2012年5月20日日曜日

能登・七尾の花嫁のれん_第18回全国芝居小屋会議 in でか小屋・七尾大会(1)

この旅の目的地は石川県七尾市。
Nさんに誘っていただいて、5月13,14日に開催される全国芝居小屋会議に参加するためです。第18回目を数える今年は石川県七尾市の「でか小屋」と呼ばれるかつて芝居小屋だった建物が会場なのでした。

七尾市では5月3〜5日に大地主神社の春の例大祭「青柏祭」(神饌を青い柏葉に盛ってそなえる儀式とか)が開催されます。この祭りの呼びものは日本一の巨大な曳山(高さ12m、重さ20t、車輪直径2m!)で、通称「デカ山」と呼ばれているそうです。市内の鍛冶町・府中町・魚町から3台の曳山が奉納され、その豪壮な姿を競うのが見もので、今回の旅では惜しいことに日程が重なりませんでしたが、この頃が七尾観光の春の観光シーズンなのでしょう、時期をあわせて七尾市の一本杉通りでは「花嫁のれん展」も行われていて、これはぎりぎりセーフでみることができました。
会議の開始まで少々時間があるので、町内をぶらついて花嫁のれんを拝見しました。

 400メートルほどの商店街のあちらこちらの店舗に美しい加賀友禅の暖簾がかけられていて、訪れた観光客に公開していました。
こんな華麗な暖簾を七尾地方の女性たちは花嫁道具の一つとして2枚ずつ誂えて持って行くのだそうです。
銀行の中にも…。
あ、でか山の模型が!
こちらの古い酒屋さんでは花嫁衣装を見せてくれていました 。
「三重ねの振り袖」を着て嫁入りするのだそうで、結婚式は来客を換えて三日間にわたって行われるとか。はじめは黒、浅黄、朱と1日交替でお色直し、柄も同じモチーフながら少しずつ省略されているそうです。よく見ると、同じような柄にみえるのに確かに鶴や花の数が違っていました。
七尾の娘さん達、たとえ旦那になる人の顔は知らなくても、花嫁道具を揃えてもらって思いっきりテンションあがったでしょうね。

驚いたのは、この長襦袢!!
地織りにも鶴、染めにも松に鶴…。しかも、絶妙な柄あわせがしてありまして、友禅職人の緻密な仕事に感心してしまいました。
説明をしてくれた奥さんが「今はこんな仕事ができなくなっているから、いくらお金を積んでも買えない」と言ってました。

このお宅では、結婚式や家族の人たちの「萬歳」の支度をしている写真なども公開していて、発見がありました。宝生流の謡本なども1ケースあり、男衆が家の2階で練習していたそうです。
奥深いなぁ、七尾…。

会場に向かっている途中で 結納用の水引細工を扱っているお店発見!


立体的な加賀水引がで〜んとディスプレイされていました。
結婚産業が町の基幹産業ということはないでしょうが、立派な結婚式をあげることが町の経済にも強く結びついているんでしょうね。

そして、いよいよでか小屋に到着!
うひょー、全国の芝居小屋の幟が立ってますよ。

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