2011年12月4日日曜日

妄想詩歌句集「白い宇宙船」

ぱたぱたぱたと、
災害用自家発電のエンジンで、
白い宇宙船は飛び立つ。
カーテンで仕切られた方形二畳ばかりの無重力空間。
文庫本と隠し持ったiPadを枕元において。

綿虫や 「禁止」横目に メール打つ


味気なき 宇宙食をば 食みいつつ
わが箸とまる 談志逝去の報

天井に 3.11の痕みたり
宇宙船なれば 地震は無きと思え


大液晶 鎮座ましますオペ室で
わが腹切るや べっぴん先生


気がつけば つまらなき夢みていたり
そもそうそうに 忘れ去りたり


 ぼんやりと 銀杏の葉音 夢うつつ


銀河路に わが胎わたは 
蒸気列車の炉と化せり
夜を迷いつ


長き夜
右を向けば 黒きコードのドーム
左むけば 発光するチョークが散乱する床
上むけば 鉄道模型のモジュールを選べとのノルマ
これすべて我の妄想なり
と、夢中に思う


日に三度 宇宙食をば 画におさむ
誰に見せるとも無し
おもしろくも無し


しらじらと廊下の電気ともされば
わがモーニングコールは
「都鳥」なり


*12月3日、無事生還せり。
(お粗末さまでした〜 (;´д`) )



2 件のコメント:

  1. ガスパママ2011年12月4日 20:13

    お帰り~!!
    ご無事でなにより!
    お勤めごくろうさまでした。。。

    気長にのんびり静養してね。

    返信削除
  2. >ガスパママさん

    ご心配いただきありがとうございましたです。
    元気だよ〜。
    宇宙船乗船中は、テレビは食事中のニュース(なぜかNHK「カーネーション」含む)と「坂の上の雲」の再放送(←はまりました)くらいで、あとはぼんやり文庫本めくってましたが、帰還後は外出禁止で暇でもあり、家電解禁でたまった録画やらDVDやらで時間が流れていきそうで怖いです。
    せっかくもらった休暇なので、仕事を忘れて身心リセットしつつ、意識して時間を読書に振り分けたいです。

    返信削除