2013年2月3日日曜日

1月に読んだ本

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1356ページ
ナイス数:31ナイス

ヘンな日本美術史ヘンな日本美術史感想
給料をもらって美術史や美術批評をしてる人の見方とは違う、画家ならではの審美眼。描けるからこそ見えてしまう先達の画業の到達点や苦しみどころがずっぱずっぱと言葉になって(しかも理屈っぽくない)、目が開かれることばかり。日本美術ってなんて魅力的!終章では、明治以来日本の洋画には西洋絵画・西洋美術界という「宗家」があり、それが初期において非常な変革期にあったため、以後、変革の受容という洋画の体質を決定づけた。それに学びつつ独自の境地を開いた画家もいたけれど、「宗家」に沿っていないゆえに生き埋めになってしまったと。
読了日:1月27日 著者:山口晃

あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)感想
楽屋訪問の章などは、ミーハー全開で「別に私は研究者でも評論家でもないもんね」と美味しい仕事にほくほくしている様子がちいと引きそうになりましたが(苦笑)、「仮名手本忠臣蔵」や「桂川連理柵」「女殺油地獄」などの三浦流物語解説(?)などは、興に乗せられて気持ち良く(ゲラゲラ笑いながら)面白く読まされちゃいました。落語や『浄瑠璃素人講釈』に話題を広げて行くところとか、さすがに上手いなぁ。それから文楽の三味線方のお三味線用胴掛けが20万円もするというのが一番ビックリだったかな。
読了日:1月14日 著者:三浦 しをん

聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)感想
仕事でお話を聞くことが増えそうなので、ベストセラーなのね…と思いつつ手にしたのでした。読みながら思ったことは、仕事のことは置いといて、最近、誰かと日常レベルでも、たっぷり面白い話を聞いたなあとか、余計なことまでしゃべってしまったなぁとか、そういうことしていないかも…ということでした。
読了日:1月6日 著者:阿川 佐和子




ものみな過去にありて (仙台文庫)ものみな過去にありて (仙台文庫)感想
いがらしみきおのあの作品この作品の「あの感じ」に横たわっている暴力的な感触やにおい、違和感のようなものが、過去の記憶の中に生々しくあるんだということが感じられて、もっときちんとこのペーソスを噛みしめつつ読むべきであったか…とか思いました。が、なんだかとても読みやすくて、話の上手なおじさんから何でもない話を少々盛ってもらいつつ面白く聞く時のワクワクする感じで、あっという間に読んじゃいました。タイトルの最初に挿入される細長携帯写真が取りとめなくてなんだか哀しかった。
読了日:1月2日 著者:いがらし みきお

I【アイ】 第2集 (IKKI COMIX)I【アイ】 第2集 (IKKI COMIX)感想
「岡島にんげん農場」というのが、設定だけですでに禍々しいというか怖いです。誰もが不吉を感じその感情も含めて存在することを見過ごされる巨大な穴や、死人が出ると弔いとして振舞われる死者の肉。数々の避け難い違和感を口にすることなく過ごす農場の生活。農場から抜け出した雅彦はどこへ…。「神はいねがった」「ひとりで生きろ」って…、イサオって何者?次巻が気になるけれど、読むのも怖いです。
読了日:1月1日 著者:いがらし みきお

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