(東京、思ったほど暑くなかったけれど、建物が寒くて堪えました。温度差ありすぎ。何が節電なんですか〜、内輪もって歩けよ〜!)それはそれとし…
上京の目的は、渋谷パルコ劇場で上演中の「三谷文楽・其礼成心中」を見るためです。
ぴあプレミアム先行予約チケットで数ヶ月前にゲットしていた席だったので余りにも間がありすぎて、黒くなる下準備がなってなく、「ええっ、明日東京に遊び行くって?聞いてないんですけど」と家人Tをアングリさせつつ…。それはそれとし…。
○パルコ・プロデュース公演
三谷文楽 「 其礼成心中 」
公演日程 2012年8月11日(土)~8月22日(水) *虫六観劇日は13日。
作・演出 三谷幸喜
出演
浄瑠璃:竹本千歳大夫 豊竹呂勢大夫 豊竹睦大夫 豊竹靖大夫
三味線:鶴澤清介 鶴澤清志郎 鶴澤清𠀋 鶴澤 清公
人形遣い:吉田 幸助 吉田 一輔 吉田 玉佳 桐竹 紋臣 桐竹 紋秀 吉田 玉勢 吉田 簑紫郎 吉田 玉翔 吉田 玉誉 吉田 簑次 吉田 玉彦 吉田 玉路 吉田 簑之
パルコ劇場は管理が厳しいのかな、写真撮影が劇場内一切禁止。関係者に贈られた花束も撮っちゃいかんらしく、こうなると着席してから舞台前のパンフは撮れないんだろうな…とホール入場前にパンフ写真を撮ろうとごそごそやっていたら、いきなりスタッフさんに怒られました。↑撮影失敗です。
うひゃー。
最近虫六が見聞きしている松竹系の歌舞伎は、こういうところホスピタリティーが行き届いているといいますか、まずは記念撮影コーナーをしっかり準備して、撮影OKのポイントを絞ってそれなりにファンの心を盛り上げようとしています。(猿之助公演の時などは一度幕が上がってから、劇中口上のあとでわざわざ福山祝い幕を下ろして場内を明るくして撮影タイムを設けていたし、心得ているなぁと感心した次第)
パルコ劇場はデパート内の導線案内も??だったし、裏口の階段から行ったせいもあるからか「ホントにやってんの?」っという感じ。会場の待ち合わせ場所でカメラ出しては叱られ、座った席はあんなに早くに余計なお金を足してまで買った割に後ろの方だし、場内の床カーペットもはげていて ┐(´(エ)`)┌う〜んでした。もりさがるなぁ…。
文楽を見に行くとときどき感じることではありますが…、歌舞伎のお客さんのような華やかさがない。基本的に皆さん普段着?なかには首からタオルを掛けた若者まで(←三谷ファンか?)。ほぼ旅モードの虫六も大きいことは言えないんですけどね(^-^; 教養ありますって言う感じのおじさんやおばさんが多いけれど、おしゃれさんは少ない。
……なんていうか、人形芝居を見に来た!という舞台と客席が一体となった祝祭感が皆無でありました。
(少しネタばれあり。これから見る人はご注意を)
で、三谷幸喜の文楽ですが。
「其れなり」に成功したというところなのかな(←きっと誰かもそういうでしょう)。でも、120%前向きにもう一発やってくださいと言う感じです。せっかく三谷人形も作ったことですし。
近松門左衛門の「心中もの」を逆手に、そのブームで一儲けしようとする饅頭やの夫婦のしょうもない喜怒哀楽。文楽人形にも随分フツーの表情があるんだなというところは新鮮。三谷芝居のテンポがかぶりつつ、(この役、役者がやったら誰だっただろう)と想像しながらみました。
ズッコケる所作(?)とか、泳ぐ場面とか、みたことない文楽があったね。曾根ヶ崎心中の劇中挿入もちょっと可笑しい。
台本が落語みたいな話なので、浄瑠璃のみなさんがまじめにやっているほど面白い。お三味線の音はもっと迫力合ってもいい気がしましたが。まいったか〜というハイテクニックな曲弾きでも1曲挿入して、会場から拍手を取るような演出があっても良かったと思いましたが、文楽は品がいいんですね。心中シーンでお決まりのポーズとフレーズが鳴ると、やっぱり日本の芸能ってパロディーで発展してんのよね?!と再認識。
見知った要素が入る余裕がないと、面白くないんですよ。
今回、舞台構成も必見ですね。上手と決まっている床が舞台の後部上空にせり上がっていて、人形芝居の上から義太夫が語るという形。これも面白かったです。
千歳太夫、呂勢太夫、清介さん、みなさんがんばっていました。大重鎮がひとりくらい面白がってお出ましくだされば、もっと盛り上がったことでしょう。文楽界も危機感もってこういう動きに身を削るべきと思いましたが、人形遣いはみんな若手の割に随分がんばったんじゃないでしょうか?応援したい気持ちになりました。人形がみんなチャーミングに見えました。
台本のほうは三谷さんらしい煙に巻いたようなブラックコメディとも言えますし、会場は其れなりに沸いていましたが、もっとどっかんどっかん笑わせてくれてもいいし、スコンと落として欲しかったかも。
文楽の要素をいろいろ使って突っ込みを入れている感じの方が強かったかな(お福面のひとり娘と若男面のかき揚げ屋の息子を恋仲にして、親が心配するシーンとか)。
文楽でもホントに面白いちゃり場はお腹が捩れるくらい笑えますもんね。
でも、事前の予習がなくても話の筋が見ているだけで全部分かるという台本はやっぱり大事ですね。新作がもっと作られていく、それが今後の文楽に求められているもう一つの道なのかもしれません。大事な1歩なんだと思います。
このサイズなら地方公演もできるんじゃないでしょうか?
パルコ文楽が思いの外早くに終わりまして、渋谷に留まると、サイフの紐が緩みそうになったので、早めに東京駅まで移動。時間つぶし。(早割チケットで指定の変更ができない)。帰りの新幹線に乗り込もうとしたら、マックスやまびこでした!(でも1階だけどね〜)
9月のダイヤ改正でE4系は東北新幹線から姿を消すそうです。マックス好きでしたが…。これが乗り納めかなぁ?とか思いつつ、車両番号を撮影。
(でも鉄子じゃないよ、私は!)
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