先日、虫六子の期末考査が終わり、我が家はテレビ解禁になりました。(夕食時はもとから解禁ですが…(^-^;
で、「何か映画のDVD見たい!」ということで、見たのが『リトル・ダンサー』。説明はこのさい省略しますが、何度見ても良い映画はいいなぁ〜。というわけで、我が家の映画病に火が付いちゃいました。
偶然ですが(たぶん)、虫六がいま読書中の本は『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』で、この映画版がS市ロードショー中。しかも、監督が『リトル・ダンサー』と同じスティーブン・ダルドリー監督なのでありまして、面白い予感がする(!)と、まだ読み終わってもいないのに、我慢できず、週末久しぶりで家族映画…。
お話はどんなかとざっくり言うと
「パパがどんなふうに死んだか知る必要があるんだ」「なぜ?」「そしたらどんな死に方をしたか発明しなくてもよくなるから」9.11の物語。世界的ベストセラー待望の邦訳。(Amazon「BOOK」データベースより)
の、映画版となります。
まだ読んでいる途中なので、言い切ることもできないのですが、原作の方は分裂的表現というのか、文学でアートしているかのような複雑で噛み応えのある作品です。9.11で突然大好きな父親を亡くしてしまった少年が、父のクローゼットに隠されていた(?)鍵を見つけて、その鍵穴を見つけるためにニューヨーク中を捜索する。主人公の葛藤もさることながら、同じく最愛の人を失ってしまった母や祖母の人生も…
原作(書籍)の複雑さはかなり整理されて、映画の方は追いやすいストーリーになっていたような印象。さすがにスティーブン・ダルドリーという人は子役を使うのがうまい。原作がもっているその辺りの複雑なところを、主人公・オスカー役のトーマス・ホーン君の演技で表現してしまっていた。オスカーの言動はとても過剰で、9.11でPTSDを抱えてしまった子供というのもあるけれど、(映画の中でほのめかしているが)生来的に広汎性発達障害(アスペルガーや自閉症)でもあるのかなぁと思われてしまうところもあり、そんな役をトーマス君が、もしかしてホントに?と思いたくなるような演技をしていて凄い。壊れそうな彼を、自分たちも目一杯しんどいのに見守ろうとする家族の姿も泣ける。
うっ、やっぱり読んでから見れば良かった…(でも、がんばって読みますけどね)
風変わりな、人を巻き込みながらの旅を続けて行く中で、主人公とそれを見守る家族は、お互いを傷つけながらも何かを受け入れて失ったものの隙間を少しづつ再生していき、そこにえもいわれぬ安堵と喜びがあるのですが、いま、私たちが見れば、東日本大震災のことを重ねずにはみられないわけです。物語という形でこの災害を客観視することができるまでには、やはりあと10年くらいかかるんだろうなぁと思いました。
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