多賀城市にある東北歴史博物館では、鳥瞰図で有名な吉田初三郎の展覧会を開催しています。
夏がやってきたかのような晴天です。
○「美しき東北の街並み〜鳥のまなざし吉田初三郎の世界〜
期間 2013年4月27日(土)~6月16日(日)
時間 午前9時30分~午後5時(発券は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は翌平日)
観覧料金 一般500円(400円)・シルバー400円(320円)
高校生200円(160円)・小中学生100円(80円)
主催 東北歴史博物館
共催 河北新報社,NHK仙台放送局
後援 多賀城市,多賀城市教育委員会,多賀城市観光協会,多賀城・七ヶ浜商工会,東北放送,仙台放送,
宮城テレビ放送,東日本放送,エフエム仙台,宮城ケーブルテレビ,朝日新聞仙台総局,
毎日新聞仙台支局,読売新聞東北総局,産経新聞社東北総局
吉田初三郎は、戦前から戦後にかけて活躍した絵師で、観光案内や鉄道の沿線案内などに、独自の画法でパノラマの鳥瞰図を数多く描いて、この分野に「初三郎」ブランドを確立した大家です。八戸市の種差海岸がおきに入りでその地に「潮観荘」という別荘兼画室を設けて鳥瞰図制作をしていたそうで、東北の景観も数多く残しています。
初三郎の絵の特徴は、線路を直線、あるいは、簡略化した曲線で横長の構図の真ん中に描き出し、それを中心に景観を現実がイメージできるようにまとめていくところ。地形を決定づける山や海・入り江の形状を描き、また、ランドマークになる建物なども正確に特徴的に描いていて、その町の個性が伝わってきます。例えば、釜石だったら、鉄鋼の町らしく大きな製鉄工場とそれに向かって何本もの線路が配置されて、さらに黒い屋根の関連工場が町の多くを占めている。さらに海岸には何艘もの黒いタンカーが浮かんでいる…という具合。
線路はずぅーっと奥の方まで伸びていて、その先に「仙台」「東京」という地名が書かれていて、八戸だったかの絵図では「京都」「大阪」って書いてありました。(いくら何でも見えませんから〜)鉄道が日本中に広がって、どこまでも続いているという概念が一般化して、そういうイメージを共有できるようになった時代なんだと思いましたし、それをすっきりと図像化しまとめてしまう、その技量に舌をまきました。
どの絵もとても綺麗なんですよ。本当に景観がこう見えるのかと思えてしまうほど自然に描かれるのであります。
初三郎の鳥瞰図はいわゆる商業デザイン画といいますか、ほとんどは印刷されて人々の手に渡るものですが、展覧会では、原画(これが意外に大きい)・トレース画・印刷物と過程も紹介していて興味深いです。原画でもかなり細かくて「めがね、めがね…」状態だったのですが、印刷になると1/4くらい(かなぁ?)に縮小されてさらに細かいの。日本人って本当に細かい仕事が好きだなー。
超個人的な思い込みですが、…「洛中洛外図」と「山口晃」の間には「吉田初三郎」があるな、きっと。…と思った次第。
たぶん復興予算がらみで企画されたのかな??と察しましたが、これは一見の価値ありました!得した。
特別展の入り口に行く前に特設コーナーで、LADY GAGAのメッセージ入りコーヒーカップが展示されていました。
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