2010年10月21日木曜日

シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど

去年の暮れ(12月)に歌舞伎座でやっていた中村屋一座の「大江戸りびんぐでっど」がシネマ歌舞伎になって、S市にやってきたので仕事帰りに見に行ってきました。

「大江戸 歌舞伎」って、タイトル違ってますけど( ̄◆ ̄;)
電光掲示板の文字数足りなかったのか?
会場に入ると、予想通りといいますか、シルバー度高いといいますか、観覧者数も数えられるくらいで、夜の部とは言え「特典無し・割引き無しの2000円ぽっきり」なんてのにするから余計に客足遠のくんでないか?と思いました。そして、本編上演の前に、予告編流してどおすんの?もう見に来てますから!

でも、映画は(というか芝居は)想像以上に面白くて満足しました。

げげげ、こんなに面白かったらやっぱり12月の公演を無理しても見に行けば良かったよ、でありました。
例えば、「彌十郎丈にギャル言葉で話させる」とかいうと、そういうアイディアはいかにもありそうで、いかにもな陳腐なイメージも沸くんですが、実際に役者の身体を通すとなんだかやっぱり面白いんですね。不思議なことに。
中村屋の新作も、染五郎丈が若手とかける新作も、脚本の出来不出来はいろいろあるのかもしれませんが、それを凌駕して稽古数日で「芝居」にしてしまう歌舞伎役者の身体能力の高さというか、消化力というのは、毎度凄いなぁと思うのですが、このお芝居もそれでした。まずは。

とはいえ、松竹さんや勘三郎さんには公算があったのかもしれませんが、コクーンやパルコではなく、いきなり歌舞伎座のお客さん(しかも、さよなら公演)相手に新作を任されたクドカンのプレッシャーやいかに???…と、ちょっともの凄すぎて想像がつきませんね。大人計画のお客さんが来ても多勢に無勢でしょうし。(でも、勘三郎さんはそういうお客さんを歌舞伎座に呼んできたかったのでしょう)
実際にもあの当時は賛否両論だったそうですが、どこが賛でどこが否だったのか知りたく思いました。虫六は見る前は「どおよ?」だったのですが、☆4つくらいはあげたいです。実際に舞台を見ていたらまた変わっていたのかもしれないですけども。
とにかく、同時代的に旬の歌舞伎を表現していきたいという勘三郎丈の心意気は十二分に伝わってきました。
映画のメリットもあって、ダンスシーンなどは天井からのカメラアングルもミックスして、躍動感ある編集で良かったです。


そして、虫六としてはクドカンの脚本・演出も面白かったのです。全体を流れるシュールでシニカルな死生観は、クドカンというよりしりあがり寿的世界という感じがしました。舞台絵もしりあがり氏だったせいもあるけれど、これは「真夜中の弥次さん喜多さん」の世界観の延長上にあるなという感じでした。「弥次喜多」の映画も撮っているし(しかも七之助で)、近しいイメージを持っているのかな。脚本・しりあがり寿と言われても違和感なし!とは言い過ぎですかね。

一応、パンフレットは買ってみましたが、これは失敗。
誰に読ませたいのか?と声に出して言いたくなりました。しかも700円。
どこまで、割高なんだシネマ歌舞伎!

とか言いながら、「わが心の歌舞伎座」の前売り券を買ってしまいました (;´д`)
またも特典なしだよ。この切符のデザイン以外は。
まさか面白いんだろーなー。
頼みますよ、松竹さん。




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