杜の都の演劇祭2009で、相棒クマガイ社長が啄木の評伝をリーディング劇に演出するというので、家族で見に行きました。
プログラムは、「金!〜評伝で綴る啄木〜」
http://www.morigekisai.com/stage_info/B/b_about.html
会場は、「晩翠草堂」。詩人・土井晩翠の旧居跡です。夜で、うまく撮れませんでしたが、周りはビジネスビルやショッピングビルが林立する通りに、時間が止まったように建ってる昔ながらの住居。戦前はこんな佇まいの家が建ち並んでいたのでしょうか。
土壁の部屋に、晩翠先生が息を引き取ったというパイプベッドが置かれています。その前に朗読者2名の椅子が置かれていました。今日は最終日で20名ほどの定員はすでに満席で、うしろに立ち見も出るかも…ということでした。
席に着くと、お茶とはっと汁が出てきました。ケータリングは、S文学館の名物レストラン・杜の小径から、店長のM山さんが作ってくださったもの。ちょうどおなかもすく時間で、寒いところを自転車で移動してきたので、暖かいはっと汁が五臓六腑に染み渡って旨かった。
朗読劇は、最終日ということもあってか、出演者のお二人もテンションが上がっていて、緊張感がありましたが、綱渡りの啄木と節子の人生と重なって伝わるものがありました。啄木って、生意気で才能はあるけど、情けなくて、エゴイストで、ちっぽけなヤツで、絶望と節子に対する執着やあがきが哀しい。そこがクマガイコウキの共感を得たのかな?まるで、クマガイさんが創造したような彼の世界観にはまる人物として浮き上がってきて、とても面白かったです。そして、清貧の中で「いちごジャム」を探して奔走する節子のどうしようもない健気さが美しいなぁ。
死に瀕した啄木と、トロリと甘露な「いちごジャム」との対峙が、クマガイコウキの詩人たる才能を感じるのでした。
そして、終盤の不協和音のように延々と読み上げられる節子の金銭出納帳の無機質な金額メモ…(クマガイさんベーシストだもんね)と、「ひこうき」全篇の朗読。秀逸な構成でした。
このところ仕事が切羽詰まっていて、うっかりするところでしたが、見逃さなくてホント良かった。
帰りは遅くなったので、外食!ってことで、久しぶりに「うまい鮨勘」一番町店へ。はっと汁で小腹が出来ているにも関わらず、ついつい食べてしまいました。いつ来ても、鮨勘は満足度高いです。
写真を撮っていたら、板前さんが卵焼きを1コサービスしてくれました。
うひょ〜、虫六子儲けましたな〜。
帰宅したら、家人Tはさっそく「渋さ知らズ」のCDで、室舘あやさんの「ひこうき」を聞き返してました。同じ詩なのに違って響いてくるのが不思議です。
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