり重なって、どっちがかモデル?と思わなくもないですが、この時代の女の生き方を描くのが松井先生のテーマでもあるのかな。どうして円八が語りだったかという下げも含めてお見事でした。
読了日:09月26日 著者:松井 今朝子
にんげん蚤の市
稀代の女優・高峰秀子のエッセイ集、復刊本です。少々辛口なシャッキリしたお人柄が行間に滲み出ていて好ましい気持ちとちょっぴり恐い気持ちが入り乱れます。こういう人の文章を前にも読んだなぁと思い出したのは白洲正子さんですね。エッセイ自体はおっちょこちょいを強調なさっているけれど、古き善き時代に自立していた女性の気骨というものなのかも。繊細な方なのでしょう。女優時代のエピソードは思ったほど出て来ませんが、その仕事をどんなに冷めた態度でこなしていたかは伝わってきます。
読了日:09月21日 著者:高峰 秀子
稀代の女優・高峰秀子のエッセイ集、復刊本です。少々辛口なシャッキリしたお人柄が行間に滲み出ていて好ましい気持ちとちょっぴり恐い気持ちが入り乱れます。こういう人の文章を前にも読んだなぁと思い出したのは白洲正子さんですね。エッセイ自体はおっちょこちょいを強調なさっているけれど、古き善き時代に自立していた女性の気骨というものなのかも。繊細な方なのでしょう。女優時代のエピソードは思ったほど出て来ませんが、その仕事をどんなに冷めた態度でこなしていたかは伝わってきます。
読了日:09月21日 著者:高峰 秀子
双調平家物語8 - 保元の巻(承前) 平治の巻I (中公文庫)
保元の乱とは、藤の一族(摂関家)が自滅する戦いだったんですね。東武者の源義朝の痛いほどの「俺が俺が」感に対して、都武者・平清盛の抜け目のないクレバーさ。怖えぇ。中大兄皇子と鎌足が夏草の上で語り合った国造りの理想はいずこ…。それにしても、やっと軍記物らしくなってきました。勝ち名乗りの大仰は芝居好きには堪えられませんな。
読了日:09月19日 著者:橋本 治
保元の乱とは、藤の一族(摂関家)が自滅する戦いだったんですね。東武者の源義朝の痛いほどの「俺が俺が」感に対して、都武者・平清盛の抜け目のないクレバーさ。怖えぇ。中大兄皇子と鎌足が夏草の上で語り合った国造りの理想はいずこ…。それにしても、やっと軍記物らしくなってきました。勝ち名乗りの大仰は芝居好きには堪えられませんな。
読了日:09月19日 著者:橋本 治
THE LAST SHOW 坂東玉三郎「ありがとう歌舞伎座」
2009年7月に出た篠玉コンビの講談社版「ザ歌舞伎座」は内容的に買う程じゃなかったな感があったので、これはどおよ?でしばし迷いましたがこちらは満足度ありました。歌舞伎座ラスト3ヶ月の舞台裏表のドキュメント。舞台屋上からのショットや立ち稽古と本番の同じ場面のショットは見応えあり。あの頃役者も最後の舞台に気迫がこもっていました。ずっと玉三郎を撮り続けてきた篠山。その思い入れを受けて歌舞伎座の地霊のようなものまでイメージに収めいてぐっときました。安齋重雄のアートドキュメンタリー写真集と見比べてみるのも面白い。
読了日:09月14日 著者:篠山 紀信
2009年7月に出た篠玉コンビの講談社版「ザ歌舞伎座」は内容的に買う程じゃなかったな感があったので、これはどおよ?でしばし迷いましたがこちらは満足度ありました。歌舞伎座ラスト3ヶ月の舞台裏表のドキュメント。舞台屋上からのショットや立ち稽古と本番の同じ場面のショットは見応えあり。あの頃役者も最後の舞台に気迫がこもっていました。ずっと玉三郎を撮り続けてきた篠山。その思い入れを受けて歌舞伎座の地霊のようなものまでイメージに収めいてぐっときました。安齋重雄のアートドキュメンタリー写真集と見比べてみるのも面白い。
読了日:09月14日 著者:篠山 紀信
ウツボラ(1) (F×COMICS)
正統派耽美ですね。朱と桜、…謎です。睫毛が罌粟系植物の雄蕊みたい。溝呂木の若い時代がちょっとかっこいい。何かあるのかな。話の行方はまだ闇の中。
読了日:09月09日 著者:中村明日美子
正統派耽美ですね。朱と桜、…謎です。睫毛が罌粟系植物の雄蕊みたい。溝呂木の若い時代がちょっとかっこいい。何かあるのかな。話の行方はまだ闇の中。
読了日:09月09日 著者:中村明日美子
卒業生-春- (EDGE COMIX)
うわっ、間違って「春」から読んじゃいました。ハラセンの「目玉焼き妄想」がキテて可笑しい。それに比べて真壁君の涼やかなエロさよ。佐条君のほんのり頬を染めてはにかんだ表情に勝てるものなし(爆!)それにしても、女にキョーミのない男子ってなんでかっこいいんでしょうね?
