14日は月曜日のお稽古日でしたが、先生と姉弟子のみなさんと、映画館へ行って「シネマ歌舞伎」を見て来ました。
「シネマ歌舞伎」は初体験の姉弟子のみなさん。
今月の出し物は、 玉三郎丈の『蜘蛛の拍子舞』と、亡き勘三郎丈の『身替座禅』!玉ノ井は三津五郎丈という息のあった二人です。双方とも、お芝居というよりも舞踊と松羽目ものなので、長唄や常磐津が入って、我々ごのみでした。長唄演奏はどっちも杵勝会で勝国さんが立てでした。
精細な画面、見たい場面ではぐっと寄ったカメラアングル、そして地唄もばっちり良い音響で聴けて、好評でした。
何より、踊り続けで最後は般若隈の玉三郎丈の美しさと「あの人誰?」の大変身、その大奮闘に脱帽し、チャーミングな浮気男の勘三郎丈に大笑い。あたりの演目でしたね。
それにしても、勘三郎丈のお芝居がたくさんシネマ歌舞伎として残っていて良かったと思います。
息子の勘九郎がドキュメンタリー映画の特典インタビューで語っていましたが、「お父さんは役者として一番いい時期に亡くなってしまったことで、伝説になってしまった」と。こういう映像をみると、そのことをより切実に感じます。この先老いることも、芸に張りがなくなったなんて批判に晒されることもなく、ずっとエネルギーに満ち、脂ののった千両役者の勘三郎の記憶だけが我々の中に残っていくんだなー。
それは、ある意味すごいことですね。
古今亭志ん朝師匠が思い出されました。
ファンとしては、この先の可能性にも期待があったし、どんな形でも勘三郎の生の舞台をもっと見たいと思ってしまうけれど。勘三郎に牽引されて、ひとつの時代を築いた平成中村座の役者たちが、そのまますべて若い中村座の兄弟と一座を共にするということは、この先はあまりないのかもしれないと思うけれど、次の世代は次の世代で力を合わせてやはり活きのいいことをしなければならないのだろうと思う。
そして、座頭が若くなることで、演奏家の皆さんも格を合わせて多少の世代交代を余儀なくされるらしいのね。
まだ玉三郎丈が健在のうちは、勝国さんや直吉さんの演奏は歌舞伎座で聴けると思うけれど、役者同様、その次の世代の演奏家がどう伸びてくるかということにも関心を持たずにはいられないですね。
今となっては幻の、勘三郎丈の『身替座禅』を見ながらそんなことを考えてしまいました。
シネマ歌舞伎は、月替わり上映でスタンプラリーがあり、4つためると「歌舞伎座招待券」(松賞)など賞品があたるらしいぞ。竹賞は「おススメ観劇五つ道具」っていうですけど、なんでしょうね????
ちなみに、この日は映画のあと、三神峯→八木山の桜を眺めながら先生宅へ戻り、みんなで「春興」を合奏しました。(久しぶりで弾いたので、虫六はとちってばっかりでしたが…汗)
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