歌舞伎座の今月はベテラン揃い…、そのワケは、
新橋演舞場に主だった若手のほとんどがご出演中だったりするからです。
せっかく上京して歌舞伎座公演を通しでみて、銀子さんちに泊めていただいたので、帰り足がもったいないと、歌舞伎会でチケット申し込んでみたら、翌日の新橋演舞場がけっこういい席がとれたので、「これは歌舞伎の神様がこの公演は見なさい」と行っているんだなと解釈して、昼の部に足を運びました。
新橋演舞場の花形歌舞伎 昼の部は、
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2009/11/post_16.html
通し狂言の「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」
薩摩源五兵衛/家主弥助:染五郎、笹野屋三五郎:菊之助、芸者小万:亀治郎
です。
通しでみたのははじめてでしたが、この話こんなに面白いんだったのか!!と発見がありました。
四世鶴屋南北の狂言で、「東海道四谷怪談」の後日談であり、かつ、「仮名手本忠臣蔵」の外伝として書かれています。また、当時人気のあった並木五瓶作の「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」の書き替え狂言でもあるという、綯い交ぜの世界観の中に描かれた作品です。
ちょうど歌舞伎座で「忠臣蔵」ですので、続けてみたら、タイムリープしたみたいで愉快でした。
花形というに相応しい瑞々しいオーラに満ちあふれた舞台で、人気も実力も有望な若手の集結ということもあり月曜だというのに満席です。物語は、だましたり、殺したりの鬱々とした世知辛い内容ですが、後味が悪くないのは、彼らの存在感が爽やかだからでしょうか。染五郎丈も線の太い立役が出来るようになって来たんだなぁ、亀治郎丈の小万も毒婦というより可愛い色っぽさが憎めない感じでいい(殺されるシーンの海老反り、美しかった!)、そして、菊之助の小悪党・三五郎が素晴らしい。彼は、お姫様だけじゃなくて、色悪をさせてもいいんですね〜!抗しがたい危ない魅力を放っていました。さすが音羽屋さんですわ、納得しました。(と、言うのも、前日の「忠臣蔵」でいちばん凄い!と思ったのは菊五郎丈の勘平だったからです。それまで、虫六のアンテナには菊五郎丈は引っかかったことはほとんど無かったのですが、これは目から鱗でした!)
そして、次は、
「四変化弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり)」で、松禄と愛之助の踊りの競演でした。
どちらも家元ですから、達者な踊りでたっぷり楽しませてくれました。演奏も常磐津、清元、長唄と全部聞ける贅沢な作品です。早変わりもあります。最後の獅子の精の毛振りは、途中で拍手が鳴ってはやみ、鳴ってはやみで4回もわき上がったのですが、それはその間ず〜〜〜〜っと毛振りが続いていたからです。拍手をするお客さんの方がつかれているというのに…。
毛振りがすんで、双眼鏡でアップのお顔を拝見したのですが、顔色一つ変えていませんでした。汗すらかいてないくらい。驚愕です。特に松禄丈の動きは本当にきびきびしていて気持ちが良く、虫六の好みです。
夜の部もきっと面白いことだったに違いないと後ろ髪は引かれましたが、今年最後の放蕩を終えて、帰路につきました。満足したなぁ。
有楽町までぶらぶら歩いていたら、先日「ぶらタモリ」で紹介していた「朝日稲荷神社」を発見!お参りしました。
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