読了日:09月06日 著者:中村 明日美子
うわっ、間違って「春」から読んじゃいました。ハラセンの「目玉焼き妄想」がキテて可笑しい。それに比べて真壁君の涼やかなエロさよ。佐条君のほんのり頬を染めてはにかんだ表情に勝てるものなし(爆!)それにしても、女にキョーミのない男子ってなんでかっこいいんでしょうね?
読了日:09月06日 著者:中村 明日美子
卒業生-冬- (EDGE COMIX)
よくぞこんなに爽やかに繊細に、かつ、エロくBLが描けたものか。脇もいいですね。ハラセン、谷君、巧い!つか、間違って先に読んじゃった「春」を再読だ!
読了日:09月06日 著者:中村 明日美子
よくぞこんなに爽やかに繊細に、かつ、エロくBLが描けたものか。脇もいいですね。ハラセン、谷君、巧い!つか、間違って先に読んじゃった「春」を再読だ!
読了日:09月06日 著者:中村 明日美子
坂東玉三郎―歌舞伎座立女形(たておやま)への道 (幻冬舎新書)
たぶんはじめに「玉三郎美しい(大好き)。歌右衛門グロテスク(嫌い)」があって書いている気がするのは穿った読み方でしょうか?劇界の政治や慣習ということも確かにあろうし、歌右衛門と玉三郎の関係がなんとなく闇に包まれているのも気にはなるけれど、たとえ文献に残るメッセージひとつにも、他の人には嫌みに聞こえる言葉が、身をもって芸道の中にいるもの同士でしか(そしてある高見に到達したもの同士でなければ)分からない心の交流や了解というものがあると思うのです。そんな風に信じたいけどな。だって芸は玉三郎に伝わっているわけだし
読了日:09月05日 著者:中川 右介
たぶんはじめに「玉三郎美しい(大好き)。歌右衛門グロテスク(嫌い)」があって書いている気がするのは穿った読み方でしょうか?劇界の政治や慣習ということも確かにあろうし、歌右衛門と玉三郎の関係がなんとなく闇に包まれているのも気にはなるけれど、たとえ文献に残るメッセージひとつにも、他の人には嫌みに聞こえる言葉が、身をもって芸道の中にいるもの同士でしか(そしてある高見に到達したもの同士でなければ)分からない心の交流や了解というものがあると思うのです。そんな風に信じたいけどな。だって芸は玉三郎に伝わっているわけだし
読了日:09月05日 著者:中川 右介
大奥 第6巻 (ジェッツコミックス)
ファムファタル綱吉の老いの描き方が秀逸。男にも女にも憎まれつつ愛された権力者の最後がせつない。右衛門佐との真の心を交わせたのが救いです。…などと思っていたらもっと強烈な登場人物が。左京…この方も屈折しまくりのバックグランド(っていうか、この母親怖すぎです)を抱えつつ、どう大奥の政治に食い込んでくるのでしょうか?そして、絵島生島イキますか!
読了日:09月01日 著者:よしなが ふみ
ファムファタル綱吉の老いの描き方が秀逸。男にも女にも憎まれつつ愛された権力者の最後がせつない。右衛門佐との真の心を交わせたのが救いです。…などと思っていたらもっと強烈な登場人物が。左京…この方も屈折しまくりのバックグランド(っていうか、この母親怖すぎです)を抱えつつ、どう大奥の政治に食い込んでくるのでしょうか?そして、絵島生島イキますか!
読了日:09月01日 著者:よしなが ふみ
貴女のコメントを楽しみにしてマスた!
返信削除個人的にハラセンにはシアワセになって欲しいッス♪
中村明日美子は、やはり男子を描かせた方が、キラリ光るんじゃないスかね?つーか、女子×女子ってのも見てみたい気もするであります。
>銀子さん
返信削除ハラセンにはファンが多いと見ましたよ。なんかね(笑)
ありがとうございました。また、よろしく!