「ヒゲの未亡人」こと岸野雄一さんが久しぶりでS市にやってきました。「ひとりおっさんパフューム」こと謎の英国人ミュージシャン、マックス・ツンドラさんとのワールドツアーで行脚中なのでした。
つわけで23日、家人Tとライブに出かけました。
S市で「ヒゲミボ」が見れて嬉しいな〜。 と会場に入ると、いきなりこんな立ち絵紙芝居風舞台がセットされていて、目が釘付けに↓ Σ(゚□゚(゚□゚*)
これはすごい!!
ペーパーシアターといっていましたが、まさに立ち絵と紙芝居と映画のドッキング。
芝居小屋風のデザインで、岸野さんの立ち絵風人形が中に入って動きます。
そしてさらにすごいのは、この壁紙を引くとパソコンのモニターになっていて、背景が動画映像になるのです!さらに、それをビデオカメラを通してステージのスクリーンに投影するのですが、いつの間にか背景の映像が直接の投影になり、この小さな舞台にいたはずの岸野さん人形が、実物大の岸野さん(ヒゲの未亡人)となって、パフォーマンスがはじまる…という演出。素晴らしい〜。
映画のシーンをつなぎ合わせ編集したBGVとドラマチックなゲーリー芦屋さんの生演奏、チャーミングなヒゲの未亡人の唄と踊り…クールだわ〜。
3年ほど前にメディアテークで見たときとはまた違う、地下のライブハウスならでは(?)の十八歳未満お断りの淫靡な地獄めぐりテイストになってましたが(笑)、めくるめくような混沌とした感動に包まれる体験は相変わらずでした。それにしても、岸野さんの引きだしにはどんなに沢山の映画や音楽が詰まっているんでしょうか。
【ヒゲの未亡人】
Les vacances de la veuve moustachue
God is a sadist/la veuve moustachue
マックス・ツンドラさんは、これぞヒューマン・テクノという感じで、デジタルで複雑な打ち込みのリズムの上に、アナログ感たっぷりの手弾きを重ねて(ピアニカも使用)、そこに本人の歌も加わるのですが、とにかくハイパーテンションでコミカルな身体の動きに圧倒されます。ツンドラさんの頭の中にある音楽に、全身全霊、まわりの楽器もすべてが同期して疾走するサイボーグのようなパフォーマンスは、凡百のミュージシャンのかっこよさを超えた唯一無二のかっこよさ。しかも、一曲一曲が唐突に終わるたびに、「ありがとござましたー」「おおきに、おおきに」とか絶妙の合いの手(本人の日本語)が入って、まさに緩急自在。
スクリティ・ポリティを思わせるポップな曲から、ダンス・プログレ(?)まで多彩な自作曲に加え、最初の方では、ステージ前方のダンススペースにお客を呼び込むのに、ポール・マッカートニーの「カミングアップ」のカヴァー、後半では映画『サウンド・オブ・ミュージック』で有名な、子どもたちがベッドに行く前に順番にお別れのあいさつをする「ソーロング、フェアウェル、アイ・ニード・トゥ・セイ・グッナイ…」という歌詞の歌(タイトル失念)のテクノ・カヴァーが印象的でした。
ちなみに共演は、アナログ・シンセサイザーとはこういう音であったか!と思い出させてくれる松前公高さんによる宇宙遊泳のようなまったりしたソロ演奏と、地元S市が誇る吹奏楽系チェンバー・ポップ(?)バンド、yumboでした。全部で4グループ、カレーライスと山菜そばと月餅とフォアグラ・ステーキをいっしょに食べるような、ほとんどありえないような強力すぎる音楽性の取り合わせで、その影響か、翌朝のお三味線の練習はかなり不調(…というか、乱調?)でした(爆)。
【おまけ】
「ヒゲミボ」 画:虫六子(お正月の新聞にいたずら書き) |
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