2009年12月26日土曜日

サク、サク、サクサクサクサクー、「先生!」「おうぅ、蕎麦屋か」


昭和歌謡の巨星である三波春夫と村田英雄。お互いを生涯のライバルとしていた言われる二人の対照的な人生を追った番組でした。
浪曲の世界から転身したお二人、浪曲では芽が出ず意を決して自ら歌謡曲の世界に身を投じた三波さんは、明るい声が当時の国民に指示されてあっという間に売れっ子になり、一方村田さんは浪曲時代はコンテストも総なめの将来を期待されたサラブレットで、大御所・古賀政男さんにヘッドハンティングされて鳴り物入りでデビューするものの、なかなかヒット曲に恵まれずに苦悩する時期を送り、3年目にして「王将」がやっとヒットしたということでした。お二人の初めての競演となる「ふたりのビックショー」の司会をなさった山川静夫アナウンサーがリハーサルの異様な緊張感を思い出してコメントしていました。大御所時代のお二人しか知りませんが、「浪花節から歌謡曲への転身」…いろいろあったのでしょうね。興味深いです。

三波さん、虫六子も「『二十世紀少年』の元ネタでしょう…?」とか言ってしまうくらい、圧倒的な存在感あります。8月の歌舞伎座で連続公演を打っていたとか、昔の人ならみんな知っていたんでしょうか。ちなみに、村田さんのことは「石原軍団の人?」って( ̄◆ ̄;)誰だよ、それ…。中学生じゃ知らないよね。

有名な浪曲歌謡『俵星玄蕃』もフルコーラス放映してくれました。(うひょ〜、これ録画すれば良かった〜!)やっぱり、凄く、凄くいいです。あまりに良くて、背筋がゾクゾクしました。いいもの見せていただきました。しかし、この浪曲歌謡もどちらかといえば、晩年のヒット曲だったそうです。(ゾクゾクが収まらないのでYou Tubeで探したら、なんとフルバージョンが出ていました。(*≧m≦*) )


お二人は、晩年、自分たちのオリジンでもある「浪曲」への回帰ともいえる仕事をするようになったそうです。三波さんの歌謡浪曲もそうですが、村田英雄さんもご病気で余命を感じられた時に、昔得意だった浪曲の演目を録画して欲しいとNHKに申し入れて、1曲唸ったのだそうです。この映像も気迫が込められていて圧倒されました。再放送して欲しいです。


三波さんがその生涯最後に挑戦なさった新曲は永六輔さんに作ってもらった唄で『明日花咲くつぼみに』という曲。どうしても力を込めて歌ってしまう三波さんに「90才、100才の人でも、車いすに乗った人でも歌えるような力の入らない唄にしてください」と要求したそうです。しかし、そのとき三波さんもガンを患い、限りある命をかけた挑戦だったとのことで、「そのことを知っていれば、あんな残酷な唄は作らなかった」という永さんのコメントが印象的でした。そして、テレビで流れた三波さんの歌声は、それまでのイメージをうち破った新鮮で、かつ、この上なく優しいものでした。

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