2012年3月29日木曜日

京都3日目_渋すぎるシーズンオフの高尾山

京都3日目は、家人Tが仕事で別行動のため、我らは母子で珍道中。先の2日間は、修学旅行コースみたいな内容だったので、今日は虫六も踏み行ったことがないところに行ってみようと、高尾山方面に。地下鉄で二条駅まで行って、そこからJRバスに乗り換えて、まずは栂尾・高山寺に。
 鄙びた参道…。う〜〜ん、渋い!つか、寒い!
完全にシーズンオフという感じで、バスを降りた人も数えるほどでした。

石段も大きな石灯籠も、むっちり苔むしております。

高山寺は創建は奈良時代にさかのぼるらしいのですが、実質的な開基は明恵上人で、建永元年(1206)に後鳥羽上皇よりその寺域を賜り、名を高山寺として再興したそうです。漫画文化の原点とも言われて誰もが知っている国宝「鳥獣人物戯画」をはじめとして、絵画、典籍、文書など、多くの文化財を伝える寺院として知られています。とはいえ、実際のお宝は国立博物館などに預けられていて(「鳥獣人物戯画」も甲・丙巻が東京国立博物館、乙・丁巻が京都国立博物館に寄託されているそうです)、石水院(国宝)の一間のガラスケースに展示されていたのはレプリカでした。しかたありませんね。


 これは、鎌倉時代の仏師・運慶が作ったと伝えられる子犬の彫刻。明恵上人の傍らに置いた愛玩品とのことですが、「鳥獣人物戯画」といい、明恵さんはウイットにとんだ愛らしいものを好む趣味だったのでしょうか。

石水院の南縁から向かいの山を借景にしてのぞみます。間には清滝川。すごく見晴らしがよく、ずっと座ってぼ〜っと1日を過ごしたい感じですが、これ、花が咲き始める春や深緑の夏、そして紅葉の季節はもっともっと美しいでしょうね。枯れた山々の風景が侘びております。虫六はこの冬枯れの風景でも充分に面白かったのですが、高校生にはまだ難しかったようでした(爆)。
縁から一歩下がって畳の上に腰をおろすと、柱と蔀戸、広縁のフレーム効果で額装された風景画のよう…詩仙堂もそうでした。同じ建築様式ってことでしょうか。

 開山堂。明恵上人が晩年を過ごし、入寂した禅堂院の跡地に立っていて、中に明恵上人坐像が安置されているらしい。
山を一巡りして、そのまま神護寺へ向かいました。

 こちらもなかなか渋いです。

 金堂の方から毘沙門堂を見下ろしました。なにやらすごい急な階段でした。

で、寒いと思っていたら降って来ちゃいました、雪が。

本日のメインイベント、「かわらけ投げ」。
絶景です。電柱ひとつ立っておりません。
気持ちいいなぁ。
これがかわらけ。素焼きの杯…。最中の皮みたいな、小さなフリスビーみたいな形ですかね。これを勢いよく遠くまで投げて、厄をはらいます。

遠くまで飛ばず、近くで落ちたかわらけ達。無残…。この絶景の森のいたるところに割れた素焼きのかけらがこのような感じでびっしり落ちているのか…と想像すると、なんとも。

 とりあえず、思いっきり厄払いする虫六子。けっこう遠くまで飛んでいきました。一方、虫六の投げたかわらけは、先ほどみた無残組にほど近いあたりに情けなく落ちていきましたとさ…とほほ。杯の方向ではなく、底を上にフリスビーのように投げるのがコツのようです。

 寒いので、早々に引き上げて、八坂神社近くのカレーうどんのお店「味味香」で昼ご飯。
これくらいが身の丈の食事って感じですわね、やっぱり。
カレーうどんに細切りにした揚げが入っていて、美味しかったです。

 そして、我らの最後の贅沢は…。
祇園「徳屋」のわらび餅!!!!
向こうにあるのが本当のワラビ粉100%で作られたわらび餅で、手前のきなこ(左)と黒蜜(右)をお好みでつけて食べるのです。

氷のうえに盛られたわらび餅。本物のわらび餅はねぱ〜っとしたゲル状。形がない!冷たくで絶妙な甘さで絶品です。何もつけなくてもなんぼでもいけそう。
よくデパ地下で売っている杏仁豆腐みたいに切られたワラビ餅は本物でなかった、ということがわかってしまった。

わらび餅目的で入店したので、私も虫六子もこの上無く大満足しましたが、店内では季節柄、お汁粉とかぜんざいを注文している方々も多く、机の上の火鉢で細長いお餅を焼いている様子を尻目に、かなり食指が伸びそうになりましたが、これは次回のお楽しみということで我慢しました。

京都の食文化の深さにがつんとやられた3日間でした。

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